9月15日無料招待で見えた、誘いづらさの実態
ベストカレンダー編集部
2025年9月4日 12:56
敬老の日無料招待
開催日:9月15日

誘いたい気持ちと誘えない現実――アンケートが示した“誘いづらさ”の実態
一般社団法人関西イノベーションセンターが運営するユニバーサルツーリズムプロジェクト LETS EXPOは、大阪・関西万博へ高齢者や障がいのある方を誘う際の障壁を把握するため、無料招待企画の応募者のうち3,852名を対象にアンケートを実施しました。調査は2025年8月19日から9月2日までインターネットで行われ、結果は2025年9月4日付の発表資料として公開されています。
調査からは、誘いたい相手がいるにもかかわらず実際には誘えていなかったケースが多いことが明確になりました。具体的には、88.1%が万博に誘いたい人がいたと回答する一方で、72.5%が実際には誘えていなかったと答えています。こうした数値は、物理的な支援の不安だけでなく、心理的なためらいも誘いづらさの主要因であることを示しています。

アンケート設問の構成と回答者の属性
本調査は大阪・関西万博への無料招待企画に応募した26,595名のうち、抽出された3,852名を対象に実施されました。質問は主に、誘いたい相手の有無、誘えなかった理由、誘うきっかけになった要因、誘いたい人数の推定など、実際に誰を誘うかに直結する内容です。
調査はインターネットによるアンケート形式で行われ、該当する回答者層は応募者に限られます。調査の詳細は LETS EXPO の案内ページにも掲載されています(https://www.lets-expo.jp/)。
以下に設問ごとの主要な数値を整理します。これらはアンケートの設問 Q1 から Q5 に対応した集計結果です。
- Q1: 誘いたい人はいたか? → 88.1% が「いた」と回答。
- Q2: 企画がなくても誘って行くつもりだったか? → 27.5% が「はい」を示し、72.5%は誘えていなかった。
- Q3: 誘えなかった理由 → 最多は「長時間の移動や歩行のサポートへの不安」51.4%。その他、会場のバリアフリー状況がわからない 14.4%、断られるかもしれない 13.2%、喜んでもらえるかわからない 12.5%、誘うきっかけがない 11.8%。
- Q4: 誘いたいと思ったきっかけ → 「この招待企画に背中を押された」50.4%、親孝行の気持ち 49.7%、一緒に楽しみたい 44.8%、1970年の万博に行ったことがあるため 43.8%、LETS EXPO の会場内サポートがあるから 21.4%。
- Q5: 誘いたい人数 → 平均 1.58人。応募者全体26,595人に当てはめた試算で最大約42,020人が誘われた可能性。

無料招待企画の実際と会場内サポートの具体性
LETS EXPO が実施した「大阪・関西万博への無料招待企画」は、敬老の日にあたる2025年9月15日月曜・祝日に向け、500組1,000名を無料招待する内容として立ち上げられました。発表時点で26,595名が応募し、そのうち3,852名を対象にアンケートが行われたことが今回の結果につながっています。
LETS EXPO の会場内サポートは、主に移動が困難な方に向けた車いすの押し手サポートや、会場内での安全確保、優先入場や座席確保など、実務的な支援を提供することが明示されています。こうした具体的な支援があることが、誘いたい側の不安を和らげる要因になっていると回答の21.4%が示しています。

会場内サポートの内容と利用者の声
LETS EXPO の会場内サポートは、車いす押し手、優先入場、列を避けた対応、危険箇所での安全確保など、移動や滞在の支援に重点を置いています。サポートの詳細は LETS EXPO のサービスページで案内されています(https://www.lets-expo.jp/service-a)。
利用者の声としては、母親と一緒に来場できたことを喜ぶ事例や、ボランティアの対応に感動したという声、言語的障害のある利用者が丁寧に聞き取られ会話が成立したとの報告、車いすでの移動の安全配慮に対する高い評価などが寄せられています。抜粋された声は以下の通りです。
- 利用者A
- 足の悪い母と万博に行くことが叶い、母が「本当に楽しかった」と話したことが嬉しかった。優先入場や座席確保など細やかな配慮に感動した。
- 利用者B
- 構音障害のある私の言葉を最後まで真剣に聞き取ってもらい、『心のバリアフリー』を実感した。
- 利用者C
- 車椅子移動時に通路を確保する対応や暗所での安全配慮など、ボランティアの心配りに感動した。

数値で見る影響と、ユニバーサルツーリズムに向けた示唆
調査結果は誘う側の心理と現実的なハードルの両面を示しています。88.1%が誘いたい人がいると回答する一方で、72.5%が実際には誘えていないという結果は、外出支援や環境情報の提供、誘いやすい仕組みづくりの必要性を示唆します。
特に注目されるのは「長時間の移動や歩行のサポートへの不安」が51.4%で最多であった点です。会場の具体的なバリアフリー対応状況がわからないことを示す回答も14.4%あり、事前情報提供が誘いの一歩を後押しする可能性があります。

数値の具体的な解釈と試算
Q5 の平均誘いたい人数 1.58 を応募者数 26,595 に掛け合わせると、最大で約42,020人が誘われた可能性があるという試算が示されました。これは、万博参加を希望しながら自力での来場が困難な人々が多数含まれていることを示す数値です。
一方で、今回の招待企画により実際に行動した人は26,595名を超え、招待企画自体が「誘ってみよう」と行動を促すきっかけとなったことが示されています。誘う側の背中を押す仕組みが有効であるという観点から、ユニバーサルツーリズム普及の方策検討に当たって重要な示唆を与えます。
- 誘いづらさの主要因は移動支援への不安(51.4%)。
- 誘うきっかけ提供は効果的で、50.4%が企画に背中を押されたと回答。
- 誘われる可能性のある人数は試算で約42,020人。

運営主体、協力・参画組織および調査概要の整理
本プロジェクトの運営主体は一般社団法人関西イノベーションセンター(MUIC Kansai)で、理事長は早乙女 実氏です。協力企業や参画予定の団体として東京トラベルパートナーズ株式会社、住友電気工業株式会社が名を連ねています。運営協力には株式会社kenma、株式会社Blanket、東北大学 瀧 靖之氏(運営企画サポート)が含まれます。
参画予定企業・団体としては、特定非営利活動法人伊勢志摩バリアフリーツアーセンター、特定非営利活動法人AYA、株式会社コネクシー、公益財団法人日本財団ボランティアセンター、社会医療法人愛仁会などが挙げられています。これらの組織はユニバーサルツーリズム実現に向けた協力体制を補強する役割を担います。

調査概要の詳細
調査方法や期間、対象などの基本情報は以下の通りです。プレスリリース内にも同様の記載があり、転載の際は LETS EXPO を出典として明記するよう案内されています。
- 調査方法
- インターネットによるアンケート調査
- 調査期間
- 2025年8月19日〜2025年9月2日
- 回答者属性
- 大阪・関西万博への無料招待企画に応募した26,595名のうち3,852名が回答
運営主体の所在地や代表者情報も公表されています。一般社団法人関西イノベーションセンターの所在地は大阪府大阪市中央区伏見町三丁目6番3号で、代表は早乙女 実(理事長)です。また、東京トラベルパートナーズ株式会社(所在地:東京都渋谷区代々木3丁目22番7号 新宿文化クイントビル14階、代表:栗原 茂行)や住友電気工業株式会社(所在地:大阪市中央区北浜4-5-33、代表:井上 治)などがプロジェクトに関わっています。
項目 | 内容 |
---|---|
発表日 | 2025年9月4日 11時00分 |
招待企画日 | 2025年9月15日(敬老の日、月曜・祝日) |
応募者数 | 26,595名 |
アンケート回答者数 | 3,852名 |
主要結果(誘いたい人がいた) | 88.1% |
主要結果(誘えていなかった) | 72.5% |
誘えなかった主な理由 | 長時間の移動や歩行サポートへの不安 51.4% |
誘うきっかけとなった要因 | 招待企画に背中を押された 50.4%、親孝行 49.7% |
試算される誘われた人数 | 最大約42,020人(26,595名×平均1.58人) |
運営主体 | 一般社団法人関西イノベーションセンター(MUIC Kansai) |
主な参画企業 | 東京トラベルパートナーズ、住友電気工業 他 |
以上の表は本プレスリリースに含まれる主要な数値と事実を整理したものです。調査結果は、誘いづらさを解消するための具体的な支援や情報提供、誘う側の心理的ハードルを下げる仕組みの重要性を示しており、ユニバーサルツーリズムの普及を検討する際の参考となります。
参考リンク: