サウジと日本が観光協力を強化 万博で戦略とTOURISE招待
ベストカレンダー編集部
2025年8月28日 12:00
日サウジ観光連携強化
開催日:8月27日

日・サウジ観光協力の現状と8月27日の閣僚会合の成果
サウジアラビア王国観光局が2025年8月28日09時50分に発表したプレスリリースによれば、サウジアラビア王国と日本は、2025年8月27日に東京で開かれた二国間閣僚会合を通じて、両国の観光分野における協力関係を改めて確認しました。会合には、サウジアラビア観光大臣アーメド・アルカティーブ閣下と、日本の中野洋昌国土交通大臣が出席し、外交関係樹立70周年という節目を踏まえ、今後の戦略的連携について協議が行われました。
この会合では、両国が既に合意している「日・サウジ・ビジョン2030」に基づき、観光分野でのイノベーション、人材育成および持続可能な観光地運営に関する協力を一層強化することで合意しています。会合の場では、2023年に締結された観光分野の覚書(MoU)や最近の首脳レベルでの交流を踏まえ、具体的な共同イニシアチブを優先的に推進していく方針が示されました。
閣僚会合の主要事項と公式招待
会合の主要な合意点や発表は次のとおりです。両国は観光のイノベーションや人材育成、持続可能性を中心に協力を拡大することを確認しました。具体的な分野の優先順位としては、スマートツーリズム、人的資源開発、観光関連のイノベーション推進および持続可能な観光地の運営が挙げられています。
また、アルカティーブ観光大臣は中野国土交通大臣および日本の関係者に対して、2025年11月7日から11日にかけてリヤドで開催される第26回国連観光総会および初のTOURISEサミットへの正式招待を行いました。この招待は、サウジアラビア側が国際協力の中心として日本を重要なパートナーと位置付けていることを示しています。
- 会合日:2025年8月27日(東京)
- 主要出席者:アーメド・アルカティーブ観光大臣(サウジアラビア)、中野洋昌国土交通大臣(日本)
- 合意事項:スマートツーリズム、人材開発、イノベーション、持続可能性での協力強化
- 国際イベント招待:第26回国連観光総会およびTOURISEサミット(リヤド、2025年11月7日〜11日)
大阪・関西万博での発信:サウジアラビア館の来場者数と展示の特徴
アルカティーブ観光大臣の訪問は大阪から始まり、大臣は大阪・関西万博にてサウジアラビア代表団を率いてサウジアラビア王国館で日本の政府関係者および産業界リーダーを歓迎しました。プレスリリースは、万博開催中のサウジアラビア王国館がすでに来場者数200万人を超え、会場で最も来訪者が多いパビリオンの一つとなったことを明示しています。
サウジアラビア王国館は、同国の文化遺産に着想を得た設計と、最先端のグリーン技術を活用した建設が特徴です。会場内では複数の業界をまたいだネットワーキングイベントやレセプションが行われ、政府、企業、イノベーターが観光業の未来を議論する場となりました。こうした動きの中で、新たなグローバル観光プラットフォーム「TOURISE」への参加呼びかけが行われ、日本は創設パートナーとして世界で最も早く招待されています。
サウジアラビア館の機能と来場者動向
サウジアラビア王国館は観光の魅力を多面的に伝える場として機能しており、来場者の関心を集めています。来場者数は200万人を突破し、万博内でも特に集客力の高いパビリオンの一つになりました。館内では文化紹介に加えて、持続可能性や最先端技術を組み合わせた展示が行われました。
また、サウジアラビア側はこの館を通じて政府関係者や産業界リーダーに対して直接的なネットワーキング機会を提供し、観光分野での実務的な協力関係の構築を図っています。日本の関係者はTOURISEの創設パートナーとして早期に参加することが期待され、日本の技術力やデザイン知見がプラットフォームの方向性に影響を与える見込みです。
項目 | 内容 |
---|---|
来場者数 | 200万人を突破(大阪・関西万博会場で最も来訪者が多いパビリオンの一つ) |
展示特徴 | 文化遺産に着想、最先端グリーン技術を用いた建設、ネットワーキングイベント/レセプション開催 |
役割 | TOURISEへの参加呼びかけ、政府・企業・イノベーターの交流促進 |
具体的な協力分野とサウジアラビア側の戦略的目標
両国が優先して推進する共同イニシアチブは、スマートツーリズム、人材開発、イノベーションに関する取り組みであり、特に持続可能な観光地運営が焦点となっています。2023年の覚書(MoU)と最近の首脳間の交流を踏まえ、これらの分野での協力加速が明確に打ち出されました。
サウジアラビアは「ビジョン2030」に基づき、2030年までに年間1億5,000万人(150,000,000人)という大規模な観光客受け入れ目標を掲げています。これを実現するため、NEOM(未来都市プロジェクト)や紅海プロジェクト(持続可能な観光リゾート計画)などのギガプロジェクトを活用し、世界水準のホスピタリティや新たな観光体験を提供しようとしています。
- 優先分野
- スマートツーリズム、人的資源開発、観光分野でのイノベーション、持続可能な観光地運営。
- 戦略的プロジェクト
- NEOM、紅海プロジェクトなどの大規模開発を通じた観光資源の拡充。
- 旅行者受け入れ促進策
- ビザ手続きの円滑化、旅行業者ネットワークの拡大により、日本人旅行者にとってアクセスが容易な観光地づくりを推進。
サウジアラビアは安全で現代的かつ温かさを兼ね備えた観光地としての魅力を強めており、日本人旅行者にはアルウラ(AlUla)やディルイーヤ(Diriyah)のユネスコ世界遺産に加え、活気ある現代都市や美しい海岸線など多様な観光体験を提示しています。ビザ手続きの簡素化や旅行業者との連携強化により、日本からの旅行・投資の呼び込みを図っています。
- 文化遺産例:アルウラ、ディルイーヤ(ユネスコ世界遺産)
- 主要ギガプロジェクト:NEOM、紅海プロジェクト
- 受け入れ目標:2030年までに年間1億5,000万人
要点整理(表)と締めくくり
ここまでの記事で取り上げた主要事項を整理した表を示します。記事の内容は、プレスリリースに記載された事実を基に構成しており、両国が観光分野で進める協力の内容や今後のスケジュール、万博での発信内容などを網羅しています。
次に示す表は、本プレスリリースに記載された全ての主要情報をわかりやすくまとめたものです。
項目 | 内容 |
---|---|
プレスリリース発出者 | サウジアラビア王国観光局 |
発表日時 | 2025年8月28日 09時50分 |
閣僚会合 | 2025年8月27日(東京): アーメド・アルカティーブ観光大臣と中野洋昌国土交通大臣の二国間閣僚会合 |
会合の主要合意点 | スマートツーリズム、人材育成、イノベーション、持続可能な観光地運営での協力強化 |
公式招待 | 第26回国連観光総会および第1回TOURISEサミット(リヤド)への正式招待(2025年11月7日〜11日) |
万博での状況 | 大阪・関西万博のサウジアラビア王国館は来場者数200万人を突破。最先端のグリーン技術と文化遺産に着想した展示を実施。 |
既往の枠組み | 2023年に締結された観光分野の覚書(MoU)を基にした協力強化 |
サウジアラビアの目標(Vision2030) | 2030年までに年間1億5,000万人の観光客受け入れを目指す |
主な観光資源・プロジェクト | アルウラ、ディルイーヤ(ユネスコ世界遺産)、NEOM、紅海プロジェクトなど |
関連リンク | https://ksaexpo2025.sa/ |
以上が本件プレスリリースの要旨と主要事項の整理である。両国は外交関係樹立70周年の節目を契機に、観光分野を中心とした戦略的パートナーシップを具体化していく方針を示しており、リヤドでの国際会議や万博での発信を通じて、その協力の輪を国際的に広げようとしていることが確認できる。
参考リンク: