日本初の近視進行抑制ワンデー『マイサイト ワンデー』承認

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開催日:8月19日

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子どもでも使えるの?
はい。厚生労働省で承認され、小児からの使用が明記されています。ただし必ず眼科での検査・処方と定期的な経過観察が必要で、専門医の管理下で使われます。
いつ買えるの?
現時点では出荷開始日が調整中で未定です。製造販売承認日は2025-08-19で、販売はオンライン講習を受けた眼科医の処方と認定施設で行われる予定。決定次第案内されます。

小児近視に向けた日本初の1日使い捨てソフトコンタクトレンズが承認

クーパービジョン・ジャパン株式会社は、近視の視力補正および進行抑制を目的としたソフトコンタクトレンズ「マイサイト ワンデー(MiSight® 1 day)」(販売名:マイサイト ワンデー、承認番号:30700BZX00189000)が、2025年8月19日付で日本国内における医療機器製造販売承認を取得したと2025年8月29日に発表しました。本製品は、日本で初めて近視進行抑制の臨床的効果が認められたワンデーコンタクトレンズであり、小児から使用できることが明記されています。

発表文には、外箱デザインが変更される場合がある旨の注意書きが含まれており、出荷開始日は現在調整中で、決定次第改めて案内されるとしています。承認情報、製品名、承認番号、製造販売承認日などの基本データは正式に提示されています。

レンズの構造と治療メカニズム:ActivControl®テクノロジー

「マイサイト ワンデー」は、独自のActivControl®テクノロジーを採用し、複数の治療ゾーンと補正ゾーンを組み込んだ設計を特徴とします。治療ゾーンが網膜の前方に焦点を合わせることで眼軸長の伸びを抑制し、補正ゾーンで近視の屈折矯正を行います。この光学設計により、眼軸長の伸びと屈折異常の両方にアプローチすることが意図されています。

同製品は、近視進行抑制を適応として米国食品医薬品局(FDA)で最初に承認されたワンデーコンタクトレンズであり、世界規模で長期の臨床研究を継続しています。設計面の特性は使用者の年齢やライフスタイルに応じた注意点とともに、眼科専門医の管理下で使われることが前提です。

主な設計上の特徴

以下は本製品の設計ポイントと意図する効果を整理したものです。日常の装用と治療目的を両立させるための光学的工夫が盛り込まれています。

  • ActivControl®テクノロジー:複数の治療ゾーンと補正ゾーンを組み合わせ、眼軸長の伸びを抑える光学的効果を目指す。
  • 二重の治療ゾーン:網膜の前方に焦点を合わせることで周辺視機能に影響を与え、軸長伸長の抑制を狙う。
  • 日常使用に合わせた1日使い捨てタイプ:終日装用の使い捨て設計で衛生管理を容易にする。

臨床エビデンスの詳細

公表されたデータによると、世界2,300人以上の小児を対象とした研究に基づく長期データが存在し、近視進行抑制における持続的な有効性が示されています。臨床研究は7年以上にわたり継続しており、複数の査読論文や臨床試験報告を根拠としています。

代表的な3年間のランダム化臨床試験の結果では、マイサイト ワンデーを装用した子どもたちは、単焦点の1日使い捨てコンタクトレンズを装用した群と比較して、1年間の平均で近視進行を69%抑制し、3年間の平均で59%抑制したと報告されています(他覚的屈折度数の比較データ)。これは治療効果の持続性を示す重要なデータです。

臨床項目 結果
試験対象規模 世界で2,300人以上の小児からのデータ
研究継続期間 7年以上の長期研究(継続中)
3年ランダム化試験 1年平均で近視進行を69%抑制、3年平均で59%抑制(他覚的屈折度数比較)

処方・販売体制と使用上の条件

本製品は、所定のオンラインプログラムを受講した眼科専門医による処方を通じて、取り扱い認定を受けた施設および販売店で販売される予定です。医師による検査・処方を受け、適用対象であることを確認する必要がある点が明確に示されています。

販売・流通に関しては、出荷開始日の調整が継続中であり、決定次第改めて案内されるとされています。販売は医療機器としての適切な管理下で行われ、患者毎の状態に応じた評価とモニタリングが前提となります。

処方と販売の流れ

処方に際しては、眼科専門医の診察と適合判定が必要です。所定のオンラインプログラムの受講で処方資格を得た医師が関与する体制が整備されます。

販売は認定を受けた施設や販売店限定で行われ、装用後の経過観察や定期検査が行われることが想定されています。使用にあたっては、医師の指示に従い定期的な眼科検診を受けることが求められます。

使用方法と注意点

製品は終日装用の1日使い捨てソフトコンタクトレンズとして設計されています。日々の衛生管理や装用時間の管理は、従来の1日使い捨てレンズと同様に重要です。

製品に関する注記として、発表文中には以下の表示があります。
* 医師による検査・処方を受け、適用対象であることを確認する必要があります。
** 他覚的屈折度数の比較データ(臨床試験結果の表記に関する注記)。

クーパービジョンとCooperCompaniesの役割と背景

クーパービジョンはCooperCompaniesの一部門であり、世界有数のコンタクトレンズメーカーとして知られています。クーパービジョン・ジャパンは2005年にソフトコンタクトレンズ事業を開始し、日本市場において製品とサービスを提供してきました。近視進行抑制の領域では、長期にわたる大規模な臨床研究に基づく取り組みを継続しています。

CooperCompaniesはCooperVision社とCooperSurgical社の2事業部門を通じて運営され、コンタクトレンズ分野と女性のヘルスケア分野で事業を展開しています。Cooperは世界130か国以上で製品を販売し、15,000人を超える従業員を有するとされています(社内資料、2024年)。

項目 内容
製品名(販売名) マイサイト ワンデー(MiSight® 1 day)
承認番号 30700BZX00189000
製造販売承認日 2025年8月19日
使用目的・効果 近視の視力補正及び進行抑制
使用方法 終日装用、1日使い捨てソフトコンタクトレンズ
製造販売元 クーパービジョン・ジャパン株式会社
処方・販売 所定のオンラインプログラムを受講した眼科専門医による処方、認定施設・販売店で販売
臨床根拠 世界2,300人以上の小児データ、3年ランダム化試験での有効性(1年平均69%、3年平均59%の近視進行抑制)
出荷開始日 調整中(決定次第案内)

本記事は、クーパービジョン・ジャパン株式会社が公表したプレスリリースの内容を基に、製品の承認情報、技術的特徴、臨床データ、処方・販売体制、企業の背景情報を整理して提供しました。詳細情報や最新の案内は、クーパービジョンの公式ウェブサイト(https://coopervision.jp/)および医療機関での案内を参照してください。

参考文献・出典
1. Holden BA, Global Prevalence of Myopia and High Myopia and Temporal Trends from 2000 through 2050. Ophthalmology. 2016 May; 123(5): 1036-1042
2. Yotsukura E et al. Current prevalence of myopia and association of myopia with environmental factors among schoolchildren in Japan. JAMA Ophthalmol. 2019;137(11):1233-9.
3. Morgan IG et al. IMI Risk Factors for Myopia. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2021 Apr 28;62(5):3.
4. Haarman A et al, The Complications of Myopia: A Review and Meta-Analysis. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2020;61(4):49
5. Flitcroft DI. The complex interactions of retinal, optical and environmental factors in myopia aetiology. Prog Retin Eye Res. 2012 Nov;31(6):622-60.
6. Chamberlain P et al. A 3-year Randomized Clinical Trial of MiSight Lenses for Myopia Control. Optom Vis Sci. 2019; 96(8):556-567.

参考リンク: