9月6日開催:OGC APIで地理空間データ連携を実証

OGC API実証開始

開催日:9月6日

このプロジェクトって何をするの?
OGC API準拠のサーバーをデータセンターに構築し、日本国内のジオデータ・BIM・GIS等を連携・公開して、実アプリ開発や相互運用性を実証する研究プロジェクトです。
どうやって参加できるの?
9月6日のキックオフ・ミートアップは会場(Tokyo Innovation Base)とアーカイブ配信があり、参加費2,000円。Peatixの申込ページから登録、技術寄与やデータ提供での参加も可能です。

JACIC研究助成に採択、OGC APIで地理空間データ連携の実証へ

国際的な地理空間情報の標準化を推進する団体の日本支部であるOGC Japan Forumが、一般財団法人日本建設情報総合センター(JACIC)の令和7年度研究助成に採択されました。採択された研究テーマは「OGC API を用いた地理空間データによるオープンデータ利活用促進に関する研究」であり、本研究助成に基づいて具体的な実証プロジェクトを開始します。

本プロジェクトは、OGC Japan Forumが運用するデータセンターに、国際標準規格であるOGC APIに準拠したサーバーを構築し、日本国内の多様な空間データを実装して連携・公開することを目的とします。公式発表は2025年9月3日付で行われ、キックオフイベントは2025年9月6日(土)に予定されています。

研究の位置付けと実証の狙い

今回の研究助成は、国内に点在する地理空間データを標準化されたインターフェースでつなぎ、データの利活用を促進するための取り組みです。OGC APIを「共通言語」として採用することで、フォーマットやシステムの違いによるデータの分断(いわゆるデータサイロ)を解消することを目指します。

実証は、データセンター上のOGC API準拠サーバーに日本の多様な空間データを実装する形で行われ、公開されたデータを組み合わせた実アプリケーションの開発や評価を行います。これにより、社会実装を視野に入れたインタオペラビリティ(相互運用性)の検証が行われます。

  • 研究テーマ:「OGC API を用いた地理空間データによるオープンデータ利活用促進に関する研究」
  • 助成機関:一般財団法人日本建設情報総合センター(JACIC)
  • 実施主体:OGC Japan Forum(OGC日本コミュニティ団体)
  • 開始時期:2025年(令和7年度)採択、キックオフは2025年9月6日

分断された地理空間データをつなぐ技術と期待される効果

日本の地理空間データは、地形や地盤を示すジオデータ、建築物や構造物の3DモデルであるBIMデータ、都市活動を示すGISデータなどが別々のフォーマットやシステムで管理されることで、互換性の欠如や利活用の阻害が生じています。本プロジェクトはこれらの課題に直接取り組む設計になっています。

OGC APIを導入することで、次のような具体的効果を期待しています。標準化されたAPIを通じて、異なるソースのデータが同一の手続きで取得・組合せ可能となり、防災、都市計画、インフラ管理など多岐にわたる分野で実用的な利点が生じます。

期待される効果の具体例

  1. 高精度な防災・減災

    地盤データ、建物の3Dモデル(BIM)、リアルタイムの災害情報を重ね合わせることで、現実に即した避難シミュレーションや被害推定の精度向上が期待されます。

  2. 効率的なスマートシティ運営

    インフラデータと人流データを統合して分析することで、交通渋滞の緩和、エネルギー管理の最適化、都市サービスの効率化などの運用改善が可能になります。

  3. イノベーションの促進

    多様なデータを自由に組み合わせられる環境を提供することで、民間企業やスタートアップによる新たなサービス開発を加速させることが期待されます。

直面している課題(データサイロの具体例)
データ形式の非互換、アクセス手続きの非統一、管理組織の分散による利活用の停滞。
OGC API導入での技術的利点
RESTfulなAPIによるデータ提供、メタデータの整備、認証やアクセス制御の標準化などによる相互運用性の向上。

コミュニティ連携とキックオフ・ミートアップの開催情報

OGC Japan Forumは、本プロジェクトを軸に日本の地理空間情報コミュニティを活性化させる方針です。活動の一環として、OSGeo日本支部(OSGeo.JP)と共同でミートアップを実施します。ミートアップではプロジェクトの目標や技術的課題、国内外の専門家による講演やディスカッションが予定されています。

本プロジェクトは、技術者、研究者、行政、企業関係者など多様なステークホルダーの参加を想定しており、オープンに議論と実践を進める場づくりを行います。コミュニティ参加に関しては、技術寄与やデータ提供、共同実験などの形態が考えられます。

キックオフ・ミートアップ詳細

  • イベント名:都市3Dデジタルツインの最前線!世界から著名専門家が来日 ~ OGC Japan Forum / OSGeo.JP 合同Meetup
  • 日時:2025年9月6日(土)13時30分〜
  • 場所:Tokyo Innovation Base (TiB) + アーカイブ配信
  • 共催:OGC Japan Forum、一般社団法人OSGeo日本支部(OSGeo.JP)
  • 参加費:2,000円
  • 参加申込:https://geobim-ogc-osgeo.peatix.com/

イベントでは、世界の専門家の講演や技術デモのほか、今後のデータ実装計画やコミュニティ参加方法についても紹介される予定です。会場参加が難しい場合はアーカイブ配信を通じて情報が共有されます。

関係団体の役割と問い合わせ先、まとめ

本プロジェクトに関わる主な団体の役割は次の通りです。JACICは研究助成を通じて本プロジェクトの実施を支援し、OGCは地理空間情報の国際標準を提供します。OGC Japan Forumは日本国内での実装とコミュニティ運営を担い、OSGeo.JPはオープンソース地理空間ソフトウェアの観点から共同で活動します。

問い合わせや詳細情報は、OGC Japan Forumの公開情報および下記の連絡先を参照してください。報道向け、参加希望や技術的協力希望の問い合わせ先として事務局のメールアドレスが案内されています。

一般財団法人日本建設情報総合センター(JACIC)
建設情報の調査研究、開発・運用、普及を通じて建設技術の向上や国土の有効活用を図る組織。URL:https://www.jacic.or.jp/jacic-hp/index.html
Open Geospatial Consortium(OGC)
地理空間情報およびサービスに関する国際的な業界団体であり、相互運用性を高めるオープンな標準規格を策定。
OGC Japan Forum
OGCの日本におけるコミュニティ団体。国内のステークホルダーとOGC本部の橋渡しを担う。公式サイト:https://ogcjapan.org/
一般社団法人OSGeo日本支部(OSGeo.JP)
オープンソース地理空間ソフトウェアの利用と開発の普及を支援する団体。
本件問い合わせ先
OGC Japan Forum 事務局:go@mail.ogcjapan.org(担当者:矢野、今井)

以下の表は、本記事で触れた核心的な情報を整理したものです。プロジェクトの目的、主要な日付、参加方法、関係団体、連絡先などを一覧にまとめています。

項目 内容
プロジェクト名(研究テーマ) 「OGC API を用いた地理空間データによるオープンデータ利活用促進に関する研究」
助成機関 一般財団法人日本建設情報総合センター(JACIC)
実施主体 OGC Japan Forum(OGC日本コミュニティ)
主な目的 OGC API準拠のサーバー構築によるデータサイロ解消とオープンデータ利活用の促進
期待される効果 高精度な防災・減災、スマートシティ運営の効率化、イノベーション促進
キックオフ・ミートアップ 2025年9月6日(土)13:30〜、Tokyo Innovation Base (TiB) + アーカイブ配信(参加費2,000円)
申込・詳細 https://geobim-ogc-osgeo.peatix.com/
公式情報 https://ogcjapan.org/
問い合わせ先 OGC Japan Forum 事務局:go@mail.ogcjapan.org(担当:矢野、今井)

本稿では、OGC Japan ForumがJACICの研究助成に採択され、OGC APIに基づく実証プロジェクトを始動する点、プロジェクトが目指す技術的な狙いと期待される社会的効果、コミュニティ連携ならびにキックオフイベントの詳細を整理して伝えた。関係する組織や参加手続きの情報は上記の通りである。

参考リンク: