週刊文春が白紙の表紙で刊行　和田誠の表紙に区切り

白紙の表紙で幕を開けた変わり目――2025年9月4日号の刊行とその背景

総合週刊誌「週刊文春」は、2025年8月28日発売の2025年9月4日号を表紙絵なし（白紙の表紙）で刊行しました。表紙が白紙で刊行されるのは、1977年5月以来2度目となります。今回は刊行日を含む具体的な日付が明記されており、発売日は2025年8月28日、該当号は2025年9月4日号です。

この決定は、同誌が長年にわたり表紙を飾ってきたイラストレーター、和田誠さん（1936年生〜2019年逝去）に代わり、次号から表紙を新しいイラストレーターに委ねるというリニューアルの一環として行われました。1977年5月12日号を皮切りに、和田さんの作品が48年間「週刊文春の顔」を務めてきた歴史の区切りを示す象徴的な措置と位置づけられます。

白紙表紙の歴史的意味合い

「週刊文春」は1959年4月の創刊当初、女性ポートレートを表紙に用いていましたが、1977年5月から和田誠さんのイラストを表紙化しました。1977年の切り替え直前に刊行された同年5月5日号の表紙も白紙であり、今回の白紙表紙は史上2度目の出来事です。

今回の白紙表紙は、単なるデザイン上の選択ではなく、48年続いた一つの表紙スタイルの区切りと次の段階への移行を明示する意図が示されています。先週発売の2025年8月28日号（同誌表記では9月4日号）は、和田さんの絵をあしらった最初の号、1977年5月12日号の表紙を復刻したものであり、そこに「最後のアンコール掲載」という位置づけが与えられました。

和田誠という存在――48年にわたる表紙絵の役割と家族の言葉

和田誠さんは1936年4月生まれ。多摩美術大学を1959年に卒業後、ライトパブリシティ入社を経て1968年からフリーランスとして活動し、グラフィックデザインやイラストレーションの分野で高い評価を得ました。1977年からは「週刊文春」の表紙を担当し、ポップで鮮やかな色彩の表紙絵は雑誌のアイコンとして長年親しまれました。

和田さんは2019年10月に逝去されましたが、以降も編集部は過去に使用した絵を「アンコール」として表紙に用いる形をとってきました。直近号での「1977年5月12日号の表紙復刻」は、和田さんの表紙が果たしてきた役割を改めて示すものとなっています。

家族の視点—平野レミさんのコメント

和田さんの妻である料理研究家・平野レミさんは、本件について次のようにコメントを寄せています。原文のまま掲載します。

「これは41歳の時の和田さんが、『週刊文春』のために最初に描いた表紙。手紙をくわえて、夜空の中を、誰のところに飛んでいこうとしているのかしら。和田さんは仕事のことを家で話さなかったから、雑誌が家に届いてはじめて『今週はこんな絵なんだ』ってわかるんです。毎週、どんなことを考えながら描いていたのかな。きっとこの時は、40年も表紙を描き続けるなんて思ってなかったでしょうね」

平野さんの言葉は、和田さんの日常と制作に対する姿勢、そして長年にわたり誌面を彩った作品が家族の記憶にも残っていることを伝えます。

編集部の判断と誌面リニューアルの具体的内容

「週刊文春」編集長・竹田聖のコメントも今回の方向性を明確に示しています。竹田編集長は、和田誠さんのイラストが長年にわたり「週刊文春の顔」であったことに感謝を示したうえで、逝去から6年が経過した現状でそのままにするだけではいけないという判断を述べています。

同編集長は誌面の刷新について次のように説明しています（原文の一部を引用します）。

「『新しい酒は新しい皮袋に』ーー来週9月4日発売の号から、新進気鋭のイラストレーターの表紙絵で新たなスタートを切ることにしました。それに伴い、誌面レイアウトも刷新し、新連載が6本！という大型リニューアルも行います。超人気作家の連載小説も3本同時にスタートします。『この人が文春で!?』という意外な人物のエッセイやコラムも始まります。文藝（小説やエッセイ、コラム）と春秋（スクープ、ニュースの深掘り）を高レベルで融合させ、『面白くてタメになる』唯一無二のコンテンツをスピーディにお届けするーー『週刊文春』がこれを機に益々パワーアップします。ぜひご期待下さい。」

編集長の言葉からは、表紙変更に止まらない誌面全体の刷新が意図されていることが読み取れます。具体的な新連載数（6本）や連載小説の開始（3本）、「意外な筆者」の登場といったラインナップの大きな変更が明言されています。

リニューアルで明らかになっている項目

現時点で公表されている誌面リニューアルの主要項目は以下の通りです。編集部からの正式発表に基づいています。

• 表紙の新体制：次号（2025年9月4日号）から新進気鋭のイラストレーターによる表紙絵を採用。
• 誌面レイアウトの刷新：紙面デザインやレイアウトの再設計。
• 新連載の追加：新連載6本の導入。
• 連載小説の同時スタート：超人気作家による連載小説が3本同時に開始。
• 意外な筆者の起用：従来とは異なるプロフィールの人物によるエッセイやコラムの連載開始。

これらは誌面の「文藝（小説・エッセイ）」「春秋（スクープ・ニュースの深掘り）」の融合を掲げる方針の下で実行されるものと説明されています。

週刊文春の基本情報と和田誠プロフィール、受賞歴の整理

本章では、報道に含まれる事実関係を整理します。雑誌側の公表情報と和田誠さんの略歴・受賞歴を網羅的に示します。

まず雑誌情報です。『週刊文春』は1959年4月創刊の総合週刊誌で、スクープ、コラム、グラビアなど幅広い内容を掲載しています。実売部数は21年連続で総合週刊誌（ABC公査）において1位とされています。

雑誌名

『週刊文春』 2025年9月4日号

発売日

2025年8月28日

定価

510円（税込）

目次URL

https://bunshun.jp/articles/-/81713

次に、和田誠さんの経歴・受賞歴です。和田誠さんはグラフィックデザイナー、イラストレーターとして国内外で高い評価を受け、多くの書籍を手掛けました。

和田さんの表紙は、単に装飾的な要素にとどまらず「週刊文春」の文化的アイコンとして機能してきたことが、公表された経歴や受賞歴からも確認できます。

まとめ：今回の発表の要点整理

この記事の最後に、今回のプレスリリースで示された主要事項を表形式で整理します。以下の表は、日付・刊行情報・和田誠さんに関する要点・誌面のリニューアル内容を一望できるように構成しました。

以上が、文藝春秋によるプレスリリースの内容を整理した要点です。本件は、48年にわたる表紙の伝統を受け継ぎつつ、新たな表現や誌面構成へと移行する段階に入ったことを示しています。編集部のコメントや家族の言葉、具体的な刊行情報は本文中に示した通りです。