10月開始予定:トモニでAI会話型認知症チェック

トモニ疾患チェック開始

開催日:10月1日

トモニ疾患チェック開始
このサービスって何ができるの?
AIアバターとの会話を通じてフレイルや認知症の兆候を楽しく手軽にセルフチェックできる。音声中心の簡単操作で結果は自動判定され、自治体や薬局と連携して早期発見を支援する。
高齢者でも使える?操作は難しい?
使えるように設計されている。音声対話と高齢者向けUIでタブレット操作が苦手でもOK。岡山市の実証では400人中95%が「操作が簡単」と評価、スタッフの寄添いサポートも想定されている。

AIアバターとの会話で日常的にチェックする新しい形

株式会社HYPER CUBEは、2025年9月2日22時30分に、高齢者向けの疾患チェックサービス「トモニ for 疾患チェック」をリリースすると発表しました。本サービスは、既存の「トモニ for フレイルチェック」を機能拡張し、フレイルのみならず認知症の兆候も会話ベースで把握できるようにした点が最大の特徴です。利用者はAIアバターとの自然な対話を通じ、楽しく手軽にセルフチェックを行えます。

リリース文によれば、本サービスは専門知識を必要とせず、デジタル機器に不慣れな高齢者でも操作できるように設計されています。会話中にテスト項目を自然に組み込み、被験者が検査を受けているという心理的負担を軽減することを狙いとしています。結果は自動的にデータ化・判定され、専門家でない人でも適切な声掛けやアドバイスができるよう配慮されています。

AIアバターとの会話で認知症の兆候を早期発見。高齢者向け疾患チェックサービス「トモニ for 疾患チェック」をリリース 画像 2

主な利用イメージと操作性

利用者はタブレットなどの端末でAIアバターと会話するだけで、フレイルや認知症のチェックを進められます。画面操作が苦手な方でも、音声対話を中心としたインターフェース設計により安心して利用できる点が強調されています。

また、スタッフが寄り添って画面を見ながら支援できる仕様としており、専門性がない場面でも高齢者と一緒にチェックを進められる点が想定されています。サービス提供側は自治体や薬局、医療機関との連携を前提としており、地域での日常的な利用を想定しています。

背景と実証データ:高齢化・市場規模・従来テストの課題

同社は、深刻化する高齢化社会に対応するために本サービスを開発したと説明しています。経済産業省の「アクションプラン2023」を参照しつつ、ヘルスケア産業の市場規模は2030年に約38兆円に達する見込みであるとしています(※1)。こうした市場動向の下で、地域や家庭で簡便に行えるヘルスチェックのニーズが高まっています。

従来の認知症テストは専門家が約20分かけて実施することが一般的であり、被験者の約70%が心理的苦痛を感じるとする報告があるため(※2)、実施のハードルが高い点が課題とされています。これらの背景を踏まえ、被験者がストレスを感じにくい形でのチェック手法として、会話ベースの自動判定システムが提案されています。

実証実験の結果(岡山市)

サービスのユーザビリティは岡山市でのフレイルチェック実証実験で検証されています。参加者は高齢者400人で、95%が「操作が簡単で、他の人にも勧めたい」と評価しました。これにより、音声対話技術や高齢者に特化したUIデザインがデジタルデバイドの解消に寄与する可能性が示されました。

なお、既存サービス「トモニ for フレイルチェック」は、2025年5月時点で岡山市内の薬局・医療機関等26か所に導入されています。サービスの詳細は参照先の公式サイトにて案内されています(https://www.tomoni.tech/)。

サービスの機能と運用フロー

「トモニ for 疾患チェック」は、会話を中心としたセルフチェックの流れ、データの自動判定、そして自治体や介護予防センターへの連携という運用フローを想定しています。以下に主要機能を整理します。

  • 簡単な操作:AIアバターが自動で確認を行うため、難しい操作や専門知識は不要。
  • 自動判定とアドバイス:チェック結果は自動でデータ化・判定され、結果に基づいてスタッフや家族が声掛けや初期対応をしやすい構成。
  • 早期発見と連携:自治体と連携し、認知症の兆候を早期に発見した際は介護予防センター等への橋渡しを行うことを想定。

