香川大学、PeopleXのAI面接導入で採用選考を効率化

香川大がAI面接導入

開催日:8月25日

香川大がAI面接導入
AI面接って実際どんな流れで使うの?
書類提出後に受験者が24時間いつでもPeopleXの対話型AIで面接を受け、録画・文字起こし・AI要約と書類を照合して一次選考を行います。録画は複数名で確認します。
AIで評価するのって公平性や個人情報は大丈夫?
AIの要約や評価を複数名で確認し最終判断は人が行うため客観性を高めますが、個人情報管理やアルゴリズムの公正性は導入機関とPeopleXの運用に依存します。

香川大学が採用選考にAI面接を導入した背景と導入時期

2025年8月25日、採用から活躍支援までAIで人事課題を解決する株式会社PeopleXが、国立大学法人香川大学に対話型AI面接サービス「PeopleX AI面接」を導入したと発表しました。本導入は、香川大学の事務職員採用選考に対して今年度から適用されており、書類選考に替えてAI面接を組み込む選考フローで運用されています。

香川大学側は、従来の選考プロセスにおいて応募数の多さに伴う作業負担、書類選考時の評価のばらつき、書類だけでは人物像が把握しきれず有望な応募者を見落とす可能性といった課題を抱えていました。これらの課題を解消し、採用のミスマッチを減らすこと、選考業務の効率化を図ることが導入の主な狙いです。

香川大学、PeopleXの対話型AI面接サービス「PeopleX AI面接」を導入 画像 2

導入後の運用方法と具体的な効果

香川大学では、書類提出後にすべての受験者に対して「PeopleX AI面接」を実施し、書類とAI面接の結果を組み合わせて第一次選考を行う運用へ変更しました。この運用によって、一次選考の形態や合否判断のプロセスが見直されています。

運用結果として具体的に報告されている効果は複数あります。評価の多面的化、書類選考で不合格にしていた応募者がAI面接により次の選考へ進んだ事例、選考業務全体の時間短縮などが挙げられます。以下に具体的な項目を整理します。

  • 評価の多角化:従来の第一次面接は面接者2名で行っていたところ、AI面接録画データを使って4名で同時に確認し意見交換を行う体制に変わりました。より多くの視点から評価を行えるようになっています。
  • 意外な人材の発掘:書類選考で不合格とする可能性があった応募者でも、AI面接を通じて人柄や適性が確認できた事例があり、次段階へ進める判断がされました。これにより「書類だけでは見えないポテンシャル」を把握することが可能になりました。
  • 工数と時間の削減:すべての応募者の録画データを確認する必要があるため時間は要するものの、従来の選考フローと比較して全体で約40時間の削減につながったと報告されています。
  • 対面面接資料としての活用:AI面接による回答のAI要約が整理されており、第二次選考である対面面接の資料としても活用できる点が評価されています。
  • 応募者案内の重要性:AI面接を選考過程に組み込んでも、応募者への事前案内を丁寧に行うことで選考が滞らず進行している点が示されています。

評価プロセスの具体的フロー

本導入での第一次選考フローは、書類選考(一次の書類確認)→全応募者に対するAI面接→書類とAI面接結果の照合による一次通過判定、という順序で運用されています。AI面接の録画や文字起こし、評価レポートを参照しながら合否を判断します。

録画データを4名で同時に確認する体制により、これまでの面接者2名体制に比べて視点の広がりが生まれ、選考の客観性や公平性の向上に寄与している点が報告に含まれます。なお、AI面接の導入後も最終的な採用判断は複数の選考段階を経て行われます。

PeopleX AI面接の機能概要と導入支援体制

「PeopleX AI面接」は、候補者に寄り添う対話型AI面接官を特徴とするサービスで、応募者が24時間いつでもどこからでも面接を受けられる環境を提供します。新卒・中途・パート・アルバイトなど幅広い採用目的に対応します。

本サービスは生成AIを用いた深掘り質問や、募集職種ごとの質問設計、録画データの文字起こし・評価レポートの出力といった機能を備えています。募集企業は募集職種ごとに応募URLを発行し、応募状況を可視化できる管理機能も利用できます。

