2025年8月クラファン動向 ガジェット系が首位に
ベストカレンダー編集部
2025年9月8日 10:26
8月クラファン動向
開催期間:8月1日〜8月31日

8月のクラウドファンディング動向概観 ― ガジェットが市場を牽引、睡眠・リラックス系は高単価で資金を集中獲得
株式会社LEAGUE(本社:東京都武蔵野市)が運営するクラウドファンディング専門メディア「CF NEWS」は、2025年8月1日から8月31日までに当メディアで紹介したクラウドファンディングプロジェクトを集計・分析したレポートを発表しました。発表日は2025年9月8日、発表元は株式会社LEAGUEです。本レポートはプロジェクトのジャンル、支援総額、支援者数、リターンの特徴などを対象にした定量・定性分析を含みます。
調査方法はCF NEWSの記事にて取り扱ったプロジェクト群をベースに集計・分析を行うもので、調査会社は株式会社LEAGUE、調査期間は2025年8月1日〜2025年8月31日です。分析の結果、プロジェクト件数で最多を占めたのはガジェット系で、支援総額ではガジェット系が合計1億8,627万円超8,368万円超で2位、アウトドア系は5,544万円超で3位に入りました。
- 発表企業
- 株式会社LEAGUE(代表取締役 武智 翔太郎)
- 発表日
- 2025年9月8日 09時30分
- 調査期間
- 2025年8月1日〜2025年8月31日
- 調査方法
- CF NEWS掲載プロジェクトの集計・分析
- 本社所在地
- 〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2丁目8番4号 i-office吉祥寺
- 設立
- 2020年4月
- 事業内容
- 小売・卸事業、販売代行業、コンサルティング業
- URL
- https://league-jp.com/

ジャンル別の特徴と代表プロジェクトの具体例
集計対象のプロジェクト群をジャンル別に分析すると、プロジェクト件数で多かったジャンルはガジェット系と美容・ファッション系でした。ガジェット系は全体の約3分の1にあたる31件を占め、件数・支援金額・支援者数のいずれでも高い存在感を示しています。
また、各ジャンルにはそれぞれ明確な特徴が見られます。ガジェット系は生活改善や癒やし、復刻・リバイバルなど複数の切り口で支持を集め、美容・ファッション系は快適性と実用性を重視した製品が広い層に受け入れられました。

ガジェット系の潮流と注目プロダクト
ガジェット系では「日常の利便性を高める技術」「癒しや体験を提供する製品」「情緒的価値を再構築する復刻モデル」の3つの方向性が顕著でした。支援金・支援者数ともに首位となった背景には、機能性とデザイン性を両立させた製品群の存在があります。
代表例としては以下が挙げられます。
- SMARTCOBY ULTRA SLIM 3K:厚さわずか5mmの超薄型モバイルバッテリー。財布や手帳に収まる携帯性が特徴。
- lopeto:AIペットロボット。頭をなでたり声をかけることで個性が育つ感情成長型ロボット。ふわふわのボディや着せ替えパーツで情緒的価値を提供。
- YASHICA FX-D:クラシックなデザインを現代技術で再構築したデジタルカメラ。レトロ外観とデジタルの利便性を両立。

美容・ファッション系の広がりと実用性
美容・ファッション系のプロジェクトは機能性とデザイン性の両立を重視する傾向が続いており、日常使いしやすい製品が支持されました。価格帯やサイズ展開、カラーバリエーションなどで幅広い層を取り込む工夫が見られます。
具体的には次のようなプロジェクトが注目されました。
- Opt.1093:新時代の老眼鏡。スタイリッシュなフレームと最新レンズ技術で近距離から中距離まで1本でカバー。
- LAQUN(ラクーン)シリーズ第5弾:ハンズフリー設計の次世代スニーカー。1秒で履けることと長時間の快適性が支持を獲得。
季節需要・アウトドア系・防災などの多様化
8月は夏休みやレジャーシーズンに合わせたアウトドア用品や、社会背景を反映した防災グッズが注目されました。超小型ポータブル電源、携帯エアーポンプ、多機能スーツケースなどの実用アイテムが登場しています。
これらの動向はクラウドファンディングが「特別な商品を応援する場」から、日常生活に密着した「自分に合った生活アイテムを発見する場」へと変化していることを示しています。
支援金額・支援者数の詳細分析と傾向
ジャンル別の支援総額を見ると、ガジェット系が合計1億8,627万円超で首位。2位は睡眠・リラックス系で合計8,368万円超、3位はアウトドア系で合計5,544万円超でした。美容・ファッション系は5,513万円、健康・フィットネス系は5,314万円、食品・飲料系は4,753万円となっています。
一方、支援者数ではガジェット系が15,706人で最多、次いで美容・ファッション系が6,197人、食品・飲料系が4,753人でした。睡眠・リラックス系は支援総額で2位に入ったものの、支援者数は2,722人に留まり、少数精鋭で高単価の支援を集める傾向が浮かび上がりました。
ジャンル | 支援総額(円) | 支援者数(人) |
---|---|---|
ガジェット系 | 1億8,627万円超 | 15,706 |
睡眠・リラックス系 | 8,368万円超 | 2,722 |
アウトドア系 | 5,544万円超 | (個別プロジェクトにより異なる) |
美容・ファッション系 | 5,513万円 | 6,197 |
健康・フィットネス系 | 5,314万円 | (個別プロジェクトにより異なる) |
食品・飲料系 | 4,753万円 | 4,753 |
注目例として、快眠マットレスのプロジェクトでは約1,000人の支援者から5,800万円超を集め、支援単価の高い少数精鋭型の資金調達が確認できます。支援金額の多寡は、製品の付加価値とリターン設定に大きく依存している点がデータから読み取れます。
リターン設計の傾向とプロジェクト運営への示唆
8月のプロジェクトでは、リターン設計が支援獲得において重要な役割を果たしていることが明確になりました。ジャンルごとに異なる工夫が見られ、実用性、選択肢の多さ、継続性を意識した設計が支持を集めています。
以下にジャンル別の主要なリターン傾向を整理します。
- ガジェット系:本体カラーや着せ替えアクセサリー、専用アプリなどのカスタマイズ要素、複数台購入のセット割引や早期割引など長期利用を想定したプランが多い。
- 美容・ファッション系:サイズ展開・カラーバリエーション・複数本セットなど、日常に取り入れやすい選択肢を幅広く用意する例が多い。
- 食品・飲料系:少量で試せるお試しセットや限定パッケージ、定期配送のサブスクリプション型リターンを導入する事例が増加。
具体的事例として、AIペットロボット「lopeto」では着せ替えアクセサリーや色選択、専用アプリ連携のリターンを用意し、ユーザーの関与を促しています。超薄型バッテリー「SMARTCOBY ULTRA SLIM 3K」は早期購入者向けの割引に加え複数台購入のセット割引を設定し、購入単価の向上と顧客囲い込みを図っています。
項目 | 内容 |
---|---|
調査主体 | 株式会社LEAGUE(CF NEWS) |
調査期間 | 2025年8月1日〜8月31日 |
支援総額トップ | ガジェット系:1億8,627万円超 |
支援金額2位 | 睡眠・リラックス系:8,368万円超(少数精鋭で高単価) |
支援者数トップ | ガジェット系:15,706人 |
代表的プロジェクト例 | SMARTCOBY ULTRA SLIM 3K、lopeto、YASHICA FX-D、Opt.1093、LAQUN |
会社情報(抜粋) | 株式会社LEAGUE/代表:武智 翔太郎/本社:東京都武蔵野市吉祥寺本町2-8-4 |
関連リンク | CF NEWS:https://cfnews.jp/、企業:https://league-jp.com/ |
本稿では、株式会社LEAGUEの8月集計レポートに基づき、ジャンル別の件数・支援金額・支援者数・リターン設計の特徴と代表プロジェクトを整理しました。支援金額や支援者数といった数値はプロジェクトの企画設計やリターン構成、価格帯が結果を左右する重要な要素であることが確認できます。クラウドファンディングを活用する側は、ターゲット層の価格受容性や求める価値を丁寧に設計することが求められます。
参考リンク: