スマホで台風対応を練習 『動画で雨トレ』第3弾公開

動画で雨トレ第3弾公開

開催日:9月8日

動画で雨トレ第3弾公開
誰が作ったの?
公益社団法人日本青年会議所と香川大学・竹之内研究室(准教授 竹之内健介)が共同開発し、2025年9月8日に第3弾(台風事例)を公開しました。
スマホでどんな訓練ができるの?
台風の進行を再現した映像を見ながら、土嚢設置や避難指示、広報、業務中止などの行動を選択。結果を他参加者と比較してBCP/FCP作りに活用できます。

スマホで疑似体験する「猛烈な台風」シナリオ

公益社団法人日本青年会議所(所在地:千代田区麹町2丁目12-1 VORT半蔵門7F、会頭:外口 真大)は、香川大学創造工学部竹之内研究室(准教授:竹之内健介)との共同開発による防災訓練ツール「動画で雨トレ」の第3弾を2025年9月8日にリリースしました。今回の第3弾はテーマを「猛烈な台風が接近中!!」とし、台風の事例に基づくシミュレーションが可能になっています。

「動画で雨トレ(Video Ametore)」は、気象防災の研究者であり気象予報士でもある香川大学准教授・竹之内健介氏が開発したツールです。大雨・豪雨や台風の状況を、過去の災害結果と最新の研究成果に基づいたシナリオ映像で再現し、時間経過とともに変化する状況に対応して行動選択を行うことで、より現実に近い意思決定体験を提供します。

スマホで大雨・台風時の防災訓練!「動画で雨トレ」第3弾リリース 画像 2

シミュレーションの特徴と臨場感

このツールは、実際の災害時同様に「後戻りはできない」臨場感を重視しています。利用者は映像を見ながら、事態が進行する中で選択肢を順次選んでいくため、判断のタイミングや優先順位が結果に直結します。そうした体験を通じて、発災前の行動基準やタイミングの検討が可能です。

第3弾では台風被害に特化した事象が再現され、降雨量の増加や風の影響、浸水の進行、公共交通やインフラの影響など、台風特有の要素が考慮されています。スマートフォン上で手軽に体験できるため、事業所・家庭を問わず多くの人が時と場所を選ばず訓練できます。

  • 開発・提供:公益社団法人日本青年会議所 × 香川大学 竹之内研究室(准教授 竹之内健介)
  • リリース日:2025年9月8日 07:00
  • 第3弾テーマ:猛烈な台風の事例
スマホで大雨・台風時の防災訓練!「動画で雨トレ」第3弾リリース 画像 3

利用方法と画面の流れ:事業者向け/ご家庭向けの設定

「動画で雨トレ」では、利用開始時にまず利用者の立場に合わせた設定を選択します。選択肢は大きく分けて「事業者向け」「ご家庭向け」です。事業者向けはさらに外の現場が多い方、ITなど情報系、接客対応が多い方など業種に応じて初期設定が変わります。

設定を選んだ後、シナリオ動画が再生され、時間の経過や気象情報の変化に応じて複数の行動選択肢が提示されます。選択肢は初期設定に応じて用意され、行動の組み合わせによって最終的な被害や影響が変化します。体験はスマートフォンから容易にアクセスできます。

スマホで大雨・台風時の防災訓練!「動画で雨トレ」第3弾リリース 画像 4

具体的な選択肢の例

シミュレーション中に提示されるアクションは、事業所や家庭の実務に直結する具体的な内容です。これにより現実的な行動判断の練習が可能です。

  1. 土嚢・養生などの浸水対策:浸水予測に応じた事前対策の有無を選択できます。
  2. 業務で扱う物の移動保護:備品や荷物の移動・保護を行うかどうかを決定します。
  3. HPやSNSなどによる広報:情報発信のタイミングや内容を選択して被害対応を調整します。
  4. 従業員の避難対応:避難指示の内容や実行タイミングを設定します。
  5. 営業や業務の中止:業務継続の可否を判断する選択をする場面が含まれます。

これらの選択肢は、災害発生前の行動基準作りやBCP(事業継続計画)・FCP(家庭版BCP)作成の参考になります。選択の結果は後から振り返ることで、自分や組織の基準を整備する材料になります。

学習効果と比較機能:選択の振り返りと全国展開の意義

シミュレーションを体験した後、一連の選択結果は他の参加者と比較できます。比較機能を用いることで、自分の判断が適切だったか、別の選択肢ではどのような結果になったかを定量的・定性的に検証できます。これにより、個人や組織の災害対応方針の改善が期待されます。

日本JCはレジリエンス強化委員会の取り組みの一環として、竹之内氏と共同でこのツールを全国展開する計画です。全国の防災担当者や社会福祉協議会と平時から災害ネットワークを構築し、被災時に迅速に支援体制を整えられるようにすることが目的の一つです。ツールの普及によって、地域や事業所ごとの準備水準の底上げを目指しています。

「レジリエンス強化委員会」の取り組みとFCP

日本JC 2025年度 レジリエンス強化委員会では、災害発生時に率先して行動できるリーダーの育成や、被災現場での支援を円滑に行える体制整備に取り組んでいます。平時から関係機関とのネットワークを形成し、迅速な支援を可能にするための準備を進めています。

また2025年度は、企業向けBCPに対応する家庭版であるFCP(Family Continuity Plan)の推進にも力を入れています。FCPとは家族が災害発生時に迅速かつ適切に行動できるよう、事前に役割分担や避難基準などを話し合い共有しておく「家庭内防災計画」を指します。家庭単位での具体的な行動基準を定めることが目的です。

  • 平時からのネットワーク構築(防災担当者、社会福祉協議会など)
  • リーダー育成と被災現場での支援体制整備
  • BCPに加え、FCPの普及促進

体験可能な事例とアクセス情報/まとめ表

「動画で雨トレ」では、第3弾の台風事例のほか、これまでに用意されているシナリオとして「ゲリラ豪雨の事例」および「梅雨前線の事例」を体験できます。各シナリオは想定される気象条件や被害の進行パターンが異なり、多様な状況に対する判断練習が行えます。

シミュレーションは以下のURLからアクセスして体験できます。スマートフォンで閲覧でき、操作は画面の案内に従って進める形式です。

https://bosaiswitch.net/disaster_education/ametore_cross/room.php?room_id=JC2025fcp01

まとめ表:リリース情報の整理

項目 内容
発表団体 公益社団法人日本青年会議所(会頭:外口 真大、所在地:千代田区麹町2丁目12-1 VORT半蔵門7F)
共同開発 香川大学創造工学部 竹之内研究室(准教授:竹之内健介)
ツール名 動画で雨トレ(Video Ametore)
リリース日 2025年9月8日 07:00
第3弾のテーマ 猛烈な台風が接近中の事例(台風の想定事象によるシミュレーション)
体験URL https://bosaiswitch.net/disaster_education/ametore_cross/room.php?room_id=JC2025fcp01
対象設定 事業者向け(外の現場、IT・情報系、接客など業種別)/ご家庭向け
提示される主な選択肢 土嚢・養生などの浸水対策、業務で扱う物の移動保護、HP/SNSでの広報、従業員の避難対応、営業・業務の中止など
他の事例 ゲリラ豪雨の事例、梅雨前線の事例
関連委員会活動 日本JC 2025年度 レジリエンス強化委員会(災害ネットワーク構築、リーダー育成、被災支援体制整備、FCP推進)
FCPの説明 Family Continuity Plan:家庭内での役割や避難基準を事前に話し合い共有する家庭版BCP

本稿では、公益社団法人日本青年会議所と香川大学竹之内研究室による共同開発の防災訓練ツール「動画で雨トレ」第3弾の公開内容を整理しました。スマートフォンで体験できる台風シナリオを通じて、事業所や家庭における発災前の行動基準の検討やFCPの策定に役立つ情報が提供されています。提供元の案内やリンク先を確認のうえ、実際にシミュレーションを体験して現状の対応方針の検証と改善につなげることが期待されます。

参考リンク: