9月25日出展:岡山大の小児向けVRリハビリがTGSで初披露
ベストカレンダー編集部
2025年9月8日 06:05
小児向けVRリハビリ展示
開催期間:9月25日〜9月28日

苦痛を和らげる設計──小児がん患者を想定したVRリハビリの狙いと構成
国立大学法人岡山大学と学校法人電子学園日本電子専門学校は、2025年9月7日付のプレスリリースで、長期入院を余儀なくされる小児がん患者のリハビリに対する身体的・心理的負担を軽減するためのVR(仮想現実)リハビリコンテンツを共同開発したことを発表しました。プレスリリースは同日22時50分に公表されており、研究成果は2025年9月25日から28日まで幕張メッセで開催される東京ゲームショウ2025で展示される予定です。
小児がん治療では長期入院や治療による筋力低下、精神的ストレスが原因でリハビリの継続が困難になる問題が指摘されています。本研究はその課題に対し、VR技術とゲーミフィケーションを融合させることで、単調な運動を「楽しいゲーム体験」に変え、子どもたちが自発的かつ安全にリハビリを継続できることを目指しています。

発表のポイント
プレスリリースでは以下の点が強調されています。研究の目的、開発したコンテンツの種類、個別最適化の仕組み、展示予定の場、ならびに関連機関や問い合わせ先などの情報が網羅されています。
- 小児がん患者の身体的・心理的苦痛に対応するVRリハビリコンテンツを開発。
- 楽しさと個別最適化を重視した設計。
- 東京ゲームショウ2025の「オールアクセシビリティーコーナー」で初公開・展示予定(9月25日~28日、幕張メッセ)。

具体的なコンテンツと臨床応用の工夫
共同開発されたコンテンツは大きく2種類に分かれます。いずれも臨床現場のニーズに基づいて設計され、運動負荷や感度を個々の患者に合わせて細かく調整できる点が特徴です。これにより安全かつ効果的なリハビリを実現します。
以下に、開発された2つの主要コンテンツの詳細を整理します。どちらも単調な運動をゲーム的な目標や報酬に変換し、患者のモチベーションを維持・向上させる目的で設計されています。
- 魔法使いコンテンツ
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腕を上げる動作に応じて魔法を放つ演出が行われるコンテンツです。単純な上肢運動を視覚的・聴覚的フィードバックで強化し、達成感を得やすくしています。
感度や運動量は個別に調整可能で、痛みや疲労の程度に応じて負荷を細かく設定することで安全性を確保します。
- 自転車コンテンツ(自転車エルゴメーター連動)
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自転車エルゴメーターと連動して仮想空間を走行するコンテンツです。ペダリングの強さや速度がそのまま仮想世界の移動に反映され、走行中に発生するイベントや景観の変化が継続的な運動を促します。
こちらも負荷調整が可能で、体力や治療段階に合わせたプランニングができます。心拍数や運動時間の管理など臨床で必要なモニタリング機能と合わせて利用される想定です。

安全性と個別最適化の観点
プログラムは、患者の身体状況に応じて運動の負荷や感度を細かく調整できる仕組みを持ち、安全に配慮した設計です。臨床ニーズを提示した岡山大学と、ゲーム開発技術を持つ日本電子専門学校の連携により、医療的視点とエンターテインメント設計が統合されています。
このアプローチは、単にゲームを導入するだけでなく、治療効果を確保しつつ心理的負担を軽減する点に主眼が置かれています。臨床での実装時には個々の患者の状態に合わせた調整、そして医療スタッフによる運用管理が不可欠です。

連携体制、展示情報、問い合わせ先、参考資料
本研究は、岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)医療情報化診療支援技術開発講座(整形外科)長谷井嬢教授(特任)を中心に進められ、日本電子専門学校(ゲーム制作科、アニメーション科、アニメーション研究科、コンピュータグラフィックス科、電子応用工学科)と共同で開発されました。長谷井嬢教授は、AIやメタバース技術を医療に応用する研究の経験を背景に、今回のVRリハビリへの取り組みについてコメントを出しています。
教授のコメントは、子どもたちがVRゴーグルを装着した瞬間に病室が冒険の世界へと変わり、苦しい運動がゲームのための挑戦となることで笑顔や回復への希望につながるという趣旨のものです。また、東京ゲームショウでの出展を機に医療とエンターテインメントの融合が生み出す可能性を社会に示したいと述べています。

展示情報と関連イベント
本開発成果は、東京ゲームショウ2025(2025年9月25日~28日、幕張メッセ)の「オールアクセシビリティーコーナー」で初公開・展示される予定です。このコーナーは障がいの有無にかかわらず誰もが楽しめるゲームを集める新設の枠です。
展示では実機による体験、開発背景の説明、臨床での活用方法や安全管理に関する説明が行われる見込みです。来場者は実際のインターフェースや調整方法を確認できる機会が提供されます。

問い合わせ先と連絡先の一覧
研究や展示、産学連携に関する問い合わせ先は複数用意されています。以下にプレスリリース掲載の情報を整理します。
- 岡山大学 学術研究院 医歯薬学域(医) 医療情報化診療支援技術開発講座 教授 長谷井 嬢
- 住所:〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学鹿田キャンパス
- TEL:086-235-7273
- リリースページ:https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1422.html
- 岡山大学病院 新医療研究開発センター(製薬・医療機器企業関係者向け)
- 問い合わせ用URL:http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/
- 岡山大学病院 研究推進課 産学官連携推進担当(医療関係者・研究者向け)
- TEL:086-235-7983
- E-mail:ouh-csnw◎adm.okayama-u.ac.jp(◎を@に置き換えてください)
- 詳細:http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/medical/
- 岡山大学研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部
- TEL:086-251-8463
- E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp(◎を@に置き換えてください)
- URL:https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
- 岡山大学研究機器共用に関するタスクフォース(チーム共用)
- TEL:086-251-8705 / FAX:086-251-7114
- E-mail:cfp◎okayama-u.ac.jp(◎を@に置き換えてください)
- URL:https://corefacility-potal.fsp.okayama-u.ac.jp/
- 岡山大学 研究・イノベーション共創機構 スタートアップ・ベンチャー創出本部
- E-mail:start-up1◎adm.okayama-u.ac.jp(◎を@に置き換えてください)
- URL:https://venture.okayama-u.ac.jp/
以上の連絡先は、研究協力、臨床導入、産学連携、機器利用、展示に関する問い合わせなど用途別に設定されています。メールアドレスはプライバシー保護のために◎で表記されていますが、実際の送信時には◎を@に置き換えてください。

参考資料とまとめ表
プレスリリースでは、関連する岡山大学の取り組みや参考情報、外部リンクが豊富に提示されています。以下は掲載されている参考情報ならびに関連リンクの一覧と、それらを踏まえた要点整理です。
参考情報やクラウドファンディングなど、外部で公開されているプロジェクトとの関連も示されており、医療とデジタル技術の融合に関する一連の取り組みの文脈が明確にされています。
項目 | 内容 |
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発表機関・日付 | 国立大学法人岡山大学/2025年9月7日 22:50 発表 |
共同開発 | 岡山大学(学術研究院医歯薬学域 医療情報化診療支援技術開発講座)と学校法人電子学園日本電子専門学校 |
対象 | 小児がん患者(長期入院や治療による筋力低下・精神的ストレスを抱える患者) |
開発コンテンツ | ①魔法使いコンテンツ(腕を上げる動作で魔法を放つ) ②自転車コンテンツ(自転車エルゴメーター連動で仮想空間を走る) |
設計の特徴 | ゲーミフィケーションを導入し楽しさを重視。個々の身体状況に合わせ運動負荷・感度を細かく調整可能。 |
展示予定 | 東京ゲームショウ2025(9月25日~28日、幕張メッセ)オールアクセシビリティーコーナー |
関連リンク |
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問い合わせ | 岡山大学 医療情報化診療支援技術開発講座 教授 長谷井 嬢(TEL:086-235-7273)および各担当窓口(詳細は本文参照) |
参考プロジェクト | 岡山大学によるメタバースやAIを用いた医療・支援プロジェクト各種(プレスリリース内に複数のリンクあり) |
この表は本プレスリリースで示された要点を整理したものです。プレスリリースは情報量が多く、研究の目的、具体的なコンテンツ仕様、展示情報、連絡先、関連資料まで幅広く含まれています。臨床導入や産学連携を検討する際は、上記の連絡先および原文リンクを参照して詳細な確認を行うことが推奨されます。
参考リンク: