入間・藤沢中ソフトが関東ベスト8 表敬訪問で見えた課題
ベストカレンダー編集部
2025年9月5日 15:43
藤沢中ソフトベスト8
開催日:9月2日

入間市で「唯一のソフト部」が見せたベスト8の軌跡と表敬訪問の一日
2025年9月4日18時に発表された報告によると、7月に開催された令和7年度関東中学校体育大会で藤沢中学校ソフトボール部がベスト8入りを果たしました。入間市役所市長室で2日に行われた表敬訪問には、選手と指導者らが出席し、杉島理一郎市長への結果報告と活動の報告が行われました。
表敬訪問の場では、喜びの声だけでなく、市内の現状を示す重い言葉も交わされました。今年、向原中学校のソフトボール部が廃部となり、藤沢中学校が入間市内で唯一の中学校ソフトボール部になっている点が明らかになりました。部活動を取り巻く環境や支援の在り方について、行政側の受け止めも示された場となりました。

訪問で交わされた発言と現場の空気
表敬訪問で末永汐理部長(3年)は「向原中学校のソフトボール部が廃部になってしまって、藤沢中学校だけが市内にあるソフト部として唯一になってしまいました」と述べ、会場は一時静まり返りました。末永さんはさらに「ソフトボール人口が年々少なくなっている中で、関東大会という大きな舞台に立たせていただいたので、何らかの形で恩返しができたら」と話しました。
杉島市長は選手たちの日焼けした腕を見て「みんな夏休み相当練習したでしょう。みんな日焼けしてる!」と述べ、努力を称えました。また中田一平教育長は、かつて藤沢中学校で校長を務めていた時期の記憶を引き合いに出し、「私が平成24年から28年まで藤沢中学校で校長を務めていた時、ソフトボール部の県大会最高位はベスト4でした。それを皆さんが準優勝で超えてくれた」と、今回の結果を高く評価しました。
- 表敬訪問日:2025年9月2日(報道発表:2025年9月4日 18:00)
- 出席者(主な人物):杉島理一郎(入間市長)、中田一平(入間市教育長)、藤沢中学校ソフトボール部員・指導者
- 部長発言:末永汐理(3年)ほか、後輩代表の決意表明あり

中学デビューが大半──24人のチームが築いた短期間の結束と戦績
藤沢中学校ソフトボール部は部員数24人で構成され、その大半が中学校でソフトボールデビューを果たした選手でした。1年生の経験者はわずか1名、野球経験者は2名程度で、残りの20名以上が未経験からのスタートという編成です。それにもかかわらず、チームは短期間で結束を強め、関東の舞台で結果を残しました。
選手たちが口々に語ったのは「先輩が優しかったから」という理由でした。杉島市長の素朴な質問に1年生が照れながら答えた一言から、チームの雰囲気と育成の背景がうかがえます。強豪校に勝ち進むことで得た経験は、選手個々の成長だけでなく、部活動の価値を地域に示す機会になりました。

大会での試合経過と主な選手の記録
関東大会の戦いは以下の通りです。1回戦を突破し、2回戦で準強豪校と対戦して惜敗しました。末永部長は、2回戦の相手が大会で全国3位に入賞するような強豪校であったことを誇らしげに語りました。
- 1回戦:勝利(詳細な対戦校名は報告に記載なし)
- 2回戦:敗退(対戦相手は大会で全国3位に入賞)
エースとして投げた草野さんは毎試合完投し、11奪三振という記録をマークしました。試合に出ないベンチメンバーも声援でチームを支え、「全員ソフトボール」の精神で勝利に貢献したことが強調されました。
- チーム構成
- 部員数:24人(大半が中学デビュー)
- 経験者内訳
- 1年生経験者:1名、野球経験者:2名、未経験:20名以上
- 主な戦績
- 令和7年度関東中学校体育大会 ベスト8(1回戦勝利、2回戦敗退)
- 個人成績
- 草野さん:毎試合完投、11奪三振

継承への決意と入間市の支援表明
来年度の部長候補は表敬訪問で「先輩に関東大会まで連れて行ってもらったので、関東大会まで行けるかわからないけれど、みんなで頑張りたい」と述べ、感謝と継承の意志を示しました。この言葉は、部活動が単なる競技成果だけでなく文化として受け継がれていくことの重要性を示しています。
杉島市長は入間市としての支援の姿勢を明確にしました。「入間市はスポーツ振興まちづくり条例を制定し、みんなが夢を持ってプロになれる世界を応援している。市内のあちこちで『私たちの学校でもソフトボールをやりたい!』という声がでてくるよう、さらに輝いてほしい」と述べ、地域としてのスポーツ振興を促進する方針を示しました。

市からのコメントと教育長の評価
中田教育長は、過去に藤沢中学校の校長を務めていた経験を踏まえて今回の成果を評価し、「団体スポーツは1人の力では結果は出せません。みんなが1つになって勝ち取った素敵な結果です」とコメントしました。行政のトップと教育長が共に評価を示したことは、部活動への行政的支援や理解を深める契機となります。
市は今後、スポーツ振興施策や地域連携を通じて、部活動の存続や新規部員獲得の取り組みを後押しする方向性を示唆しています。今回の表敬訪問は、現場の状況と行政の支援方針が公開の場で交わされた点で意義がありました。

入間市の地域資源と支援情報、問い合わせ先
報道資料には、入間市の地域背景や取り組みも併記されています。入間市は狭山茶の産地として歴史があり、ジョンソンタウンや三井アウトレットパーク入間などの商業・文化施設が共存する地域です。行政は「Well-being Cityいるま」を掲げ、SDGs未来都市(2022年選定)としてまちづくりを推進しています。
2022年10月には、狭山茶の魅力継承を目的とした全国初の条例「おいしい狭山茶大好き条例」を施行し、市民・事業者・行政が連携して文化振興に取り組んでいます。こうした地域の取り組みが、スポーツや教育環境にも波及することが期待されています。
- 入間市の特徴:商業的茶産地としては日本最北、狭山茶の400年の歴史
- 選定:SDGs未来都市(2022年)
- 主要施設:ジョンソンタウン、三井アウトレットパーク入間
- ビジョン:健康と幸せを実感できる未来共創都市「Well-being Cityいるま」
問い合わせ先(報道資料掲載)も具体的に記載されています。部活動や教育に関する問い合わせは教育部 学校教育課、広報や市政については企画部 秘書広報課まで連絡が可能です。
- 教育部 学校教育課(担当:松尾)
- 所在地:入間市豊岡1-16-1 / 電話:04-2964-1111(代表) 内線4145 / メール:ir812000@city.iruma.lg.jp
- 企画部 秘書広報課(担当:中村、遠山)
- 所在地:入間市豊岡1-16-1 / 電話:04-2964-1111(代表) 内線3122 / メール:ir111000@city.iruma.lg.jp
参照リンク(報道資料記載):
- 入間市公式ホームページ:https://www.city.iruma.saitama.jp/
- X(旧twitter):https://twitter.com/_irumacity
- YouTube:https://www.youtube.com/c/irumacity
- LINE:https://line.me/R/ti/p/@irumacity
- いるま未来共創ラボ(企業等の提案フォーム):https://www.city.iruma.saitama.jp/gyosei_joho/purpose/10547.html

要点整理(本文で触れた事柄の一覧)
以下の表は、本記事で触れた主な事柄を整理したものです。表にまとめることで、今回の表敬訪問と藤沢中学校ソフトボール部の状況、入間市の関係情報を一目で確認できます。
項目 | 内容 |
---|---|
報道発表日 | 2025年9月4日 18時00分 |
表敬訪問日 | 9月2日(入間市役所市長室) |
クラブ | 藤沢中学校 ソフトボール部 |
成績 | 令和7年度関東中学校体育大会 ベスト8(1回戦勝利、2回戦敗退) |
部員数 | 24人(大半が中学デビュー、1年生経験者1名、野球経験者2名) |
主な選手記録 | 草野さん:毎試合完投、11奪三振 |
重要な発言 | 末永汐理部長「市内で唯一のソフト部になってしまった」/来年度部長候補「先輩に関東大会まで連れて行ってもらったので、みんなで頑張りたい」 |
行政の反応 | 杉島市長がスポーツ振興の支援を表明。中田教育長が団体スポーツの価値を評価。 |
入間市の特徴・取組 | 狭山茶の歴史、ジョンソンタウン、三井アウトレットパーク入間、SDGs未来都市(2022年)、おいしい狭山茶大好き条例(2022年10月施行) |
問い合わせ先(教育) | 教育部 学校教育課:松尾 / 電話 04-2964-1111(内線4145) / メール ir812000@city.iruma.lg.jp |
問い合わせ先(広報) | 企画部 秘書広報課:中村、遠山 / 電話 04-2964-1111(内線3122) / メール ir111000@city.iruma.lg.jp |
参考リンク | https://www.city.iruma.saitama.jp/ 、https://twitter.com/_irumacity 、https://www.youtube.com/c/irumacity 、https://line.me/R/ti/p/@irumacity 、https://www.city.iruma.saitama.jp/gyosei_joho/purpose/10547.html |
表敬訪問で示されたのは、成績という結果と同時に、部活動を巡る課題と地域の支援意欲でした。入間市内で唯一となった中学ソフトボール部の存在は、スポーツ振興や次世代の活動継続に向けた議論を促す契機となることが想定されます。