バイオエックス、PLAでペット市場へ 資本提携の狙い
ベストカレンダー編集部
2025年8月31日 05:48
ペット向けPLA提携
開催日:8月30日
植物由来100%のPLA技術からペット市場へ――資本提携で目指す循環型製品群
バイオエックス株式会社(本社:滋賀県彦根市、代表取締役社長:吉田浩一)は、トウモロコシ由来のポリ乳酸樹脂「PLA」の耐熱性向上技術を開発し、医療系・離島向けに続いて、ペット市場参入を視野に入れた戦略的資本提携を行ったことを発表しました。発表は2025年8月30日 23時03分に行われています。
同社は2020年から150℃までの耐熱性を持たせるPLA技術の研究に着手し、2022年初頭に世界で初めて当該技術を活用した製品の試作品開発に成功したとしています。以降、この技術の知財化と石油由来製品のPLA代替を見据えたライセンスビジネスモデルを展開しています。
これまでの開発と適用事例
具体的には、2022年10月から日野精機株式会社と共同でハードカップ、ソフトカップの開発・製造に取り組み、2025年9月から10月に滋賀県で開催される第79回国民スポーツ大会・第24回全国障害者スポーツ大会の開会式・閉会式において、会場内で持ち込みが禁止されているPETボトルの代替容器として「100%PLA製容器」が採用されることが決定しています。
現在、両社で確立した製品化技術については特許申請中であり、同社調べによる試作成功の経緯や適用実績が示されています。
- 研究開始:2020年
- 試作品開発:2022年初頭(世界初の活用事例と同社表記)
- 共同開発:2022年10月より日野精機(株)とハードカップ、ソフトカップの開発・製造
- 採用予定:2025年9月~10月 第79回国民スポーツ大会・第24回全国障害者スポーツ大会にて100%PLA製容器を採用
ペット市場参入の枠組みと今回の資本提携の詳細
今回の提携は、1.8兆円規模とされるペット市場への参入を目的としています。対象はペット用の食器、玩具、動物病院で使用する医療器具など、日常的に使われる雑貨類が中心です。
バイオエックス株式会社は株式会社アニぴたる(本社:神戸市、代表:小澤智雄)の株式を取得し、資本提携を実施しました。具体的には当社がアニぴたるの株式の34.4%を取得し、これに伴いバイオエックス代表の吉田浩一がアニぴたるの取締役に就任しています。
資本提携のスキームと目的
資本提携の目的は、100%植物由来、特にサトウキビ由来のPLAを用いた製品をペット市場向けに展開することです。ペットは家族の一員という観点から、誤飲や体内残留があった場合でも健康に影響を及ぼさない素材設計と製造を目指しています。
提携により、アニぴたるが保有する流通チャネルや動物病院との関係性を活かし、PLA製品のブランド化と市場導入を加速させる方針です。
- 取得株式比率
- アニぴたる株式の34.4%取得(本発表の数値)
- 取締役就任
- 吉田浩一(バイオエックス代表)がアニぴたるの取締役に就任
製品設計と安全性の考え方、想定される商品群
アニぴたると提携して開発する製品は、動物病院で使用される医療器具やペット用食器、玩具等の日常雑貨で、アニぴたる独自のブランド化を図ります。重要な前提は、誤って口に入れてしまった場合や体内に残留した場合でも健康に影響がないことです。
これにより、ペットの健康維持・向上に貢献するだけでなく、マイクロプラスチック問題への対応や生分解性素材の普及を通じた環境負荷低減も図ります。
想定商品と特徴
- 動物病院用医療器具(植物由来100% PLA)
- ペット用食器(耐熱性を確保したPLA)
- 玩具・日常雑貨(誤飲・体内残留の安全性配慮)
これらの製品は、PLAの原料としてサトウキビの搾りかすを活用する計画も含まれており、輸入原料に依存しない国産原料の活用を目指す取り組みと連携しています。
なお、製品化技術については引き続き特許申請中であり、知財を中心としたライセンス提供やBtoBでの事業展開も視野に入れています。
関連提携先、会社概要、連絡先と整理
今回の発表では、バイオエックスが行ってきた一連の提携が示されています。第二弾として医療関連製品を目指した株式会社エフアールエフジャパンとの資本提携(2025年8月18日実施)、第三弾としてサトウキビ搾りかすを資源にした雑貨や食器の開発を目指す株式会社TARGET JAMMとの資本提携(2025年8月25日実施)などが紹介されています。
今回の第四弾は株式会社アニぴたるとの資本提携であり、これら一連の提携を通じて資源循環型経済社会の構築を目指すとしており、地域活性化やカーボンニュートラルの取り組みとも連携する方針です。
両社の会社概要(プレスリリース記載のまま)
以下にプレスリリースに記載された両社の主要情報を示します。表記は原文に従っています。
会社名 | 所在地 | 資本金 | 発行済株式数 | 株主等 | 代表者 |
---|---|---|---|---|---|
バイオエックス株式会社 | 〒522-0032 滋賀県彦根市芹町9-10 | 1,000万円 | 100,000株 | 吉田浩一65,6%・(株)FRFJapan 34.4% | 吉田浩一 |
株式会社アニぴたる | 神戸市東灘区御影3-2-11 | 999万円 | 9,990株 | (株)Getti Medico40%・バイオエックス(株)34.3%・(株)ネコのたみ15%・(株)エンリッチジャパン10%・小澤智雄0.5% | 代表取締役 小澤智雄 |
上表にあるように、プレスリリース文中ではバイオエックスによるアニぴたる株式取得比率が34.4%とされる一方、アニぴたるの株主構成表記ではバイオエックスの保有が34.3%と記載されています。いずれの数値も原文の記載に基づき掲載しています。
連絡先と補足情報
プレスリリースにおける問い合わせ先は以下の通りです。所在地や連絡先は原文に基づき記載します。
- 問い合わせ先
- バイオエックス株式会社 吉田浩一
- 電話
- 050-7116-8307
- 携帯電話
- 090-8885-5626
- 住所
- 〒522-0032 滋賀県彦根市芹町9-10
- yoshida@bio-x.jp
- URL
- https://www.bio-x.jp/
注釈として、プレスリリース内の説明は以下の通りです。*1はポリ乳酸の定義、*2は当社調べの試作成功に関する注記です。
- *1
- ポリ乳酸とはトウモロコシの非可食部分や、サトウキビの搾りかすから作られる生分解性樹脂で、PLAはPoly Lactic Acidの略です。
- *2
- 当社調べ
本リリースはペット・ペット用品および環境・エコ・リサイクル分野に関する経営情報と位置づけられており、キーワードとしてマイクロプラスチック、PLA樹脂、業務提携、インバウンド、植物由来プラスチック、輸出、生分解性樹脂、リサイクル、カーボンニュートラル、地域活性化が挙げられています。
要点の整理(表)と締めくくりのまとめ
以下の表に、本記事で取り上げた主要な事実と数値を整理して示します。表はプレスリリースの記載内容を忠実に反映しています。
項目 | 内容 |
---|---|
発表日 | 2025年8月30日 23時03分(バイオエックス発表) |
主題 | ペット市場向け植物由来100%PLA製品展開を視野にした資本提携 |
提携先(第四弾) | 株式会社アニぴたる(本社:神戸市、代表:小澤智雄) |
取得株式比率(発表) | 34.4%(バイオエックスによる取得と記載) |
アニぴたる株主構成(表記) | (株)Getti Medico40%・バイオエックス(株)34.3%・(株)ネコのたみ15%・(株)エンリッチジャパン10%・小澤智雄0.5% |
バイオエックスの既往の取り組み | 2020年からPLA耐熱性研究、2022年試作成功、日野精機との共同開発、医療関連企業やTARGET JAMMとの資本提携 |
採用予定のイベント | 第79回国民スポーツ大会・第24回全国障害者スポーツ大会(滋賀県、2025年9月~10月)で100%PLA製容器を採用予定 |
問い合わせ | バイオエックス株式会社 吉田浩一 TEL 050-7116-8307 携帯 090-8885-5626 Email yoshida@bio-x.jp |
以上がプレスリリースの主要な内容とその整理です。本発表はPLA技術の事業化と各分野への横展開を示すものであり、医療用製品や地域資源を活用した国産原料の採用など、環境負荷低減や資源循環に配慮した事業展開を目指す点が強調されています。報道関係者向けの連絡先や詳細は本文記載の連絡先およびURLをご参照ください。
参考リンク: