9月19日発売『幽冥パティスリー 煉獄堂』第1巻、赤黒2色刷りで刊行
ベストカレンダー編集部
2025年8月27日 17:44
煉獄堂邦訳版刊行
開催日:9月19日

喪失と記憶をケーキで編む──『幽冥パティスリー 煉獄堂』邦訳版、9月19日刊行
韓国でクラウドファンディング4400%を達成し、2022年の大韓民国コンテンツ大賞では「韓国コンテンツ振興院長賞」を受賞した話題作が、日本語版として刊行されます。発行は株式会社パイ インターナショナル。発売日は2025年9月19日(金)で、紙版と電子版が同日に提供されます。
本作は、故人のために葬儀用のケーキを作るパティスリー『煉獄堂』を舞台に、店主のマゴと幽霊の助手ミロが来訪者の記憶や思い出を材料に世界に一つだけのケーキを焼き上げる物語です。作者は韓国のイラストレーター・漫画家Sanho。グラフィック・ノベルと呼ばれる、成熟した読者層を意識した文学性と絵作りが特徴のスタイルで描かれています。

物語の構成と収録エピソードの詳細
第1巻は<全6編>を収録し、赤と黒の二色印刷で印象的に仕上げられています。エピソードは親しみやすい断片的な物語でありながら、喪失と向き合う時間を丁寧に積み重ねる構成です。短篇ごとの物語性と、登場人物の内面を映すイラストレーションの両方に力点が置かれています。
収録される各話の概要は以下のとおりです。物語はプロローグから始まり、各編が『Recipe』というタイトルで続き、エピローグと特別付録で締めくくられます。
- プロローグ:煉獄堂という店と登場人物たち、物語の出発点を示す導入部。
- Recipe 1. 推理小説のクレープケーキ:病院で読み聞かせボランティアに打ち込む推理小説家が出会った、三つ目を持つ盲目の女性との出会いを描く。推理小説を通じて二人が心を通わせる過程と、それがケーキ制作にどう反映されるかが主題。
- Recipe 2. 月見草のカップケーキ:夜に縛られる吸血鬼の母を持つ娘が、昼間の生活や母との隔たりを回想する物語。親子の時間のずれと、月見草畑で共有された瞬間が回想として描かれる。
- エピローグ:ケーキを受け取った人物たちのその後を描写し、物語全体の余韻を残す章。
- 特別付録Ⅰ 鴉の使臣の業務日誌:煉獄堂の世界観を補完する書き下ろし的な付録。
- 特別付録Ⅱ マゴの1日:店主マゴの日常や仕事風景を描いた短いエピソードで、登場人物の人となりを補強する。
第1巻は、これらのエピソードを通じて「別れ」と「記憶」を多面的に描く構成になっています。ケーキという具体的な「モチーフ」を用いることで、読者は喪失の感情が象られる様子を視覚的に追体験できます。

作り手について:Sanho と翻訳の古川綾子
作者Sanho(さんほ)はイラストレーター、漫画家として活動しており、主な作品に漫画『幽冥パティスリー 煉獄堂』のほか、『雨と游泳』、『そして魔女は森へ行った』、『ガラス瓶の中のナナニ』などがあると紹介されています。現在は故郷からさほど遠くない場所で新作に取り組んでいるとのことです。
作者のSNSはX(旧Twitter)@sanhomaydraw、Instagram sanhomaydraw。ビジュアル表現に長けた作家による、絵と言葉が融合した作劇が作品の特色です。
翻訳は古川綾子(ふるかわあやこ)が担当します。古川氏は神田外語大学卒業、延世大学教育大学院韓国語教育科修了、NHKラジオ講座の講師経験もあります。訳書にはハン・ガン『そっと静かに』(クオン)、ユン・テホ『未生 ミセン』1-9(講談社)、チョ・ナムジュ『ソヨンドン物語』(筑摩書房)などが含まれ、韓国文学・文化の翻訳に実績があります。Xアカウントは @ayako_furukawa です。

翻訳・装丁・印刷の特徴
本邦版は古川綾子による翻訳で、日本語の読者に読みやすく調整されています。装幀では日本語版限定カバーを採用しており、内ページは鮮烈な赤と黒の2色印刷という仕様です。
この表現方法は、作品の持つ幽玄でやや重めのテーマに調和する印刷設計になっており、グラフィック・ノベルとしての視覚的な統一感を重視しています。

書誌情報と購入特典、問い合わせ先
刊行情報は次のとおりです。書籍の仕様や価格、ISBNなど購入前に知っておくべき基本情報が明記されています。電子版は紙版と同日発売で、アクセス手段が多様に用意されています。
書名 | 『幽冥パティスリー 煉獄堂』第1巻 |
---|---|
発売日 | 2025年9月19日(金) |
仕様 | A5判変型(210mm×148mm) / 224ページ(4C・2ページ / 2C・222ページ) / ソフトカバー |
価格 | 本体1,400円+税 |
ISBN | 978-4-7562-5922-6 C0979 |
著者 | Sanho(さんほ) |
翻訳 | 古川綾子(ふるかわあやこ) |
発行元 | 株式会社パイ インターナショナル |
初回封入特典として『イラストカード(収録イラストを使用)』がつきます。さらに一部店舗限定の購入者特典として『描き下ろしモノクロイラストカード』が用意されます。どの店舗で特典が配布されるかは公式ページで確認する必要があります(配布店舗情報:https://pie.co.jp/news/4884933/)。
書籍に関する問い合わせ先は以下です。株式会社パイ インターナショナル 〒170-0005 東京都豊島区南大塚2-32-4、TEL:03-3944-3981。出版社の各種オンライン窓口やSNSも案内されています。
- シリーズページ
- https://comics.pie.co.jp/series/rengokudo/(現在1話無料公開中)
- ニュースページ
- https://pie.co.jp/news/4884933/
- 出版社ウェブ
- https://pie.co.jp/、コミックアート:https://pie.co.jp/comicart/
- SNS(出版社)
- X(パイコミックス編集部):https://x.com/PIE_Comics、コミックアートX:https://x.com/PIE_Comic_Art、Facebook:https://www.facebook.com/piecomicart/、Instagram:https://www.instagram.com/pie_comic_art/、YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCqwh9TN9F1zoHQxHl5bqHTg
また、書籍イメージとして公開されているカットは複数あり、掲載イメージと実際の表紙・中ページのレイアウトや色味は異なる場合があると明記されています。購入前に確認したい場合は出版社の告知ページを確認することが推奨されます。

背景と評価、作品を読む際のポイント
本作は韓国でのクラウドファンディング成功や受賞歴により、国内外で注目を集めてきました。Tumblbugでの4400%達成という数字は、作品に対する支持の強さを示しています。2022年の「韓国コンテンツ振興院長賞」受賞は公式な評価としての裏付けです。
読みどころとしては、グラフィック・ノベルという形式を活かした〈絵と言葉のかけ合わせ〉が挙げられます。短編ごとにモチーフとなるケーキの種類があり、物語の主題や人物の内面をその造形や色彩が反映します。赤と黒の二色刷りは、視覚的な強弱で感情の輪郭を際立たせる役割を果たします。
こうした点を踏まえると、漫画やイラストレーションの造形を重視する読者に加え、小説的な心理描写や喪失に向き合う作品を好む読者にも訴求する構成です。翻訳は韓国文学翻訳の実績がある古川綾子氏が担当しており、原作のニュアンスを日本語でどう表現しているかも注目点となります。
項目 | 内容 |
---|---|
書名 | 『幽冥パティスリー 煉獄堂』第1巻 |
発売日 | 2025年9月19日(金) |
著者 | Sanho(さんほ) |
翻訳 | 古川綾子(ふるかわあやこ) |
仕様 | A5判変型 / 224ページ / 4C・2ページ / 2C・222ページ / ソフトカバー |
価格 | 本体1,400円+税 |
ISBN | 978-4-7562-5922-6 C0979 |
収録 | プロローグ、Recipe1(推理小説のクレープケーキ)、Recipe2(月見草のカップケーキ)、エピローグ、特別付録Ⅰ・Ⅱ(全6編) |
特典 | 初回封入:イラストカード / 一部店舗限定:描き下ろしモノクロイラストカード(配布店舗は公式ページ参照) |
発行元・問い合わせ | 株式会社パイ インターナショナル(〒170-0005 東京都豊島区南大塚2-32-4、TEL:03-3944-3981) |
関連リンク | シリーズページ:https://comics.pie.co.jp/series/rengokudo/ / ニュース:https://pie.co.jp/news/4884933/ / 出版社:https://pie.co.jp/ |
以上が本作の刊行に関する主要情報と作品の概要、読みどころです。関心がある場合は出版社のシリーズページやニュースページで詳細(配布特典の店舗情報や試し読み)を確認するとよいでしょう。
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