9月3日開幕|石川県ブースの“戦略的シンプル”とは
ベストカレンダー編集部
2025年8月31日 05:53
石川県ブース出展
開催期間:9月3日〜9月5日

石川県ブースが再び注目を集める理由:戦略的な“シンプル”の正体
スーパーペンギン株式会社(代表取締役:竹村尚久)がプロデュースする石川県の自治体集合ブースが、2025年9月3日(水)〜5日(金)に東京ビッグサイトで開催される「東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2025 第18回LIFE×DESIGN」(西展示棟3ホール/ブースNo. 西3-T31-01)に出展する。スーパーペンギンの独自手法「ペンギン・メソッド」により、初めて担当した2019年の実績では商談数が従来の3倍に拡大したという。
一見すると余白を多く残す白いシンプルな外観でありながら、会場内で模倣する出展者が続出するほどの集客力を持つ背景には、単なる“見た目”に留まらない設計思想がある。竹村は「空間デザインとはその場の空気を作り、その場にいる人の心理を作ること」と述べ、来場者心理を軸にしたブース構築を行っている。

「戦略的シンプル」が生む集客の仕掛け
石川県ブースが持つシンプルさは、目立つことを主目的にした派手な演出ではない。むしろ余白や見通しの良さ、出入口の設計などで「入ってみたい」という心理を誘発する設計がなされている。会場で“真似”された外観があっても、同じ効果が出ないのは心理設計や動線設計、キャッチコピーや接客メソッドなど全体の統合が揃っているかどうかに差があるためだ。
実際に当社は会期中に「ベストプレス賞」を受賞するなど評価を得ており、昨年の展示はYahoo!ニュースでも取り上げられている(参考記事リンクを下部に記載)。形を真似するだけでは効果が出ない点を強調しておきたい。

「ペンギン・メソッド」の中身:足を止め商談に結びつける5つの手法
「ペンギン・メソッド」は、見た目の良さだけでなく「どうすれば足を止めてもらえるか」「どうすれば商談につながるか」を、レイアウト、キャッチコピー、配布物、接客まで一貫して設計する空間デザイン思考に基づいた手法である。
以下はスーパーペンギンが自治体集合ブースに施す具体的な5つの対策であり、今回の石川県ブースにもすべて適用される。
- 対策その1:集客を徹底的に考えたブースデザイン
全体を囲いつつ複数箇所から出入り可能にすることで、敢えて内部を“隠す”要素を作り、来場者の好奇心を刺激する没入型空間を形成する。内部展示台は通路に背を向ける配置が採られ、中央カウンターで来場者を迎えることで警戒心を解く設計を行う。
- 対策その2:出展対策講座(セミナー)の開催
出展者の意識を変え、会期中の行動や展示の考え方を統一させるために、代表の竹村が「人を集めるブースの考え方・手法」を解説するセミナーを実施する。
- 対策その3:全出展者への個別相談会とディスプレイ指導
28社(うち新規8社)全員に対し、1社1時間の個別陳列指導を5日間で実施。モックアップ展示台を使って、希望する販路や客層、商品背景に合わせた陳列方法を具体的にアドバイスする。
- 対策その4:キャッチコピーの検討
会場で掲示するキャッチコピーは「瞬間に読めること」と「何を扱っているかが明確であること」を基準に竹村自らが作成する。多くの出展者が会社名のみを掲示する中で、来場者に分かりやすい表現を採用する点が集客上重要である。
- 対策その5:会期中の接客指導・陳列調整等
会場の人流や来場者の反応に応じて、立ち方・待ち方、商品配置の見直しを行う。現地での観察に基づく臨機応変なアドバイスが成功に直結する。

出展の構成と実務的な準備:出展企業・視察・セミナー情報
今年の石川県ブースは「LIFE×DESIGN」エリアの西3ホール(西3-T31-01)に出展する。出展企業は伝統工芸を中心とした合計28社で、新規参加8社を含む構成だ。能登半島地震からの復興に関する特別エリアも設置される。
プロジェクトに先立ち、スーパーペンギンは輪島・能登町の工房を現地視察しており、能登仁行和紙や升井彩本乾漆、ふくべ鍛冶の工房訪問を行っている。事前の現地理解を通じて、展示内容と物語性を会場で適切に伝える準備が進められている。

