20代の転職、最多は給与アップ 世代で重視点が変化

20代転職調査結果

開催期間:8月2日〜8月18日

20代転職調査結果
20代の転職でいちばん重視されてるポイントは何?
学情の調査では「給与・年収をアップさせたい」が最多。職歴別の割合に差はあるものの、ヤングキャリア・第二新卒ともに最重要項目として挙がっている結果です。
ヤングキャリアと第二新卒で転職理由はどう違うの?
ヤングキャリアは給与に加えやりがい・残業削減など仕事の中身やワークライフバランスを重視。一方、第二新卒は人間関係や企業風土の適合を重視する傾向が強いです。

20代の転職動機は「給与アップ」が共通項、だが重視点は世代で異なる

株式会社学情が2025年8月2日から8月18日に実施した20代の転職希望者を対象とするWebアンケート(有効回答数303件)では、転職理由の最多は「給与・年収をアップさせたい」という結果になりました。社会人経験の有無にかかわらず共通の最重要項目である一方、どの点を重視するかは世代(経験年数)によって異なる傾向が見られます。

調査は20代専門転職サイト「Re就活」の来訪者を対象に行われ、回答は複数回答可で集計されています。数値は小数点第二位を四捨五入し小数点第一位までを表記しているため、択一式回答の合計が必ずしも100.0%にならない場合がある点が注記されています。以下では、ヤングキャリア(社会人経験3年以上)と第二新卒(社会人経験3年未満)それぞれの傾向を整理します。

20代転職希望者の転職理由は「給与・年収アップ」が最多。ヤングキャリアは「やりがい」「残業減」、第二新卒は「人間関係」「風土」重視の傾向 画像 2

ヤングキャリア(社会人経験3年以上)の特徴

社会人経験3年以上の層(本稿では「ヤングキャリア」と表記)は、転職理由として「給与・年収をアップさせたい」45.4%が最多でした。次に「もっとやりがい・達成感のある仕事がしたい」26.8%、「残業を減らしたい、休日を確保したい」21.6%が続きます。

これらの結果から、ヤングキャリアは給与の改善を第一の動機にしつつ、仕事の中身(やりがい・達成感)やワークライフバランス(残業削減・休日確保)も重要視していることが読み取れます。職務経験を積む中で仕事の質や時間の使い方にも関心が高まる傾向がうかがえます。

  • 給与・年収をアップさせたい:45.4%
  • もっとやりがい・達成感のある仕事がしたい:26.8%
  • 残業を減らしたい、休日を確保したい:21.6%

第二新卒(社会人経験3年未満)の特徴

社会人経験3年未満の層(「第二新卒」)も転職理由のトップは同じく「給与・年収をアップさせたい」32.5%でした。しかし、2位以降の理由に違いがあり、「職場の人間関係に不満があった」26.1%「より会社の風土や考え方が合う企業で働きたい」22.9%が続きます。

このことから、第二新卒は職場環境や企業文化の適合性を重視する傾向が強く、入社後のミスマッチや人間関係の問題が転職動機として大きな比重を占める点が明確になっています。入社間もない段階での離職や転職の背景が反映された結果といえます。

  • 給与・年収をアップさせたい:32.5%
  • 職場の人間関係に不満があった:26.1%
  • より会社の風土や考え方が合う企業で働きたい:22.9%

「転職で実現したいこと」—職歴別の優先順位と差異

次に、転職や就職を通じて実際に「実現したいこと」についての設問では、ヤングキャリアと第二新卒の双方ともに「給与・年収が上がること」が最多となりました。ただし、その割合や2位以降の並びに差が見られます。

加えて、職歴がない既卒者の志向は職歴のある20代と異なり、希望する仕事に従事することやスキル習得、プライベート時間の確保など別の項目が上位を占めています。この点は採用側がターゲットによって訴求ポイントを変える必要があることを示唆します。

ヤングキャリアと第二新卒の具体的数値

ヤングキャリア(社会人経験3年以上)の「就職・転職で実現したいこと」は、「給与・年収が上がること」57.7%が最多で、次いで「希望する仕事に従事できること」41.2%「良好な人間関係を築けること」33.0%「スキルを身につけて成長できること」26.8%の順でした。

一方で第二新卒は、「給与・年収が上がること」42.0%「希望する仕事に従事できること」37.6%が1位・2位で同順位となり、さらに「良好な人間関係を築けること」32.5%「スキルを身につけて成長できること」32.5%が並びました。

項目 ヤングキャリア(%) 第二新卒(%)
給与・年収が上がること 57.7 42.0
希望する仕事に従事できること 41.2 37.6
良好な人間関係を築けること 33.0 32.5
スキルを身につけて成長できること 26.8 32.5

さらに、職歴なしの既卒者では「希望する仕事に従事できること」52.6%が最多で、次いで「スキルを身につけて成長できること」39.5%、「プライベートな時間を確保できること」36.8%と、職歴のある20代とは異なる優先順位が確認されました。

調査概要と株式会社学情の事業展開

本調査の実施主体は株式会社学情(本社:東京都中央区)で、調査期間は2025年8月2日~8月18日、調査対象は20代就職・転職希望者(20代専門転職サイト「Re就活」のサイト来訪者)、有効回答数は303件、調査方法はWeb上でのアンケート調査でした。集計の表記方法としては、各項目の数値を小数点第一位までで表記していることが注記されています。

株式会社学情は東証プライム上場・経団連加盟の企業で、2004年から「20代通年採用」を提唱しています。20代向け転職サイト〈Re就活〉は2019年~2024年の東京商工リサーチ調査で20代向け転職サイト第1位(会員数260万人)とされており、30代向けや学生向けのサービスも展開しています。

調査期間
2025年8月2日~2025年8月18日
調査機関
株式会社学情
調査対象
20代就職・転職希望者(「Re就活」のサイト来訪者)
有効回答数
303件
調査方法
Web上でのアンケート調査
注意事項
各項目の数値は小数点第二位を四捨五入し小数点第一位までを表記しているため、択一式回答の合計が100.0%にならない場合があります。

同社の提供する主なサービスとして、20代向け転職サイト〈Re就活〉、30代向けダイレクトリクルーティングサービス〈Re就活30〉、スカウト型就職サイト〈Re就活キャンパス〉(2025年3月1日ブランドリニューアル)などがあり、若手人材の採用支援を中心に複数の事業を展開しています。創業は1976年、資本金は15億円です。

調査の詳細や報告書は、学情のレポートページに掲載されています(参考:https://service.gakujo.ne.jp/jinji-library/report/250908/)。

調査結果の要点(まとめ)

本章では、本文で示した主要な数値と調査情報を表形式で整理します。表はヤングキャリアと第二新卒の比較、調査概要、及び重要な付記を含みます。

以下の表は、本調査の主要ポイントを端的に把握できるようにまとめたものです。

項目 内容
調査期間 2025年8月2日~2025年8月18日
調査対象 20代就職・転職希望者(「Re就活」来訪者)
有効回答数 303件
調査方法 Webアンケート(複数回答可)
ヤングキャリア(転職理由トップ3) 1位:給与・年収をアップさせたい 45.4%/2位:やりがい・達成感 26.8%/3位:残業を減らしたい 21.6%
第二新卒(転職理由トップ3) 1位:給与・年収をアップさせたい 32.5%/2位:職場の人間関係に不満 26.1%/3位:会社の風土や考え方の一致 22.9%
転職で実現したいこと(上位例) ヤングキャリア:給与上昇57.7%、希望業務41.2%、良好な人間関係33.0%/第二新卒:給与上昇42.0%、希望業務37.6%、良好な人間関係32.5%
備考 数値は小数点第一位まで表記(四捨五入)しているため、合計が100.0%とならない場合あり。詳細レポート:https://service.gakujo.ne.jp/jinji-library/report/250908/

以上の通り、20代の転職希望者は世代を問わず給与の向上を重要視していますが、経験年数に応じて「仕事のやりがい」「ワークライフバランス」「人間関係」「企業風土」など、優先する項目に違いが出ています。本調査は、採用側が対象の属性に応じて重視点を把握し、求人情報や企業側の訴求ポイントを最適化するための参考資料となります。

参考リンク: