9/23開幕|熊野筆をアップサイクルした『KACHIIRO』が万博で展示
ベストカレンダー編集部
2025年9月4日 05:59
熊野筆KACHIIRO展示
開催期間:9月23日〜9月29日

伝統工芸と循環経済をつなぐ、PHIの取り組みの全体像
持続可能な社会の担い手の育成に取り組むPHI株式会社(CEO:繁田知延)は、2025年9月23日(火・祝)から9月29日(月)まで開催される2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)にて、経済産業省主催の体験型催事「サーキュラーエコノミー研究所」に出展します。出展はEXPOメッセ「WASSE」南ホールの屋内展示場で行われ、期間中は子どもから大人までがサーキュラーエコノミーを体験できるコンテンツの一つとしてPHIの研究成果が紹介されます。
PHIの出展テーマは「日本の伝統工芸品 広島熊野筆」×「環境教育」×「地域資源循環」の研究です。廃棄予定であった学用品、使用済み朝顔プラスチック鉢を回収してアップサイクルし、徳島の天然藍を取り入れてJAPAN BLUEを表現したアップサイクル熊野筆『JAPAN BLUE 熊野筆「KACHIIRO」』を展示・紹介します。今回の出展は、環境省が公募した大阪・関西万博におけるプラスチック資源循環普及啓発のための展示・イベントに採択されたことを受けたものです。

出展に際する公的な位置づけとコラボレーション
本催事「サーキュラーエコノミー研究所」は経済産業省が主催する循環経済を学べる体験型イベントで、朝日新聞出版の「科学漫画サバイバル」シリーズと協力して展示コンテンツが提供されます。来場者は“買う・使う・分ける・回す”という日常に即した判断がどのように循環経済につながるかを、体験を通して学べます。
PHIの出展では、製品展示のみならず、地域の学校を巻き込んだ実践的な回収・教育プログラムの紹介も行います。小学校等での使用済み朝顔プラスチック鉢の回収拠点設置と、その後の特殊洗浄破砕による再資源化プロセスを詳細に伝え、循環の具体的な手順と成果を示します。

JAPAN BLUE 熊野筆「KACHIIRO」—開発プロセスと製品の特徴
PHIが開発したアップサイクル熊野筆は、使用済み朝顔プラスチック鉢を回収して特殊洗浄・破砕処理を行い、その再生材を熊野筆の持ち手部分に活用することで誕生しました。持ち手には徳島県産の天然藍を練り込み、JAPAN BLUEを表現した「KACHIIRO(かちいろ)」として仕上げています。
化粧筆や書筆として普及している熊野筆の品質と伝統を保ちながら、素材の一部をプラスチック再生材で置き換えることで、廃棄物削減と伝統工芸の新たな需要喚起を同時に目指しています。書筆については、回収協力をした小学校へ還元して教育現場での活用にもつなげる計画です。

製造工程の詳細
- 回収:学用品として使用された朝顔プラスチック鉢を小学校等の回収拠点で集める。
- 洗浄・破砕:特殊洗浄工程で汚れや付着物を除去した上で破砕し、再成形可能な再生材を作る。
- 成形:再生材を熊野筆の持ち手部に成形し、成形段階で徳島の天然藍を練り込む。
- 仕上げ:伝統的な筆毛の取り付け・調整を行い、化粧筆・書筆としての品質を確保する。

名称の由来と文化的意味
本製品名「KACHIIRO」は、日本の伝統的な藍染め文化に由来します。戦国時代、武将たちは鎧の下に褐色(かちいろ)の藍染を施した衣を身に着け、藍の抗菌・防虫効果に加えて勝負運を担ぐ縁起物として重宝しました。
- 名称
- JAPAN BLUE 熊野筆「KACHIIRO」
- 意義
- 徳島の天然藍を用いて褐色系の色合いを表現し、縁起物や贈答品としての価値も意識した命名。
- 用途
- 化粧筆、書筆のいずれも想定。教育現場への還元も実施。

教育現場と地域資源循環を結ぶ取り組み—解決を目指す社会課題
PHIの取り組みは、次のような複数の社会課題を同時に解決することを意図しています。まず、広島の伝統工芸「熊野筆」は化粧筆や書筆として全国に普及している一方で、近年は生産量の伸び悩みや職人の減少が問題となっています。伝統の継承・発展には若年層へのアプローチが急務です。
次に、教育現場で使用される朝顔プラスチック鉢の廃棄問題です。全国の小学生が育てる朝顔のプラスチック鉢の年間生産量は約300トンにのぼり、使用後は主に家庭で廃棄されるため有効活用されていない現状があります。この資源を地域で循環させることが求められます。

環境教育における課題とPHIのアプローチ
環境省が2023年3月に教職員を対象として実施した「令和2年度環境教育等促進法基本方針の実施状況調査(アンケート調査)」から、以下の課題が明らかになっています。
- 授業時間の確保が難しい
- 適切な教材の準備ができない
- カリキュラムマネジメントが難しい
- 教え方や取り組み方法が分からない
PHIはこれらの課題に対し、実践的な環境教育プログラムを通じて対応します。小学校と連携して使用済み朝顔プラスチック鉢の洗浄・回収を行い、回収した素材をアップサイクルして製品化するプロセスを教育に取り入れることで、教材の提供と実習機会を同時に実現します。
回収した熊野筆は書筆として回収拠点の小学校にも還元され、実践的な授業の道具として使われることにより、環境教育と伝統文化継承が結びつく仕組みが生まれます。

展示概要・協力体制・リンク集
展示の基本情報は以下の通りです。展示期間と時間、会場は明確に設定されています。展示名は朝日新聞出版の協力による「科学漫画サバイバル」シリーズとのコラボレーション表記がなされています。
展示期間中、来場者はPHIの展示ブースでJAPAN BLUE 熊野筆「KACHIIRO」の実物と、その素材生成プロセスの説明、回収プログラムの実例を確認できます。加えて、サーキュラーエコノミーを体験するワークショップや特設ステージのゲストトーク等が催されます。
展示期間 | 2025年9月23日(火・祝)~9月29日(月) 各日10:00~20:00(9月29日のみ19:00まで) |
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展示場所 | 2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博) 会場内 EXPOメッセ「WASSE」南ホール |
展示名 | 「科学漫画サバイバル」シリーズとコラボ!循環経済を楽しく学べる「サーキュラーエコノミー研究所」 |
主催 | 経済産業省 |
協力 | 朝日新聞出版(「科学漫画サバイバル」シリーズ) |
出展者 | PHI株式会社(CEO:繁田知延) |

関連情報と問い合わせ先(掲載された資料に基づく)
プレスリリースでは複数の関連ページや資料が案内されています。具体的なURLは本文に記載されている資料を参照してください。展示出展者一覧や政策周知ページ、環境省の採択結果ページ、PHIのホームページやプレスキット、問い合わせリンクなどが示されています。
- 経済産業省「サーキュラーエコノミー研究所」Webページ
- 展示出展者一覧
- circulation of plastic resources(プラスチックに掛かる資源循環の促進等に関する法律)普及啓発ページ
- 環境省 大阪・関西万博におけるプラスチック資源循環普及啓発のための展示・イベント公募採択結果
- PHI株式会社ホームページ/PHI selection/プレスキット/お問い合わせ先
要点の整理
ここまで掲載した内容を一覧の形で整理します。以下の表は、展示の要点、製品名、解決を試みる主な課題、展示期間・場所などを分かりやすくまとめたものです。
項目 | 概要 |
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出展者 | PHI株式会社(CEO:繁田知延) |
出展テーマ | 「日本の伝統工芸品 広島熊野筆」×「環境教育」×「地域資源循環」 |
製品名 | JAPAN BLUE 熊野筆「KACHIIRO」 |
素材と手法 | 使用済み朝顔プラスチック鉢を特殊洗浄・破砕して再生材化、持ち手に再生材+徳島の天然藍を練り込む |
解決する社会課題 | 熊野筆の生産量低下と職人減少、学用品プラスチック鉢の廃棄(約300トン/年)、環境教育の教材不足・授業時間確保困難等 |
展示期間・時間 | 2025/9/23~9/29 各日10:00~20:00(9/29は19:00まで) |
会場 | EXPOメッセ「WASSE」南ホール(2025年日本国際博覧会〈大阪・関西万博〉会場内) |
主催・協力 | 主催:経済産業省 協力:朝日新聞出版(「科学漫画サバイバル」シリーズ) |
備考 | 環境省の公募採択に基づく出展。回収拠点となる小学校への書筆還元や教育プログラムの実践が含まれる |
本記事は、PHI株式会社によるプレスリリースの内容に基づき作成しました。展示の日時・会場・出展内容・製品の開発プロセス・教育連携など、本文中に記載された情報を整理して紹介しました。展示の詳細や問い合わせ先、ダウンロード可能なプレス素材についてはPHI社および主催者の公開情報を参照してください。