YAMAPが衛星通信対応、9/20上高地で体験イベント
ベストカレンダー編集部
2025年8月29日 05:46
安心登山ターミナル
開催期間:9月20日〜9月22日

山中でも通信が可能に──YAMAPが「au Starlink Direct」に対応
登山アプリYAMAPを運営する株式会社ヤマップは、KDDIが提供する衛星とスマートフォンの直接通信サービス「au Starlink Direct」に対応したことを、2025年8月28日13時00分の発表で明らかにしました。これにより、従来は圏外で通信が途切れていた山間部や見通しの良い屋外で、空が見える場所であればデータ通信が可能になります。
発表はKDDI本社で行われ、ヤマップ代表取締役CEOの春山慶彦氏が説明しました。2025年8月28日現在、Starlink Directによるデータ通信は一部の対応アプリケーションおよびAndroid端末で利用できる特別な機能であり、YAMAPはその対応アプリの一つとして、メッセージ機能に加えてデータ通信の活用を開始します。

発表の要点と技術的背景
KDDIによると、auの従来の人口カバー率は99.9%を超えるものの、日本の地形特性により面積カバー率は約60%に留まっています。「au Starlink Direct」は残りのおよそ40%を含めた日本全土での通信を可能にすることを目指すサービスで、山間部や離島といった整備が難しいエリアでの利用に期待が寄せられています。
また、本サービスはau回線利用者だけでなく他社回線を契約中のユーザーも利用可能とされ、GoogleのAIアシスタントGeminiに相談できる点も技術面の特徴として挙げられました。なお、2025年8月28日現在の対応状況はKDDI調べに基づくもので、対応端末やアプリケーションは限定的です。
- 発表日:2025年8月28日 13:00
- 発表場所:KDDI本社
- 対応端末:一部のAndroid端末(2025年8月28日時点)
- 対応アプリ:YAMAPを含む一部アプリケーション

「みまもり機能」が受ける変化と安全性の向上
YAMAPが提供する「みまもり機能(特許登録済)」は、2019年7月に提供開始された家族や友人と位置情報を共有する仕組みです。今回の「au Starlink Direct」対応により、圏外エリアでの位置情報送信頻度が大幅に向上することで、位置情報の取得精度と共有性が改善されます。
位置情報がYAMAPのサーバーへ送信される頻度が最大化されることで、登山者の現在地把握がより確実になり、遭難時の早期発見や救助対応の迅速化が期待されます。特に、従来は共有が難しかった圏外での情報送受信が可能になる点は、安全面での大きな前進です。
- みまもりネットワークの仕組み
- オンラインのYAMAPユーザー間でBluetooth通信を活用し、位置情報を交換することでオフライン環境でも位置情報を蓄積・共有するシステムです。オンラインユーザーの増加により、ネットワーク全体の精度が向上します。
- グループ位置共有機能
- 複数人で相互に位置を共有する機能で、au Starlink Directにより圏外でも共有機会が増え、遭難時の現在地把握に資する可能性が高まります。
この仕組みは、遭難時における位置情報特定の精度向上に寄与するだけでなく、普段の行動記録や現地での写真共有にも効果を発揮します。YAMAP上の活動日記やモーメント機能を通じて、現場の最新状況を即座にアップロードできるようになる点も重要です。

利用上のポイント、制約、体験イベント情報
「au Starlink Direct」による衛星経由のデータ通信は、利便性を大きく向上させますが、いくつかの注意点があります。衛星の状況によりテキストメッセージの送受信に時間がかかる場合や接続が不安定になるケースがあり得るため、緊急時の運用方法やバックアップ手段の確認が必要です。
また、2025年8月28日現在の仕様として、データ通信機能は限定された対応アプリとAndroid端末で提供されています。対応範囲や動作の安定性は今後の拡大が見込まれるものの、利用前に最新の対応状況を確認することが推奨されます。
- 対応状況の確認:KDDI側の対応ページやYAMAPの公式案内を確認してください。
https://www.au.com/mobile/service/starlink-direct/ - 接続の特性:衛星の可視性(空が見えること)が必要で、テキストや写真の送受信に遅延が生じる場合があります。
- 他社回線ユーザーの利用:au回線以外を契約するユーザーも利用可能とされていますが、詳細は事前確認が必要です。
この対応をより多くの登山者が体験できるよう、ヤマップは2025年9月20日から22日の3日間、長野県松本市の上高地で「安心登山ターミナル(仮称)」と題した体験イベントを開催予定です。イベントの詳細はYAMAPの公式SNS等で改めて案内されます。

YAMAPのサービスと会社概要
YAMAPはスマートフォンのGPSで現在地と登山ルートが表示できる登山・アウトドア向けプラットフォームで、山行の軌跡や写真を記録する活動日記、山の情報収集、全国の登山者との交流など多様な機能を提供しています。2025年8月に累計520万ダウンロードを突破しています(出典:App Apeによる2024年10月調査)。
ヤマップの事業はアプリ運営に留まらず、アウトドア用品のオンラインストアや保険販売、メディア運営、ふるさと納税ポータル、コンテンツ開発・コンサルティングなど多岐にわたります。以下に主要サービスと会社情報を整理します。
- 主要サービス
- 登山・アウトドア向けWEBサービス・スマートフォンアプリ「YAMAP」
- 登山・アウトドア用品セレクトオンラインストア「YAMAP STORE」
- 「YAMAPアウトドア保険」の販売
- メディア「YAMAP MAGAZINE」
- 自然特化型ふるさと納税ポータル「YAMAPふるさと納税」
- 山・自然を活用したコンテンツ開発・コンサルティング・プロモーション 等
- 会社概要
- 会社名
- 株式会社ヤマップ
- 本社所在地
- 福岡市博多区博多駅前3-23-20 博多AGビル6F
- 資本金(資本準備金含む)
- 1億円
- 公式URL
- https://yamap.com/
項目 | 内容 |
---|---|
発表日時 | 2025年8月28日 13時00分 |
発表者 | 株式会社ヤマップ 代表取締役CEO 春山慶彦 |
対応サービス | au Starlink Direct(KDDIの衛星とスマホの直接通信)にYAMAPが対応 |
対応状況(2025/8/28時点) | 一部対応アプリケーションかつAndroid端末でデータ通信が可能 |
YAMAPの該当機能 | みまもり機能(特許登録済)、みまもりネットワーク、グループ位置共有、活動日記・モーメントの共有 |
体験イベント | 「安心登山ターミナル(仮称)」上高地会場:2025年9月20日〜22日(詳細はYAMAP公式SNSで案内) |
注意事項 | 衛星状況による遅延や接続不安定の可能性あり。対応端末・アプリは限定的。最新情報は公式で確認 |
関連URL | https://www.au.com/brand/tsunagu/starlink/ https://yamap.com/ |
会社 | 株式会社ヤマップ(本社:福岡市博多区) 資本金:1億円 |
以上が今回の発表で示された主な内容の整理です。本件により、空が見える場所であれば従来の圏外エリアでも位置情報の送受信や活動記録の共有が可能となることで、登山者の安全管理や情報共有のあり方に変化が生じる点を押さえておくことが重要です。
参考リンク: