ポイント還元終了で“駆け込み寄付”増、94.1%が継続予定

ポイント還元終了で駆け込み

開催日:9月5日

ポイント還元終了で駆け込み
ポイント還元の終了っていつで、私にどう影響するの?
主要ポータルのポイント還元は2025年9月予定で、終了を見越した「駆け込み寄付」や控除上限までの寄付が増加。還元重視の人は負担感が出る可能性があります。
駆け込み寄付って本当に増えてるの?来年も続けるべき?
調査では「既に行った」+「これから行う」で9割超、例年より早く寄付した人も多数。来年以降も約94.1%が継続意向を示しており、控除上限や目的で判断すると良いです。

ふるさと納税で見えた「駆け込み寄付」と制度環境の変化

消費者意識データ分析サービスを提供するノウンズ株式会社は、サブスク型リサーチSaaS「Knowns 消費者リサーチ」を通じて行った「ふるさと納税に関する意識調査」(調査日:2025年9月5日、回答者数:1,009名)を公表しました。本調査は、主要ポータルサイトにおけるポイント還元の終了(2025年9月予定)という制度環境の変化を背景に、生活者の寄付行動の変化や今後の意向を探ることを目的としています。

調査結果は、制度開始から17年が経過し寄付総額が1兆円を超える一方で、返礼品競争の抑制やポイント還元の終了などが利用者行動に与える影響が具体的に表れていることを示しています。本章では、調査の背景と基本情報を整理します。

調査名
「ふるさと納税」に関する意識調査
調査期間
2025年9月5日
実施主体
ノウンズ株式会社
調査対象
全国の一般生活者(回答者数:1,009名)
調査方法
Knowns 消費者リサーチを通じたインターネット調査(https://knowns.co.jp/research/)
ふるさと納税、ポイント還元終了で“駆け込み寄付”増加、約95%が来年以降も継続意向【ノウンズ株式会社調べ】 画像 2

背景にある制度の変化と調査の意義

ふるさと納税制度は2008年開始以降、返礼品やポータルサイトの利便性向上により急速に拡大してきました。しかし、返礼品競争の抑制策や主要ポータルで予定されているポイント還元の終了など、制度周辺の変更が利用動向に与える影響は無視できません。今回の調査は、こうした変化が実際の消費者行動にどのように反映されているかを定量的に把握するために実施されました。

調査の結果は、現在の寄付行動がただ単に拡大しているだけでなく、ポイント施策の終了を見越した前倒しや行動様式の変化が生じていることを示します。今後の制度設計や自治体・ポータルの対応にとって示唆のあるデータと言えます。

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誰が、どのポータルを使っているのか:利用実態とポータル依存

「直近3年(2023–2025年)でふるさと納税を行いましたか?」という設問に対し、行った:50.7%、行っていない:49.3%という結果になりました。寄付総額は増加傾向にある一方で、ここ3年間で利用していない人も半数近く存在する点が確認されました。

今年(2025年)の利用者のポータル選択は大手に集中しており、ポイント還元や手続きの簡便さといった利便性が選択に強く作用していることが読み取れます。また、今年に限っては「既に行った」(52.6%)と「これから行う予定」(44.0%)を合わせて9割以上が寄付を行う意向を示しており、ポイント還元終了を見据えた駆け込み寄付の存在が明確です。

2025年 ふるさと納税利用ポータルサイト別(複数回答)
ポータル名 回答者数(名)
楽天 263
さとふる 213
ふるなび 139
ふるさとチョイス 67
Yahoo! 50
au PAY ふるさと納税 46
自治体公式サイト 14
あてはまるものはない 11
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ポータル依存の背景と自治体サイトの位置づけ

ポータルサイトの上位に位置するサービスは、ポイント還元や決済の利便性、検索性や返礼品の豊富さで差別化を図ってきました。その結果、利用者の多くは大手ポータルにアクセスし、自治体公式サイト経由の寄付はわずか14名にとどまるという調査結果が示されました。

この集中は、自治体側にとってはポータルとの連携や返礼品の戦略見直しを迫る一方、ポータル側にはポイントやUX(ユーザー体験)を含めたサービス設計の重要性を示唆しています。ポイント還元が終了した後、どのような付加価値で利用者を引き留めるかが注目されます。

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ポイント還元終了がもたらした具体的な行動変化と来年以降の意向

ポイント還元の終了を見越した行動変化については、複数回答で尋ねた設問で以下のような結果が得られました。回答は「例年より早い時期に寄付した」が176名、「控除上限まで寄付するようになった」が139名といった形で、駆け込みや控除枠の最大化を図る動きが明確になっています。

  • 例年より早い時期に寄付した:176名
  • 控除上限まで寄付するようになった:139名
  • 利用ポータルを変更した:98名
  • 返礼品ジャンルの選び方が変わった:79名
  • 寄付する自治体の数を増やした/減らした:38名
  • 寄付の回数を分散させた:35名
  • 普段寄付しない高額返礼品を選んだ:34名
  • 寄付を控えた/減らした:27名
  • 特に変化はない:67名

これらの選択肢からは、多くの利用者が還元終了を見越して短期的に振る舞いを変えていることが読み取れます。特に「控除上限まで寄付するようになった」「例年より早い時期に寄付した」といった回答は駆け込み需要の存在を示しています。

一方、来年以降のふるさと納税に関する意向は次のとおりです。変わらず行う予定:69.7%、頻度や金額を減らして行う予定:21.9%、むしろ増額して行う予定:2.5%、やめる予定:5.9%という構成で、合計すると94.1%が何らかの形で継続する意思を示しています。

意向をどう読み解くか

ポイント還元の終了が一部の利用者に短期的な行動変化を促したものの、制度そのものの定着や返礼品・地域への共感は依然として強く、長期的な利用意向は高いままです。寄付の頻度や金額を減らすと答えた約2割は、ポイント施策の影響を受けた層と推測され、自治体やポータルは価値の再提示が求められます。

また、利用ポータルを変更したと答えた98名や返礼品ジャンルの選び方が変わった79名といった回答は、ユーザーの選好が流動化していることを示唆しており、新たなサービスや商品設計の余地を示します。

調査全容とノウンズ株式会社のサービス、まとめ表

本調査はノウンズ株式会社が提供する「Knowns 消費者リサーチ」を通じて実施されました。同社はポイ活型モバイルアンケートアプリ「Knowns App」と、企業向けサブスク型リサーチSaaS「Knowns 消費者リサーチ」を展開し、定量・定性を横断したデータで企業の意思決定を支援しています。サービス詳細は以下のリンクで確認できます:Knowns 消費者リサーチ(https://knowns.co.jp/research/)、Knowns App(https://app.knowns.jp/)。

調査結果の引用を行う場合は出所の明示が求められており、記載例は「ノウンズ株式会社『ふるさと納税に関する意識調査レポート』より」とされています。また、本リリース内にある画像や調査レポート等の素材はダウンロード可能と明記されています。

本記事で整理した主要データ一覧
項目 内容
調査実施日 2025年9月5日
調査対象 全国の一般生活者 1,009名
直近3年でふるさと納税を行った割合 50.7%
今年(2025年)の寄付状況(行った/予定) 既に行った 52.6%、これから行う予定 44.0%
主要ポータルの利用者数(複数回答) 楽天 263名、さとふる 213名、ふるなび 139名、ふるさとチョイス 67名、Yahoo! 50名、au PAY 46名、自治体公式サイト 14名、該当なし 11名
ポイント還元終了に伴う行動変化(主な項目) 例年より早い時期に寄付 176名、控除上限まで寄付 139名、利用ポータル変更 98名、返礼品ジャンル変更 79名、寄付控え 27名、特に変化なし 67名
来年以降の継続意向 変わらず行う予定 69.7%、頻度や金額を減らす予定 21.9%、増額 2.5%、やめる 5.9%(継続意向合計 94.1%)
調査実施者(連絡先等) ノウンズ株式会社(所在地:東京都渋谷区道玄坂1丁目7-1 渋谷グローリアビル5F、代表取締役:田中啓志朗、設立:2019年12月)、サービスURL:https://knowns.co.jp/research/、問い合わせ:https://knowns.co.jp/#contact

今回の調査は、ポイント還元終了という制度面の変化が短期的な駆け込みや寄付方法の見直しを促した一方、長期的な継続意向は高いという結果を示しました。自治体やポータル運営事業者は、ポイント以外の価値(返礼品の選定基準、地域のストーリー、手続きの利便性など)をどのように提示していくかが今後の鍵となります。調査全容や追加分析に関心がある場合は、ノウンズの提供するサービスや問い合わせ窓口を通じて詳細を確認できます。