KGモーターズ、3.6億円調達でmibotを12月末納車へ

シリーズA追加調達完了

開催日:12月31日

シリーズA追加調達完了
mibotっていつ買えるの?
公式発表では2025年12月末から初期ロットの納車を順次開始予定。販売やリース網は参画企業と整備され、地域や法人向けの導入はパートナー経由で案内される見込み。詳細は今後告知される。
今回の資金調達で何が変わるの?
3.6億円の追加調達で量産向けの設備投資や初期ロットの部材調達、品質管理、マーケティングに投資。参画事業会社との協業で販路拡大やアフター体制を整備し、実運用フェーズに移行する狙いだ。

KGモーターズがシリーズAの追加調達を完了し、量産フェーズへ移行

KGモーターズ株式会社は、2025年8月29日付の発表において、シリーズAラウンドで新たに3.6億円の追加調達を実施し、シリーズA総額が17.5億円に達したことを明らかにしました。これにより累計調達額は23.8億円となり、量産と事業連携を本格化させるための資金基盤が一段と強化されました。

発表の日時は2025年8月29日10時00分。代表取締役CEOは楠一成氏が務め、今回の調達はmibotの量産後の事業展開を見据えた事業会社やCVC、地域系および成長支援に強みを持つ投資家の参画を得て実施されています。

KGモーターズ、豊田合成・みずほリースCVCなどから3.6億円の追加調達を実施しシリーズA総額17.5億円で完了 画像 2

調達の要点と数値

今回の追加調達額は3.6億円で、シリーズAの総額は17.5億円、累計調達額は23.8億円となりました。この資金はmibotの初期ロット量産・設備投資・品質管理など、量産体制の整備に充てられます。

出資者構成は新規出資者と既存株主による追加出資の組み合わせで、事業会社による戦略的なパートナーシップ強化が特徴です。以下に出資者の一覧を示します。

  • 新規出資者:豊田合成株式会社、未来創造キャピタル株式会社(みずほリースCVC運営会社)、鈴与商事株式会社、株式会社日本海ラボ、ひろぎんキャピタルパートナーズ株式会社、株式会社YMFGキャピタル、スパークル株式会社
  • 既存株主(追加出資):ちゅうぎんキャピタルパートナーズ株式会社
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参画企業の役割と各社のコメント

今回のラウンドでは、事業会社やCVCが戦略的に参画しており、量産後の共同開発や販路拡大、サービス網の構築において相互補完が期待されます。参画企業のコメントから、期待している役割や支援姿勢が読み取れます。

以下は各社からの代表的なコメントを整理したものです。コメントは出資先としての期待や、自社の強みをどのように活かすかについて触れています。

豊田合成株式会社(新価値創造部 ベンチャー投資企画室 CVCキャピタリスト 村松実希子氏)
豊田合成は未来のモビリティ社会へ貢献することを中長期目標としており、KGモーターズの知見と当社の技術が融合することで「安心・安全」な移動を実現し、地域課題の解決に寄与すると期待しています。
未来創造キャピタル株式会社(みずほリースCVC 運営会社 代表取締役 松山敏彦氏)
みずほリースグループは、mibotが安全性と快適性を適正価格で両立するプロダクトであり、持続可能な地域交通の移動手段として重要な役割を担うと確信しています。経営陣のチャレンジをグループの総力でサポートする姿勢を示しています。
鈴与商事株式会社(取締役 佐野博紀氏)
鈴与商事はmibotをMaaSソリューションの一要素として活用する意向を示し、地域社会の移動課題に対する新たな解決策として期待を寄せています。
株式会社日本海ラボ(代表取締役社長 新田洋太朗氏)
日本海ラボはmibotのシンプルな車両構造、手に取りやすい価格、パーソナルな移動体験に期待し、地方都市での日常の移動やレジャー用途での支持を見込んでいます。早期の量産・デリバリー・普及に向けて支援する意向です。
ひろぎんキャピタルパートナーズ株式会社(代表取締役 増井慶太郎氏)
地域発スタートアップの成長支援を通じて、KGモーターズの展開が地域の移動手段改善や脱炭素に資すると判断し、出資を行ったと述べています。
株式会社YMFGキャピタル(シニアマネージャー 平原遼氏)
mibotが地方における移動課題の切り口となり得る点に共感を示し、将来的なライフスタイル変革の主軸となる可能性に期待しています。
スパークル株式会社(グロース担当 小野潤一郎氏)
toCだけでなくtoB利用でもモビリティ環境をアップデートする存在になると確信しており、日本発ハードウェアスタートアップの成長を期待しています。
株式会社ちゅうぎんキャピタルパートナーズ(取締役 投資部長 石元玲氏)
ちゅうぎんキャピタルパートナーズは今回で3回目の出資となり、量産後を見据えて金融機関や事業会社との協議が可能なフェーズに到達したことを評価しています。KGモーターズの挑戦が将来に残る意義を持つと信じている旨を表明しています。
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資金使途と量産・市場展開の具体計画

追加調達資金はmibotの量産に直結する項目に充当されます。具体的には初期ロットの量産試作・部材調達、量産のための設備投資、生産体制および品質管理体制の整備、マーケティングおよびブランド認知拡大施策に使われます。

加えて、参画した事業会社やCVCとの連携を通じて、量産後の市場展開を見据えた協業基盤を構築することが明記されています。共同開発、販路・サービス網の拡充、アフターサービス体制の整備など、実運用を見越した取り組みが想定されています。

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量産スケジュールと納車計画

KGモーターズは、今回の資金調達を受けてmibotの量産を進め、2025年12月末より初期ロットの納車を順次開始することを目標に掲げています。量産後は参画事業会社との協業を本格化させ、販売・リース網の拡大やアフターサポート体制の強化を図る予定です。

さらに、今回参画していない企業や投資機関との新たな連携も模索し、持続可能なモビリティ社会の実現に向けた事業推進を継続する方針です。

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mibotの特徴とKGモーターズの事業体制

mibotは1人乗りの超小型EVとして設計されたモビリティロボットで、レトロかつ未来的なデザイン、高い安全性、ドア・エアコン付きの快適性、維持コストの低さを兼ね備えています。また、ソフトウェアで機能や体験を進化させるSDV(ソフトウェア定義車両)設計を採用しており、エネルギー効率に優れ環境負荷を抑える点が特徴です。

KGモーターズの本社は広島県東広島市にあり、代表取締役CEOは楠一成氏です。2022年7月の設立以来、小型モビリティロボットの製造・販売およびMaaS事業に注力してきました。現在は事業開発、車体開発、ソフトウェア、品質保証、調達、生産管理などで中核メンバーの採用を強化しています。

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主要スペック

mibotの主要な性能・スペックは以下のとおりです。性能値は公表されているテスト条件に基づく値が含まれます。

項目
最高速度 60km/h
航続距離 100km(30km/h定地走行テスト値)
充電規格 J1772 / AC100-200V
乗車定員 1名

上記スペックに加え、ソフトウェアアップデートで機能を拡張できるSDV設計により、発売後もユーザー体験の向上が見込まれます。

会社情報の要点は以下の通りです。公式ウェブサイトはhttps://kg-m.jp/ です。

社名
KGモーターズ株式会社
本社所在地
広島県東広島市西大沢2-2-9
代表取締役CEO
楠一成
事業内容
小型モビリティロボットの製造・販売、MaaS事業
設立
2022年7月
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本記事の要点整理

以下の表は、本記事で取り上げた調達に関する主要情報を整理したものです。数値や期日、出資者等を含めて一目で確認できます。

項目 内容
発表日 2025年8月29日 10時00分
今回の追加調達額 3.6億円
シリーズA総額 17.5億円
累計調達額 23.8億円
主な新規出資者 豊田合成、未来創造キャピタル(みずほリースCVC)、鈴与商事、日本海ラボ、ひろぎんキャピタルパートナーズ、YMFGキャピタル、スパークル
既存株主の追加出資 ちゅうぎんキャピタルパートナーズ
資金使途 初期ロット量産試作・部材調達、設備投資、生産・品質管理整備、マーケティング、事業会社との協業基盤構築
量産・納車目標 2025年12月末より初期ロットの納車を順次開始
mibot主要スペック 最高速度60km/h、航続距離100km(30km/h定地走行)、充電規格J1772/AC100-200V、乗車定員1名
会社所在地・代表 広島県東広島市、代表取締役CEO 楠一成、設立2022年7月

本件は資金面の強化にとどまらず、事業会社との協業を通じた販路・サービス基盤の整備、地域ネットワークや成長支援ノウハウの活用を通じて、mibotの量産後の市場展開をより確実かつ広範に推進する体制が整ったことを示しています。指摘された数値・出資者・スケジュールについては、発表内容に基づく事実として整理しました。