SLVがSolana 3.0テストネット対応、ワンコマンドで立ち上げ

Solana 3.0 テストネットで何が起きているか

2025年8月末より、Solana テストネットにおいて agave v3.0.0 が稼働を開始しました。ELSOUL LABO B.V.（本社: オランダ・アムステルダム、代表取締役CEO: 川崎文武）が発表した今回の情報は、Solana プロトコルの大幅な性能改善と、それに伴う運用上の変化を明示しています。発表日時は 2025年9月7日 19時35分です。

テストネット上の変化は単なるバージョンアップに留まらず、ネットワークのファイナライズ時間やデータ単位（Shreds）の仕様変更など、エコシステム全体に影響する破壊的変更を含んでいます。これらは本番環境に移行する前にテストネットでの検証が不可欠であり、運用者は移行計画と検証体制の整備が求められます。

Alpenglow によるファイナライズ短縮の効果

今回のアップデートで注目されるのが Alpenglow の採用です。公開投票で採用が可決され、ファイナライズの短縮に向けた実装が進んでいます。従来のおよそ12.8秒というブロック最終確定時間は、今後 100〜150ミリ秒へと短縮される見込みです。

これはネットワークの応答性やトランザクション確定までの待機時間に直接影響し、フロントエンドやトレードアルゴリズム、オンチェーンデータ分析など幅広い領域でパフォーマンス改善が期待されます。一方で、短時間でのファイナライズを前提とした設計変更は、クライアントの実装や運用監視の観点で新たな検証項目を生み出します。

Shreds 形式変更と移行の重要性

トレーダーやデータ分析に関わる重要な要素として、Shreds の形式にも変更が加えられています。Shreds はログやデータの分割単位であり、形式変更はデータ取得、解析、再構築のフロー全体に影響を与えます。

このような破壊的変更に対しては、テストネット上で差分を事前に検証しておくことが重要です。検証を省くことにより本番移行時に発生しうる停止や再処理のコストを抑えることができ、先んじて対応することでエコシステム内での優位性が得られる可能性もあります。

テストネット上のクライアント導入状況と運用上の課題

テストネットの現状はクライアントごとの導入率に顕著に表れています。agave v3.0.0 が50%超のバリデータで稼働し、新しい Firedancer が約30%を占めている一方で、約10%のバリデータは依然として v2 系に留まっています。

この分散状況は、アップデート作業の複雑さと運用負担の高さに起因しています。特にセルフビルドを伴うケースや破壊的変更への対応は運用者にとって負担となり、結果として移行が遅れる要因になっています。

• agave v3.0.0: テストネットで50%以上の普及
• Firedancer: およそ30%の普及
• v2 系: 約10%が依然として稼働

この「残存する約10%」は、運用の標準化や自動化の必要性を示す一指標です。手作業や個別調整が多い運用では、同じ作業を繰り返すことで人的ミスや遅延が生じるため、移行支援や自動化ツールの導入が急務となります。

SLV の対応—移行支援と自動化の具体的機能

オープンソースのバリデータ運用基盤である「SLV」は、Solana 3.0 テストネット環境に対応した最新バージョン（SLV GitHub: 最新バージョン 0.9.302）を提供しています。ELSOUL LABO B.V. と Validators DAO によるこの対応は、agave v3.0.0 および Firedancer の立ち上げ、運用、アップデート、移行をすぐに行える体制を整えることを目的としています。

SLV は単なるスクリプト集合ではなく、運用の自動化と品質標準化を重視した基盤です。テストネットでもメインネットでも利用可能で、設定のやり取りを対話式に行うだけでバリデータの起動を完了できます。

ワン・コマンドでの立ち上げとセルフビルド自動化

SLV の代表的な特徴は「ワン・コマンドで完了する立ち上げプロセス」です。セルフビルドや複雑な調整が必要となる 3.0.0 環境でも、SLV が必要なビルド手順や依存関係の解決を自動化します。

これにより、従来は手作業で複数工程をこなす必要があった運用が単純化され、アップデートや移行時に発生しがちな人的ミスや設定漏れを減少させる効果が期待されます。

対応クライアントとパフォーマンス最適化

SLV は Agave、Firedancer、Jito のすべてに対応しています。利用者は目的に応じてクライアントを選択し、即座に環境を構築できる点が運用者にとっての利点です。Shreds の研究や検証を進めたい場合も、SLV 上でテストネット環境を短時間で立ち上げて差分を直接確認できます。

導入時にはノードのパフォーマンス最適化設定も自動適用され、個々の運用者が手動でチューニングする必要がありません。これにより、標準化された高品質な環境が再現され、Solana 全体のレイテンシ短縮と安定化に寄与します。

SLV GitHub

https://github.com/validatorsdao/slv（最新 0.9.302）

agave v3.0.0 リリースノート

https://github.com/anza-xyz/agave/releases/tag/v3.0.0

Validators DAO 公式Discord

https://discord.gg/C7ZQSrCkYR

関連情報の整理と本文内容の要約

本リリースは ELSOUL LABO B.V. と Validators DAO による発表で、Solana 3.0 テストネットへの対応を主要トピックとしています。発表日および時間は 2025年9月7日 19時35分です。SLV はこの変化に対応するため、agave v3.0.0 と Firedancer を含む各クライアントの立ち上げ・運用・移行を支援する体制を整えました。

以下の表は本文で触れた主要項目を整理したものです。各項目はリリースに明記された事実を基にまとめています。

以上の情報はプレスリリースに記載された内容を基に整理しました。テストネット段階での差分検証や自動化ツールの導入は、本番移行時のリスク低減と運用効率化に直結します。SLV の最新対応は、こうした移行ニーズに応えるために設計されたものです。