主な機能の一覧

以下にPeopleXが公表している主な機能を整理します。機能は採用側と応募者側の双方の利便性と選考の客観性を高める設計になっています。

機能 主な内容
候補者体験重視の選考設計 自然な対話体験、適切な会話の間、アイスブレイク機能により緊張軽減を図る設計
生成AIによる深掘り質問 応募者の回答に応じて追加の深掘り質問を自動生成し、面接の深度を高める
募集職種ごとの質問設定 150種類のテンプレートから選択、もしくは自由設計で質問を構築可能
面接結果・評価の表示 録画、文字起こし、評価レポートによる選考判断支援
募集管理・応募状況の可視化 応募URL発行、応募状況の表示(氏名・職種・生年月日等での検索)

デモ動画および詳細資料は以下のURLで公開されています。デモ動画:https://www.youtube.com/watch?v=n6oP9dzPuSw、詳細資料ダウンロード:https://peoplex.jp/download

また、PeopleXは「PeopleX AI面接」の紹介・導入支援のためのパートナープログラムを設け、パートナー企業を募集しています。プログラムには販売促進支援や対価支払などの内容が含まれ、パートナー契約には同社による審査・認定が必要とされています。問い合わせは以下のメールアドレスへ送付します。

  • パートナープログラム窓口:MAIL:contact@peoplex.jp

香川大学からのコメントと今後の検証方針

香川大学企画総務部人事企画課長の造田 大輔氏は、書類選考だけでの絞り込みが難しく、ミスマッチに伴う再公募や再選考が多く発生していたため導入を決定したと述べています。導入後は想定以上の効果があり、良い人材の採用につながった点を報告しています。

香川大学は、AI面接を組み込んだ選考の運用を通して、採用者が実際にどのように働くかという中長期的な視点での効果検証も想定しており、必要に応じて全学的な展開も検討する意向を示しています。導入にあたっては応募者への事前案内を丁寧に行うことで選考が滞らない運用を確立しています。

香川大学の基本情報

香川大学の公表情報も合わせて整理します。大学名は国立大学法人香川大学、学長は上田 夏生氏、所在地は香川県高松市幸町1番1号です。公式サイトは https://www.kagawa-u.ac.jp/ です。

今回の導入は事務職員採用選考を対象に開始されており、香川大学は今後の検証結果次第で利用範囲の拡大も視野に入れています。導入効果の計測は選考過程だけでなく、採用後の働きぶりも含めた中長期的な観点で行う計画です。

本件の要点整理(表)

以下の表に本記事で触れた主要事項を整理しました。導入の目的、実施時期、得られた効果、問い合わせ窓口などを一覧化しています。

項目 内容
発表日 2025年8月25日(PeopleXの発表日)
導入先 国立大学法人 香川大学(事務職員採用選考)
導入サービス PeopleX の「PeopleX AI面接」
導入の主な背景 応募数増加に伴う工数、書類選考の評価ばらつき、書類だけでは人物像の把握が難しい点の解消
運用方法 書類提出後、全応募者にAI面接を実施。書類とAI面接の結果で第一次選考を行う。
得られた効果(主なもの) 評価者の視点拡大(4名で録画確認)、書類で見落とした人材の確認、全体で約40時間の削減、AI要約の対面面接資料活用
香川大学 担当者コメント 企画総務部人事企画課長 造田 大輔 氏:書類選考の課題解消と業務効率化の期待から導入。実運用で良い効果があったと報告。
PeopleX 会社情報(抜粋) 代表:橘 大地 / 資本金:116百万円(資本準備金含む) / 所在地:東京都新宿区西新宿2丁目6-1 新宿住友ビル24階
製品・関連URL 製品サイト:https://peoplex.jp/、製品デモ:YouTube、詳細資料:https://peoplex.jp/download
問い合わせ PeopleX 広報 TEL:03-6683-4199 / Mail:info@peoplex.jp(パートナー関連は contact@peoplex.jp)

以上が本件の要点整理です。香川大学ではAI面接を組み込んだ選考により、評価の客観性や採用効率の改善が確認されており、PeopleX側は製品機能の説明と導入支援体制を明示しています。今後は導入効果を選考後・採用後の実務面も含めて検証し、必要に応じた運用の拡大が検討される見込みです。

参考リンク: