GPSインソール『みまもり イル!』事業進捗と実証計画

オフィスアワー参加

開催日:8月29日

オフィスアワー参加
「みまもり イル!」ってもう買えるの?
販売は2025年7月から始まっているよ。靴の中に入れるGPS内蔵インソールで位置情報による見守りができ、現在はUI/UX改善やIMUを使った転倒予兆検知の開発も進められている。
転倒予兆検知は本当に実用になるの?
可能性はあるけどまだ開発段階。IMUで歩行リズムや急加速・姿勢変化を解析して通知する仕組みを目指しており、個人差や誤検知、バッテリー課題の検証・実証実験が不可欠だ。

足元から始める介護DX──「みまもり イル!」の現在地と事業進捗

株式会社イルは、高齢者見守り用のGPS内蔵インソール「みまもり イル!」を企画・開発・運用するスタートアップ企業です。プレスリリースは2025年8月31日23時50分に公表され、同社は2025年7月より本製品の販売を開始しています。製品は靴の中に装着するインソール型で、位置情報を活用した見守り機能を提供する点が特徴です。

同社は製品の販売開始後、UI/UXの改善や機能拡張を進めており、転倒予兆の検知機能を実装するためにIMUセンサー(慣性計測ユニット)を活用した研究開発を行っています。今回の発表では、製品の事業進捗、ユーザーインターフェースの改善点、センサーを用いた転倒検知の開発状況などを具体的に示しました。

  • 販売開始: 2025年7月より
  • 製品形態: GPS内蔵インソール(スマートインソール)
  • 主な改善点: UI/UX改善、IMUセンサーを用いた転倒予兆検知の開発
高齢者見守りIoT「みまもりイル!」を地域の介護DXに活用する可能性を検討 画像 2

ウェルネスバレーの土俵で交わされた議論と自治体との協働

2025年8月29日(金)、株式会社イルは大府市・東浦町が推進する「ウェルネスバレー」関連の取り組みの一環として開催されたウェルネスバレー推進協議会オフィスアワーに参加しました。オフィスアワーはSTATION Ai入居企業や関係機関が主催する1対1の個別相談会で、資金調達、法務、自治体連携など多様なテーマで専門家や自治体担当者と直接対話できる場です。

同日の参加では、自治体側(大府市・東浦町)担当者と、介護現場でのDX化や地域見守り体制への実装可能性について意見交換を行いました。具体的には、製品の現状、データ活用の仕方、実証実験に必要な環境整備、自治体との連携モデルの候補などが議題となりました。オフィスアワー当日の様子については、会場での対話を通じ現場の課題や期待が共有されたことが報告されています。

オフィスアワーの目的
スタートアップが自治体や専門家と直接対話し、課題解決や共創につなげるための個別相談会。
当日の主な議題
みまもり イル!の事業進捗、UI/UX改善、IMUセンサーによる転倒予兆検知の開発状況、自治体との実装・実証の方向性。

技術の中身と転倒予兆検知へのアプローチ

製品のコアとなる技術は、位置情報取得用のGPSと、姿勢・動作解析のためのIMUセンサーを組み合わせる点にあります。IMUセンサーは慣性計測ユニットの略で、加速度センサーとジャイロ(加えて地磁気センサーを組み合わせる場合もある)から構成され、小型モジュールで歩行や姿勢の情報を高頻度に取得できます。

株式会社イルはこのIMUデータを解析し、転倒に至る前の動きの特徴を捉えることで「転倒予兆検知」を実現しようとしています。具体的には、歩行リズムの乱れ、急激な加速度変化、姿勢の急変などをAIや信号処理で検出し、介護者や見守りセンターへの通知を行う仕組みの開発を進めています。

  1. GPS:屋外での位置把握、徘徊対策に有効。
  2. IMU:リアルタイムの動作・姿勢推定に用いる。転倒前後の微細な動きの検知に対応。
  3. データ連携:自治体や介護事業者と連携して実証・運用を検討。

転倒予兆検知の技術的課題と検証項目

転倒予兆検知を実用化するためには、個人差を考慮した閾値設定、誤検知の低減、バッテリー寿命とデータ取得頻度のバランス、そして実環境での長期的検証が必要です。これらをクリアするために、現場での実証実験や自治体・介護事業者とのデータ連携が不可欠とされています。

株式会社イルはこれらの課題に対して段階的な検証計画を想定しており、取得したセンサーデータに基づくアルゴリズム改善、UI/UXの見直し、運用のためのデータ連携方式の検討を進めています。

今後の展開と会社概要の詳細

次のステップとして、株式会社イルは2025年9月に愛知県知多郡東浦町の「あいち健康プラザ」で開催予定の出張オフィスアワーに参加します。ここで、より具体的な実証環境の構築方法や自治体・介護施設とのデータ連携方式について検討を深める予定です。

企業側は自治体、介護事業者、地域住民との連携を通じ、転倒予兆検知や徘徊対策を含む新しい見守りモデルの構築を目指しています。代表取締役・山本裕晃氏は「自治体の皆さまと直接対話し、現場の課題や期待を伺えたことは大変有意義でした。私たちは“足元から安心をHACKする”をビジョンに掲げています。今回のオフィスアワーをきっかけに、転倒予兆検知や介護DXの実証をウェルネスバレーから広げ、地域と共に安心できる社会づくりを進めていきたいと考えています。」とコメントしています。

会社概要(株式会社イル)
商号 株式会社イル
所在地 〒491-0043 愛知県一宮市真清田1丁目3-3 桃花館 2A
代表者 代表取締役 山本 裕晃
設立 2023年2月
主な事業 「みまもり イル!」高齢者見守りGPSインソールの企画・開発・運用、STEAM教育向け製品の販売・サービス運用(桃花ラボ)
拠点情報 2024年10月に名古屋鶴舞にオープンしたSTATION Ai(日本最大級のオープンイノベーション拠点)に入居
URL https://www.in-iru.com/

この記事では、株式会社イルがウェルネスバレー関連のオフィスアワーに参加し、自治体と対話しながら製品開発や実証実験の方向性を検討した点、転倒予兆検知を目指す技術的な取り組み、そして今後の出張オフィスアワー参加計画など、プレスリリースに含まれる情報を整理して伝えた。

本記事の要点整理
発表日(報道) 2025年8月31日 23:50
イベント参加日 2025年8月29日(金) ウェルネスバレー推進協議会オフィスアワー
製品名 みまもり イル!(GPS内蔵インソール)
販売開始 2025年7月より
開発中の機能 IMUセンサーを用いた転倒予兆検知、UI/UX改善
今後の予定 2025年9月出張オフィスアワー(あいち健康プラザ)で実証環境・データ連携を検討
所在地/代表 愛知県一宮市/代表取締役 山本裕晃
関連URL https://www.iru-mimamori.com/

上記の表は本記事で言及した主要項目を整理したものである。自治体との対話内容や技術的な検証課題、今後の出張オフィスアワーでの議論を踏まえ、地域における見守り体制の実装に向けた具体的な検討が進められる見込みである。

参考リンク: