9月5日開幕 田部井美奈展「光と図形と、その周辺」
ベストカレンダー編集部
2025年8月26日 12:25
田部井美奈展 光と図形
開催期間:9月5日〜10月22日

田部井美奈 個展「光と図形と、その周辺」—光をめぐる視覚実験の現在
公益財団法人DNP文化振興財団は、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg、東京・銀座)で、アートディレクター/グラフィックデザイナーの田部井美奈氏による個展「光と図形と、その周辺」を、2025年9月5日(金)から10月22日(水)まで開催します。プレス発表は2025年8月26日11時00分に大日本印刷(DNP)より行われました。
本展では田部井氏が2018年以降に追究してきた実験的シリーズ〈光と図形〉の最新作を、作品のみならず空間全体として体感できる構成で公開します。展示により、写真の偶然性を取り入れた二次元表現と図形的な要素がどのように結びつくのかを観察できます。

表現の核となる「光」と「図形」
田部井氏は服部一成氏の下でのキャリアを経て独立し、写真表現が持つ制御しきれない「光や影」の偶発性をデザインに取り入れる実験を行ってきました。写真によって生じる予定調和ではないイメージを、二次元の紙面や空間に落とすことで、新たな視覚体験を生み出しています。
このプロセスは時間と根気を必要とし、作者自身が想像しなかったイメージが出現する瞬間を重視する身体性の高い手法です。そうしたプロセスが作品に反映されることで、見る者に深い印象を与える力が生まれています。
Design: Mina Tabei, Photo: Masaki Ogawa
展示構成と出品予定の代表作
展覧会は大きく二つの側面で構成されます。ひとつは2018年から続く〈光と図形〉の最新作を中心にした空間展示、もうひとつは田部井氏が手掛けてきたブックデザイン、パッケージ、ポスターなどのグラフィックワークの紹介です。
これらを併せて展示することで、個々の仕事が持つ個性と、それらを俯瞰したときに見えてくる統一感――いわば「タベイミナイズム」の核心に迫る構成となっています。
出品予定の代表作と領域
以下は本展で紹介される主要なグラフィックワークや関連プロジェクトです。それぞれが持つビジュアルの特徴や制作背景が展示解説で補われます。
- 「光と図形」UTRECHT(2018)
- 「Mame Kurogouchi」(2023)
- 「(NO)RAISIN SANDWICH」(2021)
- 『マティス展』朝日新聞社(2023)
- 「TADANORI YOKOO ISSEY MIYAKE 4」ISSEY MIYAKE INC.(2023)
- 「武蔵野美術大学」(2021)
- 『結婚の奴/能町みね子』平凡社(2019)
- 『極北へ/石川直樹』毎日新聞出版(2018)
これらのグラフィックワークは、装丁、パッケージ、展示空間の構成など多様な領域にわたり、用途に応じて凛とした品位とやさしさを併せ持つビジュアルを提示してきました。展示では各作品が果たす役割と相互関係がわかりやすく示されます。
開催情報、関連イベント、刊行物について
開催期間、会場、開館時間などの基本情報は次の通りです。入場は無料で、日曜・祝日は休館となります。
- 会期
- 2025年9月5日(金)~10月22日(水)
- 開館時間
- 11:00-19:00
- 会場
- ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)、東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル
- 休館日
- 日曜・祝日
- 入館料
- 無料
会場および展示内容に関する最新情報、オープニングパーティーやギャラリートークなどの関連イベントについては、gggの公式Webサイトで更新されます。イベントの日時や参加方法は変更される可能性があるため、事前に必ず確認することが案内されています。
関連出版物として、展覧会に合わせて『ggg Books 141 田部井美奈』(序文:服部一成)が公益財団法人DNP文化振興財団から発行予定です。発行予定日は2025年9月5日です。
関連リンク:
田部井美奈という作り手—経歴と制作上の特徴
田部井美奈氏は埼玉県出身、武蔵野美術大学短期大学部を卒業後、2003年より服部一成氏に師事しつつフリーランスとして活動を開始しました。2014年に独立し「田部井美奈デザイン」を設立して以降、広告、書籍、パッケージ、展示など多岐にわたる領域で活動しています。
田部井氏の仕事は、雑誌や書籍の装丁、展覧会の告知ビジュアル、ブランドのパッケージデザインまで多様です。具体的な担当例としては、武蔵野美術大学のビジュアル、NHK大河ドラマ『光る君へ』のビジュアル、PARCO CHRISTMASのビジュアル、マティス展の告知宣伝物などがあります。
受賞・教育・所属
主な受賞歴や教育、所属に関する情報は次の通りです。これらは田部井氏のプロフェッショナルとしての側面を示します。
- 2019年:東京ADC賞受賞
- 教育:東京造形大学特任教員、女子美術大学非常勤講師
- 所属:AGI(Alliance Graphique Internationale)会員
制作上の特徴として、田部井氏は写真的偶発性とグラフィックな図形要素を統合するアプローチを重視しています。コントロールしきれない光の現象を観察し、それをデザインに取り込むことにより、意図と偶然が交差する表現を実現してきました。
制作の実践は、単に視覚的な装飾にとどまらず、時間と手間をかけて行われるプロセスそのものが作品の深度を生み出す点に特徴があります。展示はその制作過程と結果を通覧する機会として位置づけられます。
項目 | 内容 |
---|---|
展覧会名 | 田部井美奈 光と図形と、その周辺 |
会期 | 2025年9月5日(金)~10月22日(水) |
会場 | ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)、東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル |
開館時間・休館日 | 11:00-19:00、休館日:日曜・祝日 |
入館料 | 無料 |
展示構成 | 〈光と図形〉の最新作展示と、書籍・パッケージ・ポスターなど過去の代表作の紹介 |
関連出版物 | 『ggg Books 141 田部井美奈』(発行予定日:2025年9月5日) |
関連リンク | ggg公式サイト、DNPプレスリリース |
本記事は、2025年8月26日発表のプレスリリースをもとに作成しています。記載の内容は発表日現在のものであり、今後予告なしに変更される場合があります。
以上が本展の主な内容と開催情報の整理です。展示の詳細や関連イベントについては、gggの公式情報を参照してください。
参考リンク: