任天堂ミュージアム新カフェ「はてなバーガー」27万通り遊べる体験
ベストカレンダー編集部
2025年9月4日 16:35
はてなバーガー業態開発発表
開催日:9月4日

任天堂の工場から生まれた「はてなバーガー」――誕生の背景と位置づけ
2024年10月2日、任天堂株式会社が京都府宇治市で開業した広報施設「ニンテンドーミュージアム」。このミュージアムは1969年から2016年まで稼働していた任天堂 宇治小倉工場をリノベーションしており、同社の娯楽の歴史や独創的なものづくりを展示・体験できる施設として公開されました。
そのミュージアム内に出現したカフェが「はてなバーガー」です。株式会社スマイルズ(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:野崎亙)は、同店の業態開発、コンセプトメイキング、空間デザイン、オーダーシステムにおけるキャラクターデザイン、商品開発、体験設計、各種制作物のデザインやクリエイティブ、PR、運営まで一貫して担当しています。プレスリリースは2025年9月4日15時に出されました。

ミュージアムとカフェの関係性
「はてなバーガー」は、ミュージアム内の展示と連動する体験型のカフェです。任天堂宇治小倉工場の歴史やものづくりの考え方に着想を得て、店舗空間の端々に工場の名残をつなぐ設えが施されています。
名称は任天堂の代表的ゲームシリーズ「スーパーマリオ」に登場する「はてなブロック(叩くまで中身がわからないブロック)」にちなみ、来店者が自由に具材を選んで作る体験を反映したものです。公式ミュージアム情報は https://museum.nintendo.com/index.html に掲載されています。

組み合わせは27万通り以上──ゲームのように遊べるハンバーガー設計
はてなバーガーの最大の特徴は、来店者がバンズや具材、トッピング、ソースを自由に組み合わせてオリジナルハンバーガーを作る点です。スマイルズはこのプロセスを「ゲームのキャラクターメイキング」に例え、遊び心のある食体験として設計しました。
プレスリリースで示された数値では組み合わせは27万通り以上とされています。提供する選択肢は以下の通りで、組み合わせの理屈を示すと実際には更に多くのバリエーションとなります。
- バンズ:3種類
- メイン:5種類(ダブルサイズを含めると10種類相当の選択肢)
- トッピング:11種類(そのうち3つを選択)
- ソース:7種類
上記を計算すると、3(バンズ)×10(メインのバリエーション)×C(11,3)=165(トッピングの組合せ)×7(ソース)=346,500通りとなり、発表の「27万通り以上」を確実に上回る組合せが可能です。トッピングには京都らしさを反映した九条ねぎ、万願寺とうがらし、しば漬けなども含まれます。
この仕組みは、来店者が選択を進めるごとに「何が出るか分からない」ワクワク感を演出すると同時に、地域の食材や和の味わいをハンバーガーという形式で提示する試みでもあります。

実際のメニュー例と対応メニュー
見慣れた和食の要素をハンバーガーに応用した商品も用意されています。具体的には「すきやきバーガー」「親子丼イメージのバーガー」「西京焼きバーガー」といった、ここでしか食べられないアプローチが並びます。
ドリンクでは、ピーチとベリーの甘酸っぱい「ピーチ&チーズ」、明治12年創業の宇治茶の老舗・堀井七茗園の抹茶を使った「グリーンティーフロート」などが提供されます。また、ラクト・オボ・ベジタリアン対応メニュー(卵・乳製品を含む)やお子様向けのキッズバーガーセットも用意されています。

店内の「3つのステージ」と工場の記憶の継承
はてなバーガーの店内は、来店者が奥へと進みたくなるように設計された3つのステージで構成されています。それぞれのステージはゲームをモチーフにしつつ、工場の名残りや当時の素材を再利用した仕掛けが配されています。
ステージ構成の概略と意図は次の通りです。
- バーガーファクトリー・ステージ:宇治小倉工場の名残を感じさせる演出があり、コンテナやパレットの要素が空間に残されています。
- バーガーショップ・ステージ:ゲームフィールドをモチーフにした一般的なショップ空間の解釈です。
- ノスタルジック・ステージ:80年代の喫茶店を想起させる最奥部。落ち着いた時間の過ごし方を意識しています。
空間内にはアフォーダンステーブルの設置や、キャラクターをモチーフにした小さな展示が点在し、ベンチには任天堂宇治小倉工場で実際に使用されていたコンテナやパレットを再活用しています。こうした設計は来店者に“探索”と“発見”の感覚を与えることを目指しています。
来店に際する実務的な情報として、営業時間は10:00〜19:00(ラストオーダー18:15)、席数は131席で、車いすのまま利用できる席も用意されています。定休日は毎週火曜日(祝日の場合は営業、翌水曜日が振替休館)および年末年始(12月30日〜1月3日)です。店内は12時〜15時ごろまで混雑が予想されます。

スマイルズによる開発範囲と企業背景、関連リンク
スマイルズは本プロジェクトで、業態コンセプトの策定から具体的な業態開発、フードおよび商品開発、空間デザイン、ユニフォーム、キャラクターデザイン、体験設計、コミュニケーション開発、各種制作物のデザイン、PR、そして運営に至るまで広範囲を担当しています。注文システムにおけるキャラクターデザインなど、ゲーム的要素を体験に落とし込む設計が特徴です。
スマイルズはスープ専門店「Soup Stock Tokyo」をはじめ、ネクタイ専門店「giraffe」や「PASS THE BATON」などの事業を展開してきた企業で、現在は事業開発からデザイン、PR、オペレーションコーディネート、空間デザイン、WEB構築までを内製で行うことを標榜しています。詳細は以下の公式サイトおよびクリエイティブアーカイブで確認できます。
- はてなバーガープロジェクト詳細:https://creative.smiles.co.jp/projects/hatenaburger/
- Smiles:公式サイト:http://www.smiles.co.jp/
- Smiles:Creative Archives:https://creative.smiles.co.jp/
プレスリリース公表日および企業情報は以下の通りです。公表日は2025年9月4日 15時00分野崎亙です。
各種メニューや価格、提供内容は予告なく変更される場合がある旨が明記されています。食物アレルギー対応やベジタリアン対応の項目も用意されています。

要点の整理
以下の表は、本記事で伝えた主要な情報を分かりやすく整理したものです。営業時間や席数、組み合わせの仕組み、提供メニューの特徴などを網羅しています。
項目 | 内容 |
---|---|
施設名 | ニンテンドーミュージアム内 カフェ「はてなバーガー」 |
ミュージアム開業日 | 2024年10月2日(水) |
プレス公表日 | 2025年9月4日 15:00 |
運営・業態開発 | 株式会社スマイルズ(業態開発、空間デザイン、商品開発、体験設計、制作物デザイン、PR、運営等) |
組み合わせの要素 | バンズ3種、メイン(5種・ダブル含め10種相当)、トッピング11種(3つ選択)、ソース7種 |
組み合わせ数の目安 | 発表:27万通り以上(公開された要素に基づく計算例:346,500通り) |
代表的メニュー | すきやきバーガー、親子丼イメージのバーガー、西京焼きバーガー、ピーチ&チーズ、グリーンティーフロート(堀井七茗園の抹茶使用) |
営業時間 | 10:00〜19:00(ラストオーダー18:15) |
定休日 | 毎週火曜日(祝日営業、振替休館は翌水曜日)、年末年始(12/30〜1/3) |
席数 | 131席(車いす対応席あり) |
混雑の目安 | 12:00〜15:00ごろが混雑予想 |
関連リンク | プロジェクト詳細、Smiles公式サイト, ニンテンドーミュージアム公式 |
以上が、ニンテンドーミュージアム内のカフェ「はてなバーガー」に関する発表内容の整理です。店内の空間設計と食の組み合わせは任天堂のものづくりと遊び心を反映することを目的としており、メニューや提供形態には変更が生じる可能性がある点にも留意が必要です。
参考リンク: