高校生が植物科学を体験 岡山大学SSS2025

SSS 2025 実験体験

開催日:8月1日

SSS 2025 実験体験
誰が参加できるの?
高校生向けのプログラムで、今回の開催では高校生33人が参加しました。主催は岡山大学資源植物科学研究所で、応募や選考方法は公式案内を確認してください。
どんな実験を体験できるの?
全9コースで、質量分析による植物ホルモン定量、DNA操作、透過電子顕微鏡観察、共焦点顕微鏡や蛍光顕微鏡を使った解析など多様な実験に触れられます。

高校生が最先端の植物科学を「体験」した一日──岡山大学のSummer Science School 2025

国立大学法人岡山大学の高等先鋭研究院に所属する岡山大学資源植物科学研究所(IPSR)は、2025年8月1日に高校生向け実験体験イベント「Summer Science School(SSS)」を開催しました。本プログラムは、研究所の教員や大学院生がスタッフとして運営し、参加した高校生に資源植物科学の多様な研究手法と発見の喜びを伝えることを目的としています。

この日の参加者は33人で、午前はガイダンスの後に希望コースごとに分かれて実験を開始しました。会場は岡山県倉敷市にある資源植物科学研究所で、先端機器を用いた実習が行われ、普段の高校の授業では触れる機会の少ない実験に取り組みました。プログラムの公開日は2025年8月18日(岡山大学公開)です。

【岡山大学】高校生が植物科学の魅力を体験!岡山大学高等先鋭研究院 資源植物科学研究所「Summer Science School 2025」を開催 画像 2

主催と目的の明確化

本イベントは、資源植物科学研究所が次世代の人材育成を目的に実施したもので、研究所の研究教育資源を公開して高校生に研究現場を体験させることを重視しました。研究所は地域中核・特色ある研究大学としての機能を持ち、研究と教育の連携を強化する一環として次代育成に取り組んでいます。

ガイダンスでは研究所の紹介、研究者の役割、研究機器や安全管理について説明があり、参加者は研究環境への理解を深めたうえで各コースへと進みました。スタッフは教員と大学院生が協力して進行し、参加者の学びを支援しました。

【岡山大学】高校生が植物科学の魅力を体験!岡山大学高等先鋭研究院 資源植物科学研究所「Summer Science School 2025」を開催 画像 3

午前・午後に分かれた9コースの詳細な実験プログラム

当日は全9コースが開講され、午前・午後にわたって多彩な実験が展開されました。参加者は希望するコースを選び、教員や大学院生の指導のもとで実験を行いました。以下に実施された全ての実験テーマを列挙します。

  • コムギとオオムギの比較観察および顕微鏡による穂の発生過程の観察
  • 質量分析計を用いた植物ホルモンの定量分析
  • DNA切断およびつなぎ換えによる遺伝子操作実験
  • 透過電子顕微鏡を用いた作物病原ウイルスと病原菌に感染するウイルスの比較観察
  • 葉緑体タンパク質の電気泳動による分離
  • 水耕栽培によるイネのケイ素吸収実験と輸送体タンパク質の共焦点レーザー顕微鏡観察
  • 作物病原ウイルスと病原菌に感染するウイルスの比較観察(透過電子顕微鏡を用いた観察と合わせて実施)
  • 植物の免疫反応(活性酸素)の測定
  • メタノールを好む細菌の行動観察および蛍光顕微鏡による植物細胞分裂の観察

これらの中には専門的な機器を用いるコースもあり、質量分析計や透過電子顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡、蛍光顕微鏡、電気泳動装置などを実際に操作・観察する機会が設けられました。教員と大学院生が安全面と操作手順を細かく指導しました。

【岡山大学】高校生が植物科学の魅力を体験!岡山大学高等先鋭研究院 資源植物科学研究所「Summer Science School 2025」を開催 画像 4

実験内容の具体的な流れと学び

午前は基本的な観察や導入実験を中心に進み、昼休みを挟んで午後に高度な解析や装置を使った実験が行われました。例えば、コムギとオオムギの比較では形態観察から始め、顕微鏡で穂の発生過程を観察することで作物の発生学的な違いを理解しました。

質量分析計の利用では、植物ホルモンの定量を通して生理学的な制御機構に触れる一方、DNA切断・つなぎ換えの実験では分子生物学的な手法を体験し、遺伝子操作の基礎的な概念と実務を学びました。いずれのコースも理論だけでなく「手で触れる」実習が中心で、実験手順の厳密さと解析の重要性が強調されました。

【岡山大学】高校生が植物科学の魅力を体験!岡山大学高等先鋭研究院 資源植物科学研究所「Summer Science School 2025」を開催 画像 5

研究者と高校生の交流、参加者の反応と評価

実験の合間や昼休みには、研究者や大学院生と高校生との懇談時間が設けられました。対話のテーマには「研究者の仕事のやりがい」「大学・大学院での研究生活」「科学分野でのキャリア形成」などが含まれ、進路や将来について活発な意見交換が行われました。

プログラム終了後に実施されたアンケートでは、多くの参加者が本プログラムに高い満足度を示しました。具体的な声としては、「来年あるならぜひ参加したい」「学校では使わない機器を使うことができてよかった」「植物にとても興味がわいた」「進路選択の参考にしたい」といった回答が多数寄せられ、参加者の表情からは新たな発見や実験の成果に対する喜びがうかがえました。

【岡山大学】高校生が植物科学の魅力を体験!岡山大学高等先鋭研究院 資源植物科学研究所「Summer Science School 2025」を開催 画像 6

修了証と成果の可視化

プログラムの最後には、全課程を修了した参加者一人ひとりに対して所長から「未来博士号」が授与され、修了の証として記念されました。これは参加者にとって学びの達成感を示すものであり、研究所側の教育的な意図を示す象徴的な取り組みでもあります。

また、研究所は今後も次世代を担う若い世代に向けて学びと交流の場を提供していく方針を示しています。今回の参加者の反応やアンケート結果は、同様の取組を継続・発展させるための重要なフィードバックとなります。

【岡山大学】高校生が植物科学の魅力を体験!岡山大学高等先鋭研究院 資源植物科学研究所「Summer Science School 2025」を開催 画像 7

関連情報・問い合わせ窓口と参考資料

本イベントに関する詳細情報や研究所の紹介、関連する動画や外部リンクは下記のとおりです。公開情報は岡山大学のウェブサイトで確認できます。参考資料として、研究所の紹介ページや複数のYouTube動画も案内されています。

公式発表URL
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id14491.html(岡山大学のニュースページ)
資源植物科学研究所(IPSR)
https://www.rib.okayama-u.ac.jp/
研究所紹介動画(YouTube)

問い合わせ先は下記の連絡先が案内されています。プレスリリースではメールアドレス中の記号を明示的に置き換えるよう注意書きがあるため、そのまま掲載します(※◎を@に置き換えてください)。

岡山大学資源植物科学研究所 事務室
〒710-0046 岡山県倉敷市中央2-20-1
TEL:086-424-1661(代表)
E-mail:SEE1201◎adm.okayama-u.ac.jp(※◎を@に置き換えて下さい)
岡山大学 産学官連携本部(研究・イノベーション共創機構)
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1
TEL:086-251-8463
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp(※◎を@に置き換えて下さい)
研究機器共用に関するタスクフォース(チーム共用)
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1
TEL:086-251-8705 FAX:086-251-7114
E-mail:cfp◎okayama-u.ac.jp(※◎を@に置き換えて下さい)
スタートアップ・ベンチャーに関する窓口
E-mail:start-up1◎adm.okayama-u.ac.jp(※◎を@に置き換えて下さい)

また、岡山大学の関連プログラムやメディアリンクとして、産学共創活動、統合報告書、SDGs関連ページなどが公開されています。詳細は岡山大学の各ページを参照してください。

項目 内容
イベント名 Summer Science School 2025(SSS)
主催 国立大学法人岡山大学 資源植物科学研究所(高等先鋭研究院構成機関)
開催日 2025年8月1日(プレスリリース公開:2025年8月18日)
会場 岡山大学 資源植物科学研究所(倉敷市)
参加者数 33人(高校生)
実施コース数 9コース(上記リスト参照)
使用機器・手法 質量分析計、透過電子顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡、蛍光顕微鏡、電気泳動など
主な成果・反応 高い満足度、進路参考や機器体験の評価、未来博士号授与
参考リンク 公式ニュースIPSR、YouTube動画(複数)
問い合わせ 資源植物科学研究所 事務室 TEL:086-424-1661 E-mail:SEE1201◎adm.okayama-u.ac.jp(※◎を@に置き換えて下さい)

本稿では、2025年8月1日に岡山大学資源植物科学研究所が実施したSummer Science School 2025の開催概要、実施した全9コースの内容、参加者の反応、ならびに問い合わせ先や参考リンクを整理して伝えた。研究所が用意した多様な実験は、高校生にとって専門機器に触れ、研究の現場を理解する貴重な機会となっており、アンケート結果からも高い満足度が示されています。詳細は上記の公式ページや研究所の公開資料を参照してください。

参考リンク: