9月6日配信開始『ぼくのお日さま』FODで独占配信

田舎町のスケートリンクでほどける三つの心

吃音を抱える小学6年生のタクヤ、氷上で輝く少女さくら、彼らを見守るコーチ荒川──映画『ぼくのお日さま』は、田舎街のスケートリンクという限られた場所を舞台に、三者の関係が少しずつほどけていく過程を丁寧に描いた作品である。物語は雪が降りはじめる冬から雪が溶ける春までの季節の移ろいとともに進行し、淡く切ない感情が映像の中で育まれていく。

本作の主人公たちは、それぞれに不安や過去を抱えながら氷の上で自分を表現しようとする。吃音に悩むタクヤが偶然目にしたフィギュアスケートの世界、さくらの静かな表情、そしてかつて選手だった荒川の複雑な背景が交差することで、静かながら確かなドラマが生まれる。観客は華やかな大会の劇的な瞬間ではなく、日々の繰り返しと温度の低い空気の中で育つ関係性に向き合うことになる。

登場人物と演じるキャスト

物語を牽引する主要登場人物と、その配役について具体的に触れる。各俳優は本作で氷上の所作と繊細な表現を同時に求められ、演技の幅が問われる役どころを担っている。

演者のうち越山敬達は映画初主演でタクヤを演じ、中西希亜良は本作が演技デビュー作ながらさくらを演じる。荒川を演じるのは実力派の池松壮亮で、彼らを取り巻くキャストとして若葉竜也、潤浩、山田真歩らが名を連ねる。

タクヤ（越山敬達）

小学6年生。吃音があり、学校では夏は野球、冬はアイスホッケーに参加するが、アイスホッケーが苦手でケガをきっかけにフィギュアスケートと出会う。

さくら（中西希亜良）

氷上での佇まいが印象的な少女。月の光に合わせて滑るその姿にタクヤは心を奪われる。演技が本作デビュー。

荒川（池松壮亮）

地元でスケートを教えるコーチ。元フィギュアスケート男子選手で、東京時代に選手の夢を諦め恋人のいる地元へ移ってきた過去を持つ。

そのほかの出演

若葉竜也、潤浩、山田真歩、他。

以上のキャスト陣が氷の上で織りなす物語は、演技経験の有無を超えて、身体表現と内面の変化が重なり合う構造になっている。

奥山大史監督の作家性と国際的評価

本作の監督は奥山大史。彼は『僕はイエス様が嫌い』で第66回サンセバスチャン国際映画祭・最優秀新人監督賞を史上最年少で受賞した実績を持ち、本作『ぼくのお日さま』でもその独自の視点と映像世界が注目されている。第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品されたことも発表されており、国際的な評価を得ている作品である。

奥山監督は本作で監督・撮影・脚本・編集を兼任しており、映像表現における統一された美学が画面全体に反映されている。雪の光、氷の反射、そして人影の柔らかさが、監督の手によってひとつの詩的な世界として結晶している。

受賞歴と国際映画祭での出品

本作に関係する主な国際的評価を明記する。作品と監督の評価が国内外でどのように受け止められているかを示す指標である。

具体的には、第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門 正式出品作品であり、監督の奥山大史は過去作により第66回サンセバスチャン国際映画祭で最優秀新人監督賞を受賞している。これらの評価は、本作の芸術性と作家性が国際基準でも通用することを示している。

• 第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門 正式出品
• 第66回サンセバスチャン国際映画祭 最優秀新人監督賞（奥山大史、過去作による受賞）

なお、本作は2023年の冬と春に北海道各地で撮影され、雪のある季節の開始から融けるまでの移ろいが映像の主題と重なっている。

制作スタッフと音楽、撮影地の詳細

映画の制作陣と音楽面についての情報を整理する。制作クレジットは作品の性格を理解する上で重要な手がかりとなる。

本作のスタッフ情報は次の通りで、特に音楽面ではハンバート ハンバートによる主題歌と、佐藤良成（ハンバート ハンバート）による音楽が作品のトーンを支えている。

撮影は2023年の冬と春に北海道で行われ、雪のある風景や雪解けの表情が物語の時間経過と密接に結びつくよう計画されている。雪の光や氷の表情は、奥山監督の映像美によって丁寧に切り取られている。

著作権表記は本作が（C）2024「ぼくのお日さま」製作委員会／COMME DES CINÉMAS であることが明記されている。

FODにおける独占配信の詳細と視聴方法

フジテレビが運営する動画配信サービス「FOD」にて、本作『ぼくのお日さま』が9月6日（土）0時より独占配信されることが決定した。配信開始日時は日本時間での表記であり、FOD独占配信として配信ページが案内されている。

配信ページのURLは次のとおりで、配信開始以降はこちらから視聴が可能である。

配信ページのURL: https://fod.fujitv.co.jp/title/10bz

FODのサービス概要と利用形態

FODはフジテレビが運営する公式の動画・電子書籍配信サービスで、複数の利用プランがある。作品の独占配信や見逃し配信、電子書籍のラインナップなどを合わせて提供している。

サービスの主要な仕様は下記のとおりである。視聴環境や料金体系を確認した上で利用を検討することが可能である。

FODプレミアム

月額 976円（税込）でドラマ・アニメ・バラエティ・映画など100,000本以上の対象作品が見放題。200誌以上の雑誌が読み放題、電子書籍は700,000冊以上のラインナップ。

FOD 見逃し無料

会員登録不要で、人気テレビ番組の放送後に期間限定で配信される無料のサービス。気軽に利用できる仕組み。

『ぼくのお日さま』はFODでの独占配信タイトルであり、配信開始日以降は上記のURLから視聴できる。FODプレミアム加入者は同サービスの見放題対象で視聴できる可能性があるため、利用条件と配信形式を配信ページで確認することが推奨される。

映画の見どころ、表現と音楽が紡ぐ時間

本作の見どころは、フィギュアスケートという競技的側面よりも、氷上での身体表現を通して人間関係が再編される過程にある。タクヤとさくらの間に生まれる淡い感情、荒川の過去と現在の間で揺れる心情が、氷の上での動きや季節の変化に同期して表現される。

音楽は作品のトーンを決定づける要素で、ハンバート ハンバートの楽曲と佐藤良成による音楽が、画面に流れる時間の密度を高めている。氷を踏む音、息遣い、薄く響く旋律が重なり合い、観客は静かな緊張と安心を同時に感じる構造となっている。

• 氷上での繊細な所作と身体表現
• 雪の季節から雪解けまでの時間の流れ
• ハンバート ハンバートによる主題歌と佐藤良成の音楽が作る情感
• 若手キャストの演技デビューや初主演など、俳優陣の新たな一面

これらの要素が組み合わさることで、奥山監督ならではの柔らかく美しい映像世界が完成している。派手な出来事は少ないものの、日常の細部に宿る感情の機微を繊細にすくい上げる作品である。

以下に本記事で取り上げた主要な情報を表形式で整理する。

上表は本作の配信開始日時、スタッフ・キャスト、撮影情報、配信プラットフォームとサービス内容をまとめたものだ。FODでの独占配信は2025年9月6日0時から開始されるため、興味のある方は配信ページで視聴条件や配信形式を確認するとよい。