技術面では、同社がこれまで培ってきたAIとデータ解析技術を基盤に、利用者ごとに最適化された提案を行うデータプラットフォームを構築しています。プラットフォームは、個々のチェック結果を経時的に管理し、必要に応じて関係機関と情報共有できる仕組みを目指しています。

利用シーンと想定される設置場所

サービスは薬局や自治体の健康イベント、地域包括ケアの一環としての導入を見込んでいます。日常生活の延長で自然に健康と向き合える場として、地域の薬局に設置されたチェックの場や自治体主導の健康イベントでの活用が想定されています。

運用にあたっては、スタッフがタブレット画面を見ながら高齢者に寄り添ってサポートできるように設計されており、専門職による個別介入が必要になった場合は、プラットフォームから医療・介護の専門職へつなげるフローも視野に入れています。

提供スケジュール・問い合わせ先・企業情報

同社は2025年8月より実証実験を開始し、同年10月以降のサービス提供開始を目標に掲げています。提供の拡大に向けては、全国の自治体や調剤薬局との連携を進め、地域包括ケアシステムの一翼を担うことにより、健康寿命の延伸と医療費削減への寄与を目指すとしています。

本サービスに関心のある自治体や介護・ヘルスケア関連事業者からの協業・導入相談を想定しており、問い合わせは以下の窓口を利用するよう案内されています。

問い合わせフォーム
https://www.hyper-cube.co.jp/contact_form/
電話番号
050-1751-305

なお、発表日時は2025年9月2日22時30分、発表元は株式会社HYPER CUBEです。企業のビジョンは「遊びが予防になる社会をつくる」で、AIを活用したソリューション開発やデータ解析サービスを提供しています。企業サイトはhttps://www.hyper-cube.co.jp/ にて公開されています。

出典と参考情報

発表内で引用されている参考情報には以下が含まれます。出典を明記したうえでサービスの位置づけが示されています。

  1. 経済産業省:新しい健康社会の実現に向けた「アクションプラン2023」。市場規模の将来見通し(2030年:38兆円)。
  2. Lai, J. M., Hawkins, K. A., Gross, C. P., & Karlawish, J. H. (2008). Self-reported distress after cognitive testing in patients with Alzheimer’s disease. The journals of gerontology. Series A, Biological sciences and medical sciences, 63(8), 855–859.(認知機能検査後の心理的苦痛に関する報告)

要点の整理(本文で触れた内容の一覧表)

以下の表は、本稿で触れた「トモニ for 疾患チェック」に関する主要情報を整理したものです。サービスの概要、公開日、機能、実証結果、導入状況、問い合わせ先などを項目ごとにまとめています。

項目 内容
発表日 2025年9月2日 22:30
発表者 株式会社HYPER CUBE
サービス名 トモニ for 疾患チェック
目的 AIアバターとの会話を通じてフレイルや認知症のセルフチェックを行い、早期発見と介護予防に繋げる
主な機能
  • 会話ベースのチェック(音声対話・高齢者向けUI)
  • 自動データ化・自動判定
  • 結果に基づくアドバイス表示と連携機能
実証実験 岡山市でフレイルチェック実証実験(参加者400人、95%が操作性を高評価)
既存導入状況 「トモニ for フレイルチェック」は2025年5月時点で岡山市内の薬局・医療機関等26か所に導入
提供スケジュール 2025年8月に実証実験開始、2025年10月以降のサービス提供を目指す
想定連携先 自治体、調剤薬局、医療機関、介護予防センター等
問い合わせ
問い合わせフォーム
https://www.hyper-cube.co.jp/contact_form/
電話番号
050-1751-305
企業ビジョン・領域 「遊びが予防になる社会をつくる」/AIソリューション、データ解析、医療・介護分野の新規事業支援
参考出典 経済産業省「アクションプラン2023」、Lai et al. (2008)
カテゴリ・キーワード 福祉・介護・リハビリ、システム・Webサイト・アプリ開発/HYPER CUBE、ヘルスケア、介護、AI、フレイル、認知症、予防、高齢者、健康増進、DX

上表は、この記事で扱った発表内容を項目別に整理したものです。サービスの提供開始は2025年10月以降を目指しており、実証実験や既存の導入実績を踏まえつつ、自治体や薬局との連携により地域に適した運用を目指す点が確認できます。連携や導入に関する問い合わせは、上記のフォームまたは電話番号を通じて受け付けるとされています。