『ヤンヤン 夏の想い出』4K版が12/19に日本公開決定
ベストカレンダー編集部
2025年9月3日 13:20
ヤンヤン4K日本公開
開催日:12月19日

4Kレストアで甦る『ヤンヤン 夏の想い出』──日本公開決定の背景と日程
台湾ニューシネマを代表する巨匠、エドワード・ヤンの遺作にして集大成である映画『ヤンヤン 夏の想い出(原題:YI YI)』が、4Kレストア版として2025年12月19日(金)より日本公開されることが発表されました。発表は株式会社ポニーキャニオンによるもので、リリース日は2025年9月3日 11時04分です。
本作は2025年のカンヌ国際映画祭で4Kレストア版が披露され、第78回カンヌ国際映画祭クラシック部門のオープニング作品として上映されました。公開から四半世紀を経てのレストア復活は、原盤の再整備とデジタル修復作業を経たもので、映像の細部や色調が最良の状態でスクリーンに戻されます。
日本公開は2025年12月19日(金)で、公開予定館としてはBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座、109シネマズプレミアム新宿のほか、全国で順次公開される予定です。配給はポニーキャニオンが担当します。
今回の発表には特報映像の解禁も含まれます。映像は約30秒ほどで、映画冒頭の結婚式のシーンと少年ヤンヤンとその家族のカットが切り取られており、かつてのフィルムの質感を生かした豊かな画面が示されています。

物語の構造と舞台設定:台北と日本、ひと夏の時間
『ヤンヤン 夏の想い出』は、少年ヤンヤンとその家族が経験するひと夏の出来事を描いた長編映画です。物語は時に残酷であり、同時にまばゆいほどの映像美を伴いながら、家族の内部に生じる歪みと成長を繊細に追います。
舞台は台湾と日本の両国にまたがり、具体的には台北、東京、熱海といった都市空間が物語の背景として機能します。日台合作の制作体制により、文化的接触や言語の交差が物語の奥行きを増しています。
あらすじは以下のとおりです。小学生のヤンヤンは、父・NJ(コンピュータ会社経営)、母、姉、祖母と共に台北の高級マンションで暮らしている。母の弟の結婚式を機に一家の生活は揺らぎ出し、祖母は脳卒中で入院、NJは初恋の相手と再会して心が揺れ、母は新興宗教に傾倒する。経営不振に陥ったNJは会社を立て直すため、日本で天才的ゲーム・デザイナーの大田と契約するべく渡航するが、家族の時間は引き裂かれていく。
本作は少年の視点を軸にしながらも、親の世代や祖母の存在、周辺人物たちの交錯を描く群像劇として構成され、時間の経過とともに積み重なる感情と記憶が主題となっています。

製作クレジットとキャスト、受賞歴・批評反響
本作の監督・脚本はエドワード・ヤン。撮影はヤン・ウェイハン、編集はチェン・ポーウェン、録音はドゥー・ドゥーツ、美術・音楽はペン・カイリーが担当しています。以下に主要スタッフとキャストを整理します。

主要スタッフ
役割ごとに責任者が明確であり、撮影や編集、音響といった技術面での協働によって独特の映画的深度が生まれています。
- 監督・脚本
- エドワード・ヤン
- 撮影
- ヤン・ウェイハン
- 編集
- チェン・ポーウェン
- 録音
- ドゥー・ドゥーツ
- 美術・音楽
- ペン・カイリー

主要キャスト
台湾と日本の俳優が共演し、日台の文化的接点を物語の表現に反映させています。
- ウー・ニェンツェン
- イッセー尾形
- エイレン・チン
- ケリー・リー
- ジョナサン・チャン
作品のスペックは以下の通りです。制作国は台湾・日本の合作、言語は中国語・日本語、カラー作品で上映時間は173分。英題は“YI YI: A ONE AND A TWO”、字幕翻訳は石田泰子が担当しています。配給はポニーキャニオン、著作表記は©1+2 Seisaku Iinkaiです。
受賞と批評的評価も特筆されます。公開当時の2000年、第53回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したほか、東京国際映画祭やトロント国際映画祭など世界各国で上映されました。年を追うごとに評価は高まり、2016年の英国BBC主催「21世紀の偉大な映画ベスト100」では第8位に選出され、2023年にはハリウッド・レポーターによる「21世紀の映画ベスト50」で第1位にランクインしました。
さらにレビューサイトの指標として、北米のRotten Tomatoesでは2025年8月27日現在、批評家スコアが97%フレッシュ、一般ユーザースコアが91%を維持しています。こうした数字は、時間の経過にも関わらず作品の評価が持続していることを示しています。
特報映像・上映情報・公式窓口
今回解禁された特報映像は約30秒で、映画の冒頭に位置する結婚式の場面と、少年ヤンヤンとその家族のカットを中心に構成されています。短い尺ながらも、4Kによる画質向上の成果や色彩の再現性が確認できる内容になっています。
上映初日は2025年12月19日(金)ですが、公開劇場として明示されているのはBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座、109シネマズプレミアム新宿の三館です。これらの劇場を皮切りに全国公開が予定されています。配給はポニーキャニオンが担当します。
公式情報および関連リンクは以下の通りです。作品公式サイトはhttps://yi-yi.jp/、公式X(旧Twitter)アカウントは@YIYI_4K、ハッシュタグは#ヤンヤン4Kです。これらの窓口で最新の上映スケジュールや特典情報、イベント情報が告知される見込みです。
また、公開に際しては4Kレストア版が第78回カンヌ国際映画祭クラシック部門のオープニング作品として披露され、国際的な舞台での評価や再評価の機会が設けられたことも興味深い点です。
要点の整理とデータ表
以下の表は、本記事で触れた主要な情報を分かりやすく整理したものです。公開日、スタッフ、キャスト、評価指標、公式窓口などを網羅しています。
項目 | 内容 |
---|---|
作品名(邦題) | ヤンヤン 夏の想い出 |
原題 / 英題 | YI YI / YI YI: A ONE AND A TWO |
4Kレストア版日本公開日 | 2025年12月19日(金) |
初披露(4Kレストア) | 第78回カンヌ国際映画祭 クラシック部門 オープニング作品(2025年) |
配給 | ポニーキャニオン |
上映予定劇場(公開時) | Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座、109シネマズプレミアム新宿 他 全国公開 |
上映時間 / カラー / 言語 | 173分 / カラー / 中国語・日本語 |
監督・脚本 | エドワード・ヤン |
主要スタッフ | 撮影:ヤン・ウェイハン / 編集:チェン・ポーウェン / 録音:ドゥー・ドゥーツ / 美術・音楽:ペン・カイリー |
主要キャスト | ウー・ニェンツェン / イッセー尾形 / エイレン・チン / ケリー・リー / ジョナサン・チャン |
受賞・ランキング | 第53回カンヌ国際映画祭 監督賞(2000) / BBC 2016「21世紀の偉大な映画ベスト100」第8位 / ハリウッド・レポーター 2023「21世紀の映画ベスト50」第1位 |
Rotten Tomatoes | 批評家:97%(2025年8月27日時点) / 一般:91%(2025年8月27日時点) |
字幕翻訳 | 石田泰子 |
公式サイト / 公式X / ハッシュタグ | https://yi-yi.jp/ / @YIYI_4K / #ヤンヤン4K |
配給表記・著作 | 配給:ポニーキャニオン / ©1+2 Seisaku Iinkai |
以上が本稿で扱った情報の要約です。4Kレストア版としてカンヌで再び顕彰された本作は、公開から25年を超えた現在も高い評価を保持しており、日本公開にあたっては改めて作品の映像美や物語構造を体験する機会となります。公式サイトおよび公式Xで最新情報が案内されるため、スケジュール確認や詳細はそちらを参照してください。
参考リンク: