博報堂らが1万人で検証、コミュニティPRの実証実験開始

1万人コミュニティ実証

開催期間:9月8日〜11月30日

1万人コミュニティ実証
この実証実験って何をするの?
博報堂・ワイハウ・イロップが合計1万人の生活者コミュニティを横断調査し、生活者インサイトを抽出。エンゲージメントの高い参加者と共にブランド共創型のPR・マーケ手法を開発し、独自KPIで効果検証します(実施期間:2025/9/8〜11/30)。
参加企業それぞれの役割は?
博報堂は生活者インサイト分析と実証の統括、ワイハウはパートナー企業ネットワークとコミュニティ提供、イロップは美容領域の会員・インフルエンサーコミュニティを提供し、共同で手法とKPIを設計・検証します。

変化する発信者像とコミュニティマーケティングの必要性

生活者の嗜好や行動、情報接点が多様化・細分化する現在、従来のように特定市場で大きな影響力を持つ一部のインフルエンサーに依存するだけでは、消費行動を的確に捉えきれない場面が増えている。こうした環境では、独自の価値観で繋がる生活者コミュニティが発信の担い手となり得ることが注目されている。

株式会社博報堂(以下、博報堂)のミライデザイン事業ユニットは、この変化を踏まえ、ワイハウ(THE WHY HOW DO COMPANY株式会社)および株式会社イロップと共に、生活者接点として形成されるコミュニティを用いたコミュニティマーケティングの研究・開発を目的とする共同実証実験を開始した。プレスリリースは2025年9月8日 11時00分に発表されている。

なぜ今、コミュニティが重要なのか

個々の生活者が持つ価値観や行動様式が細分化することで、購買や情報拡散の起点は必ずしもフォロワー数の多いインフルエンサーだけではなくなっている。特定の価値観や関心で結び付いたコミュニティ内の発言者が、実際の消費行動に直結する影響力を持ちつつある。

そのため、本実証実験では1万人の生活者コミュニティを横断的に活用して、生活者インサイトを精緻に分析し、各コミュニティに合わせたPR・マーケティング手法の開発とその効果検証を行うことが狙いとされる。

1万人コミュニティを用いた共同実証実験の構成と参加企業の役割

本共同実証実験は、博報堂の生活者インサイト分析・PR・マーケティングノウハウ、ワイハウが持つパートナー企業群による生活者コミュニティ、イロップの美容マーケティング事業「irop(イロップ)」が抱える会員・インフルエンサーコミュニティを組み合わせることで進められる。

参加する各社はそれぞれの強みを持ち寄り、横断的な調査と共創型のPR・マーケティング手法の開発に取り組む。以下に実施内容と役割分担の概要を示す。

実証実験の主要項目

実証実験は大きく2つの柱で構成される。まず、コミュニティ横断でのインサイト調査を実施し、美容における価値観や情報収集・消費行動の特性を分析する。

次に、調査で得られた知見を基に、1万人のコミュニティ内からエンゲージメントの高い参加者を発見し、ブランドと生活者の共創関係を築くPR・マーケティング手法を開発する。活動を通じて、コミュニティの組成方法、PR・マーケティング活動への活用方法、独自KPIの設計等を明らかにする。

  1. コミュニティ横断インサイト調査: イロップとワイハウが保有する合計1万人のコミュニティを対象に横断調査を実施し、美容に関する価値観や情報接点、消費行動のインサイトを分析する。
  2. コミュニティを活用したPR・マーケティング手法の開発: 調査で抽出したエンゲージメントの高い参加者とブランドの共創関係を構築し、実際のPR・マーケティング施策としての活用手法・KPIを分析・発表する。

参加企業のプロフィールと具体的な役割

参加企業は、それぞれ異なるネットワークと専門性を持つ。以下に各社の事業概要、所在地、設立時期、代表者、URLなどの公表情報を整理する。

各社の役割は、コミュニティ提供、パートナー企業ネットワーク、生活者インサイト分析およびPR・マーケティング設計の分担という形で明確に定義されている。

株式会社博報堂(ミライデザイン事業ユニット)

役割: 生活者インサイト分析、PR・マーケティング手法設計、実証の統括。

組織情報: 本社所在地 東京都港区、代表取締役社長 名倉健司。

THE WHY HOW DO COMPANY株式会社(ワイハウ)

事業概要: 新規事業の立ち上げ支援、M&A・投資戦略、子会社への経営指導。

所在地: 東京都新宿区愛住町22 第3山田ビル。設立: 2004年7月。上場: 2006年10月 東証スタンダード(3823)。代表者: 執行役員社長CEO 亀田信吾。URL: https://twhdc.co.jp

株式会社イロップ(irop)

事業概要: パーソナルカラーケアなどの美容マーケティング事業「irop(イロップ)」の運営。

所在地: 東京都渋谷区代々木1-58-5 代々木吉野ビル5階。設立: 2023年7月。代表者: 代表取締役社長 高橋洋介。URL: https://irop.jp/shop/

実施期間・評価指標、期待される成果の整理

本実証実験の実施期間は2025年9月8日〜2025年11月30日であり、期間中に横断調査、エンゲージメント高位者の選定、PR・マーケティング手法の検証とKPI設計を実施する計画となっている。

実証の成果として想定される項目には、コミュニティ組成方法の指針、生活者接点を活用した具体的なPR施策、効果測定のための独自KPIの提示、さらに共同ソリューションの開発に向けた実践的な知見の蓄積が含まれる。

評価指標と検証の流れ

評価は定量的指標と定性的洞察の両面で行われる予定だ。定量的にはエンゲージメント指標(参加率、反応率、クリック率等)やブランド認知・購入意向の変化が想定される。

定性的にはコミュニティ内での話題の生成やブランドに対する態度変容、共創関係の深まり方などを分析することで、単なる数値だけでは捉えきれない価値を抽出する。

参考情報と関連リンク

本共同実証実験に関する公表資料は、博報堂のニュースリリースページにも掲載されている。詳細は下記の関連リンクを参照されたい。

関連リンク: https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/118836/

主要事項の整理(表)および締めのまとめ

以下の表は、本記事で取り上げた共同実証実験の主要事項を整理したものである。日付、参加社、実施内容、期間、期待されるアウトプットなどを網羅している。

項目 内容
発表日 2025年9月8日 11時00分(株式会社博報堂 発表)
実証実験の目的 1万人の生活者コミュニティを活用したコミュニティマーケティングの研究・開発及びPR・マーケティング効果の検証
参加企業 株式会社博報堂(ミライデザイン事業ユニット)、THE WHY HOW DO COMPANY株式会社(ワイハウ)、株式会社イロップ(irop)
主な実施内容 1. コミュニティ横断インサイト調査(美容の価値観・情報収集・消費行動の分析)
2. コミュニティを活用したPR・マーケティング手法の開発(エンゲージメント高位者の発見と共創)
実施期間 2025年9月8日〜2025年11月30日
期待されるアウトプット コミュニティ組成手法、PR・マーケティング活用法、独自KPIの設計、共同ソリューション開発に向けた知見
各社の主な情報(抜粋) THE WHY HOW DO COMPANY株式会社: 所在地 東京都新宿区愛住町22 第3山田ビル、設立 2004年7月、代表 亀田信吾、URL https://twhdc.co.jp
株式会社イロップ: 所在地 東京都渋谷区代々木1-58-5 代々木吉野ビル5階、設立 2023年7月、代表 高橋洋介、URL https://irop.jp/shop/
公表資料 博報堂ニュースリリース: https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/118836/

本記事は、博報堂が発表した共同実証実験の内容を整理し、実施の目的、構成、各社の役割、実施期間および期待される成果を網羅的にまとめた。今回の取り組みは、生活者接点を基盤としたコミュニティが持つ可能性を具体的に検証し、PR・マーケティングの実務に結び付けることを目指す点で注目に値する。

参考リンク: