10月発売予定:Valerion VisionMaster Max、黒表現とAnti‑RBE搭載
ベストカレンダー編集部
2025年9月17日 14:42
VisionMaster Max初披露
開催日:10月1日
IFA 2025で公開されたValerionの新フラッグシップ:発表の要点と日程
Elevation Technology Partners LLC.より2025年9月17日11時40分に発表されたプレスリリースによると、Valerionはドイツ・ベルリンで開催されたIFA 2025にて、フラッグシップモデル「VisionMaster Max」を世界初公開しました。合わせて、Valerion製プロジェクターに最適化されたワイヤレスサラウンドシステムThunderBeat™ 5.1.2も同時に発表されています。
プレスリリースでは、VisionMaster Maxの主な特徴として、黒表現の革新、レインボーエフェクト除去技術、没入型ワイヤレスサラウンド搭載を挙げており、米国およびその他海外市場では10月より出荷開始予定、日本ではAmazonおよび楽天で10月末までの発売を予定していることが明記されています。販売価格は719,800円です。
展示会での評価と受賞歴
IFA 2025での初披露に際し、VisionMaster Maxは複数の賞を受賞しました。受賞一覧には、CHIP IFA Highlight、Trusted Reviews Best in Show、Future Innovation Award、IFA Innovation Award 2025 Honoree、NETZWELT Best of IFAが含まれます。
創業者兼CEOのAndy Zhao氏のコメントもリリースに含まれており、「Valerion の体験は、“視聴体験”以上の“人と映像体験の融合”です。VisionMaster Max は単なるプロジェクターではなく、“感情を奏でる楽器”です。」と述べています。製品は大作映画やゲームの表現力向上を意図して設計されている点が強調されています。
VisionMaster Max のコア技術 — NoirScene™ と Anti‑RBE を中心に
VisionMaster Maxは、特に暗部表現と色再現に重点を置いた設計が行われています。ネイティブコントラストは5,000:1、EBL(Enhanced Black Level)有効時は50,000:1に達する仕様が公表されており、独自のNoirScene™ Systemにより暗部の明瞭さとドラマ性を高めています。
NoirScene™ Systemは、機械式アイリス、EBL™アルゴリズム、迷光シールドを統合しており、輝度シーンで入射光を精密に制御します。機械式アイリスは動作中に値が変化するダイナミック・アイリスとは異なり、再生中は固定で、輝度の安定性とキャリブレーションの容易性が狙いです。また、耐熱ブラック塗装を施したステンレス製ブレードにより迷光を低減する設計です。
レインボーエフェクト除去(Anti‑RBE)と明るさ
DLP方式におけるレインボーエフェクトに対して、VisionMaster Maxは世界初のAnti‑RBEテクノロジーを搭載しています。高速なカラーシークエンスの融合により、人間の目にはシームレスで自然な像として知覚されることを目指し、レインボーエフェクトを99.99%排除するとしています。
同時に明るさは3,500 ISOルーメンに強化され、従来モデル(VisionMaster Pro2の3,000 ISOルーメン)より視認性とクリアネスが向上しています。これにより、明るいリビングルームなど多様な設置環境でも高品位な投写が期待できます。
設置性・接続性の強化とThunderBeat™ 5.1.2 ワイヤレスサウンド
本機は、ホームシネマ用途での柔軟な導入を想定して、世界で初めて交換式レンズとギガビット・イーサネットを備えたライフスタイル・プロジェクターとして位置づけられています。これにより設置場所の柔軟性と高速ネットワーク接続の両立を図っています。
交換式ガラスレンズは物理/デジタル双方のズームに対応し、投写比は0.9–2.0:1の可変レンジを実現します。標準レンズは0.9–1.5:1、オプション補助レンズで1.5–2.0:1へ拡張可能で、特許取得のバヨネットマウントを採用し主要ブランドレンズとの互換性を確保しています。
ネットワーク・OS・チップセットなどの接続仕様
ネットワーク面ではギガビット・イーサネットとWi‑Fi 6Eを搭載し、シームレスな4Kストリーミングやオンラインゲームに適した超高速接続を実現します。OSはGoogle TVを内蔵し、Dolby Vision、IMAX Enhanced、HDR10+、AIシーン最適化に対応します。
ハードウェア面ではAI強化のMT9618 SoC、4GB RAM/128GB eMMCを搭載しており、高速起動と操作性を確保。スマートホーム連携としてGoogle Home、Apple HomeKit、Amazon Alexa、Control4、Crestronと統合可能です。
ThunderBeat™ 5.1.2 Wireless Surround Sound
ThunderBeat™ 5.1.2はValerionプロジェクター向けに最適化されたワイヤレスサラウンドシステムです。Dolby Atmos®対応、超低遅延、完全ワイヤレスの実装をうたっています。5.1.2chの正統レイアウトがドーム状の360°サウンドステージを形成する設計で、ホームシネマ向けにシネマ級の音響を家庭に再現することを目標としています。
プレスリリースでは、ThunderBeat™とVisionMaster Maxの組合せによりシームレスなDolby Atmos再生が可能と説明されており、製品の出荷スケジュールはVisionMaster Maxと同様に10月から米国およびその他海外市場で開始、日本市場はAmazonで10月末までの発売を予定しています。
既存ラインナップと共通仕様、価格・発売情報の整理
プレスリリースはVisionMaster Maxを除く既存のValerion製品ラインナップも明示しています。それぞれの主要スペックを整理すると、製品群はプロ向け〜ライフスタイル向けまでをカバーしています。
以下では製品ごとの主要スペックを一覧化し、共通仕様も列挙します。VisionMaster Maxの価格は719,800円で、米国・海外は10月出荷開始、日本はAmazon/楽天で10月末までの発売予定です。
| 製品名 | 明るさ | 光学ズーム | コントラスト比(EBL時) | ネイティブコントラスト比 |
|---|---|---|---|---|
| VisionMaster Pro2 | 3000 ISOルーメン | 0.9–1.5:1 | 15000:1 | 4000:1 |
| VisionMaster Pro | 2500 ISOルーメン | 0.9–1.5:1 | 15000:1 | 3000:1 |
| StreamMaster Plus2 | 2000 ISOルーメン | fixed 1.2:1 | 10000:1 | 3000:1 |
| StreamMaster Plus | 1650 ISOルーメン | fixed 1.2:1 | 10000:1 | 3000:1 |
- 共通仕様(4製品)
-
- 光源:RGBレーザー110% REC2020
- 解像度&サイズ:4K UHD、最大300”対応
- 対応フォーマット:IMAX Enhanced、Dolby Vision、HDR10+、Active 3D、24FPS & 48FPS、Dynamic Tone Mapping
- オーディオ:内蔵12Wスピーカー ×2
- AI‑SoC:MT9618、4GB RAM / 128GB eMMC
- OS:Google TV
- 入力遅延:4ms(1080p・240Hz)、8ms(1080p・120Hz)、15ms(4K・60Hz)
- 対応ワイヤレス:AirPlay、Chromecast、Miracast
- スマートホーム連携:Google Home、Apple HomeKit、Alexa、Control4
ブランドと企業情報
ValerionはAWOL Visionのプレミアム・サブブランドとして位置づけられています。AWOL Visionは2020年設立の企業で、RGBレーザープロジェクターの開発を専門とし、フロリダ州デルレイビーチを本拠としています。
公式サイトとして、Valerionはhttps://www.valerion.com/global、AWOL Visionはhttps://awolvision.jp/が案内されています。VisionMasterシリーズはKickstarterにおいて累計で1,000万米ドル以上の調達実績があり、今回のVisionMaster Maxもその延長線上にある製品です。
記事のまとめ:主要ポイントの一覧
この記事では、ValerionがIFA 2025で発表したVisionMaster MaxおよびThunderBeat™ 5.1.2の主要な技術と仕様、発売スケジュール、既存ラインナップの仕様を整理しました。以下の表に本記事で紹介した主要情報を要約します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表元/日時 | Elevation Technology Partners LLC./2025年9月17日 11:40 |
| 展示会 | IFA 2025(ドイツ・ベルリン) |
| 新製品 | VisionMaster Max(プロジェクター)/ThunderBeat™ 5.1.2(ワイヤレスサウンド) |
| VisionMaster Max:コントラスト | ネイティブ 5,000:1、EBL有効時 50,000:1 |
| VisionMaster Max:明るさ | 3,500 ISOルーメン |
| VisionMaster Max:特長 | NoirScene™ System(機械式アイリス、EBLアルゴリズム、迷光シールド)、Anti‑RBE(レインボー除去 99.99%)、交換式ガラスレンズ(0.9–2.0:1)、ギガビット・イーサネット、Wi‑Fi 6E、Google TV内蔵、MT9618 SoC(4GB/128GB) |
| ThunderBeat™ | 5.1.2ch、Dolby Atmos対応、完全ワイヤレス、超低遅延、360°ドームサウンドステージ |
| 発売/価格 | 米国および海外:10月出荷開始予定、日本(Amazon/楽天):10月末までに発売予定、価格 719,800円 |
| 受賞 | CHIP IFA Highlight、Trusted Reviews Best in Show、Future Innovation Award、IFA Innovation Award 2025 Honoree、NETZWELT Best of IFA |
| ブランド情報 | ValerionはAWOL Visionのプレミアム・サブブランド。AWOL Visionは2020年設立(フロリダ州デルレイビーチ) |
以上が発表資料に基づく主要点の整理です。製品の技術的特徴、発売時期、価格、既存ラインナップの仕様までを網羅的にまとめました。