出展企業(敬称略)
以下が出展企業の一覧である。ギフトショー当日の出展物や商談対象はこれら各社の商品および工芸品が中心となる。
- 株式会社Design Store
- KOQ
- 株式会社北野陶寿堂
- 株式会社朝日電機製作所
- 有限会社シーブレーン
- 有限会社山崎又一商店
- 清峰堂株式会社
- 株式会社谷口
- 株式会社九谷陶泉
- 有限会社中出漆器店
- 友禅空間工房久恒
- 嶋田陶器株式会社
- 塗師屋いち松
- 升井彩本乾漆
- 株式会社ふくべ鍛冶
- 株式会社田谷漆器店
- 小山箸店
- 忠兵衛株式会社
- 株式会社かのりゅう
- 株式会社木村精工
- 森長電子株式会社
- 株式会社ヒロ
- 株式会社大島東太郎商店
- 有限会社瑾齋
- 九谷結窯
- 株式会社山崎麻織物工房
- 株式会社TSA
- 金箔ジュエリーGold-Knot

代表・竹村による会期中セミナー
会期初日の9月3日(水)11:00〜12:00に、西4ホール「商店建築ラウンジ」(西4-T43-02)で竹村が登壇する。セミナーのテーマは「展示会ブース集客の手法と店舗への応用」。展示会ブースで短期間に結果を出す「ビジネス系空間デザイン」の事例紹介と店舗での応用について解説する。
セミナーは出展者・業界関係者に向けて実践的なノウハウを伝える内容であり、参加によってブース運営や店舗設計に活かせる具体的な視点を得ることが想定される。

スーパーペンギン社の事業概要と参考情報
スーパーペンギン(SUPER PENGUIN 株式会社)は展示会ブースデザイン・プロデュースを主業務とする空間デザイン会社で、代表は竹村尚久。設立は2005年6月2日、本社は東京都品川区上大崎3-10-50 SEED花房山405。電話は03-6417-4497。
事業内容は展示会ブースデザイン・プロデュース、展示会集客セミナーの企画・開催。竹村は書籍『集客できる展示会ブースデザイン PENGUIN METHODと店舗への応用』を発刊しており、同メソッドの理論と実践が体系化されている。
- 商号
- SUPER PENGUIN 株式会社
- 代表者
- 代表取締役 竹村 尚久
- 設立
- 2005年6月2日
- 所在地
- 〒141-0021 東京都品川区上大崎3-10-50 SEED花房山405
- TEL
- 03-6417-4497
- 事業内容
- 展示会ブースデザイン・プロデュース、展示会集客セミナーの企画・開催
- 公式サイト
- https://www.superpenguin.jp/

要点の整理(表)
以下は本稿で扱った、今回の石川県ブース出展に関する主要事項を表で整理したものです。
項目 | 内容 |
---|---|
展示会名 | 東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2025 第18回LIFE×DESIGN |
会期 | 2025年9月3日(水)〜9月5日(金) |
会場/ブース | 東京ビッグサイト 西展示棟3ホール/ブースNo. 西3-T31-01(LIFE×DESIGNエリア) |
プロデュース | SUPER PENGUIN 株式会社(代表 竹村尚久) |
出展企業数 | 合計28社(うち新規8社) |
主要手法(ペンギン・メソッド) | ブースデザイン/出展対策セミナー/個別相談・ディスプレイ指導/キャッチコピー作成/会期中接客指導 |
会期中セミナー | 9月3日(水)11:00〜12:00 西4ホール 商店建築ラウンジ(西4-T43-02)「展示会ブース集客の手法と店舗への応用」講師:竹村尚久 |
問い合わせ先(スーパーペンギン) | 所在地:〒141-0021 東京都品川区上大崎3-10-50 SEED花房山405 TEL:03-6417-4497 公式サイト:https://www.superpenguin.jp/ |
参考リンク | ギフトショーHP:https://www.giftshow.co.jp/tigs/life18/ 出展参加者リスト(PDF):https://speakerdeck.com/superpenguin/giftshow2025-ishikawa-isico |
今回の石川県ブースは、単なる視覚的模倣では再現できない「来場者心理」を中心に据えた設計を特徴としている。デザイン、接客、事前指導、当日の運用までを統合的に実施することで短期の展示会期間における集客と商談成立の確度を高める取り組みが行われる。本稿は展示会開催情報およびスーパーペンギンの実務的施策を整理したものである。取材や掲載の相談については会場での直接対話が可能である旨も案内されている。
参考リンク: