9/10出展|AI通関クラウド「Shippio Clear」デモ

Shippio Clear展示

開催期間:9月10日〜9月12日

Shippio Clear展示
Shippio Clearって何ができるの?
AI-OCRで多様な通関書類を高精度に読み取り、自動計算・誤り検出、HSコード割当、NACCSフォーマット変換まで一気通貫で自動化。共同検証で通関業務を約7割効率化しました。
いつから使えるの?展示は見に行けるの?
提供は2025年9月開始(発表日:2025/09/08)。9/10〜9/12の国際物流総合展で東5ホール5-901にてデモ展示を実施。現地で読み取りや申告出力を確認できます。

通関現場が直面する課題と開発の背景

近年の輸出入量増加により、通関許可件数は2016年から2024年の間で約8倍に増加しました。一方で通関従事者数は横ばいで推移しており、限られた人員で増大する業務を賄う必要があるため、人手不足や一人当たりの業務負担が深刻化しています。

通関業務は依然として紙出力や電卓での検算、書類の線引きなど手作業に依存する部分が多く、業務の属人化や重複したチェック工数が発生している点が課題です。税関手続きではミスが許されないため目視での確認が欠かせず、ここに大きな工数がかかっている現状があります。これらの課題を踏まえ、株式会社ShippioはAIを活用した通関業務クラウド「Shippio Clear」を開発し、2025年9月に提供開始すると発表しました。

背景データの出典として、税関の公開資料(https://www.customs.go.jp/zeikan/pamphlet/report/pdf/report_008j.pdf 、https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/shiken/8101_jr.htm)を参照しており、増加する通関量と人員のミスマッチが深刻な構造的問題であることが示されています。

このような状況を受け、Shippioは通関士が専門性を活かしやすい業務環境を整えることを目的に、手作業にかかる工数を削減するクラウドサービスの提供を開始します。サービス紹介ページはhttps://service.shippio.io/clear にて公開されています。

通関業務を7割削減!貿易DXのShippio、AI通関クラウド「Shippio Clear」を新たに提供開始 画像 2

Shippio Clearの機能構成と導入効果

「Shippio Clear」はAIを中核とした通関業務効率化クラウドです。Shippioグループ会社である協和海運株式会社との共同検証により、通関業務全体の約7割の効率化を確認しています。導入により、通関書類の読み取り、計算、申告フォーマットへの変換までの一連作業が大幅に自動化されます。

本サービスは、読み取り精度や申告書フォーマット変換、過去の実績データ活用といった複数の機能を組み合わせることで、手作業による転記ミスや二重チェックに要する工数を縮減します。また既存のShippioクラウド製品(Shippio Works、Shippio Cargo)と連携することで、貿易案件の管理から通関処理までを一元的に運用できる点も特徴です。

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主要機能の詳細

以下は「Shippio Clear」が備える主な機能の概要と効果です。各項目は実務の具体的な負荷を低減するよう設計されています。

機能はAI OCR、計算・正誤確認、自動変換、過去実績の活用といったカテゴリで整理され、NACCS出力までを視野に入れたワークフローを提供します。

  • AI OCR:フォーマットが統一化されていない貿易書類にも対応し、読み取り精度は97%を実現。
  • 自動計算・正誤確認:品目ごとの数量や総量を自動計算し、縦計・横計の検算を行うことで手作業の確認工数を削減。
  • NACCS申告書フォーマット変換:登録データをNACCS申告書のフォーマットに自動変換し、HSコードや原産地情報を含めて申告に必要な全項目をワンクリックで出力可能。
  • 過去実績データの蓄積・活用:クラウド上に蓄積された実績を基に、HSコードの割当や類似案件の参照を自動化し、継続的な業務効率化に寄与。
  • Shippio製品群との連携:Shippio Works(物流事業者向け)やShippio Cargo(荷主向け)と連携し、案件管理から通関までをShippioクラウドで完結。
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性能指標と検証結果

共同検証結果では通関業務全体で約7割の効率化が確認されており、これは手入力・検算・重複チェックなどの削減により達成された数字です。OCRの読み取り精度97%は、多様な書類フォーマット下でも高精度なデータ抽出が可能であることを示しています。

具体的な効果としては、手作業での縦計・横計確認時間の大幅短縮、HSコード付番の自動化支援、申告書作成のワンクリック出力などが挙げられます。これにより通関士はルーティン作業から解放され、より専門性を求められる判断業務に注力できる環境が整います。

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トライアル企業の導入事例と現場での変化

Shippioは複数の運送・物流事業者に「Shippio Clear」をトライアル導入し、現場の実運用で得られた具体的な評価を公表しています。以下は導入企業の担当部署からのコメントを原文の趣旨に沿って整理して記載します。

各社の声は、書類の自動CSV化、計算工数の削減、HSコード付番支援、業務の属人化是正など、現場での具体的な改善点を示しています。

NKインターナショナル株式会社(通関グループ)

これまでは10ページを超える書類の価格や重量を電卓やExcelで手計算しており、品目分類は担当者の記憶に依存していました。計算書や品目マスタが各担当者のExcelに分散していたため、一元管理が課題でした。

「Shippio Clear」により書類情報が自動でCSV化され、縦計・横計の確認作業は約10分の1に短縮されました。実績データの蓄積によりHSコードの振り分けが容易になり、通関士は専門性を活かした業務へ移行できると評価しています。

株式会社山久陸運(国際物流業務部)

現在はマクロでExcelの線引きを行っていたが、特にHSコードの選定は担当者の力量に依存していました。AIは利用者が気づきにくい点に対して気づきを与える点が評価されています。

利用開始直後でも、読み取り・計算・合計値への反映が自動化されていることに感動していると述べ、今後の継続的な開発でさらに利便性が向上することを期待するとコメントしています。

菱神運輸株式会社(国際物流部)

従来は通関書類の印刷、HSコードごとの線引き、Excelへの手入力、NACCS入力という手順を繰り返しており、入力ミスやチェック工数が大きな負担でした。作業の分担や途中引き継ぎが難しく、属人的な業務も課題でした。

「Shippio Clear」によってエクセルへの手入力が不要になり、AI-OCRの精度が高いため再入力不要となりました。チェック・入力修正・再チェックといった手間が解消され、大幅な効率化を実感しているとの報告があります。

琉球通運株式会社(国際営業部)

Shippio Works導入により課間共有は改善していたものの、PDF通関書類のデータ化や手入力・計算確認には依然多くの工数を割いていました。試用により書類チェックから計算書作成までが効率化されました。

OCRの高精度な抽出やAIによるHSコード提案が経験の浅い社員の学習を助け、人材育成にも寄与する点が高く評価されています。機能拡充への期待も示されています。

対応予定・展示情報、会社情報の整理

当初リリースでは海上輸送の輸入に対応しており、今後数ヶ月以内に海上輸送の輸出通関、さらに航空輸送への対応拡大を予定しています。また、税関の申請システムであるNACCSとの連携機能も開発予定で、書類作成から申請までを一貫して完結できる体制の構築を目指しています。

Shippioは2025年6月開始のEPA関税認定アドバイザー制度等の動きも踏まえ、通関士が従来の属人的業務から解放され、より高度な価値提供に注力できる仕組みの整備を意図しています。

展示情報(デモ出展)

「Shippio Clear」は国際物流総合展2025 第4回INNOVATION EXPOにてデモ展示を実施します。開催期間は2025年9月10日(水)~9月12日(金)です。

開催場所およびブースは東5ホール 5-901、イベント公式サイトはhttps://ie.logis-tech-tokyo.gr.jp/です。現地でのデモにより実際の読み取りや申告書出力の挙動を確認できます。

会社概要(要点)

株式会社Shippioは2016年6月設立、代表取締役は佐藤孝徳氏、本社は東京都港区芝浦1-1-1 BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S 9階です。事業は国際物流プラットフォームの企画・開発・運営を主軸としています(https://www.shippio.io/)。

取得ライセンス等は第一種・第二種貨物利用運送事業者として複数の認可を有し、IATA公認代理店認可、一般社団法人国際フレイトフォワーダーズ協会(JIFFA)正会員などの情報があります。企業URLはhttps://www.shippio.io/corp/です。

項目 内容
サービス名 Shippio Clear(AI通関クラウド)
提供開始 2025年9月(発表日:2025年9月8日)
主な機能 AI OCR(読み取り精度97%)、自動計算・正誤確認、NACCSフォーマット変換、HSコード支援、過去実績活用
検証結果 協和海運株式会社との共同検証で通関業務全体で約7割の効率化
トライアル企業 NKインターナショナル、山久陸運、菱神運輸、琉球通運(それぞれの現場評価を掲載)
連携製品 Shippio Works(物流事業者向け)、Shippio Cargo(荷主向け)
展示 国際物流総合展2025 INNOVATION EXPO(2025/9/10-9/12)東5ホール 5-901
関連リンク https://service.shippio.io/clear 、https://www.shippio.io/ 、税関資料(https://www.customs.go.jp/…)

この記事では、Shippioが発表したAI通関クラウド「Shippio Clear」の背景、機能、導入効果、トライアル企業の評価、今後の対応予定および展示情報と会社概要を整理しました。手作業に依存していた通関プロセスを自動化・効率化することで、通関士が高度な専門業務へ注力できる環境整備に繋がることが示されています。

参考リンク: