SWCC、e-Ribbonに16心タイプを追加 高密度配線を実現

e-Ribbon16心発表

開催日:8月20日

e-Ribbon16心発表
e-Ribbonって何なの?
一定間隔で接着した柔軟なリボン状の光ファイバ心線で、今回の16心は一括融着接続に対応。細径で高密度化を実現し、データセンターやテレコムの配線効率と施工性を大幅に改善する製品だ。
販売はいつから?
販売は今期第3四半期より開始予定(具体的日付は未定)。需要に応じた増産投資も計画しており、ハイパースケールデータセンターや欧米テレコム向けに展開していく予定だ。

生成AIの普及が引き起こす配線密度の課題とe-Ribbon®の役割

2025年8月20日13時00分、SWCC株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役 CEO 社長執行役員 小又哲夫)は、間欠接着リボン(一定間隔で接着された柔軟なリボン状光ファイバ心線)であるe-Ribbon®シリーズに、新たに16心タイプを開発したと発表しました。本リリースは、生成AI技術の普及によりデータセンター内の配線密度が急増している状況に対応する製品投入の発表です。

データセンターでは大量のGPUや高速ネットワーク機器が集積されることで、設置スペースの制約、冷却効率の低下、保守作業の複雑化といった課題が顕在化しています。これらの課題に対して、光ケーブルの細径化・高密度化・効率的配線が求められており、e-Ribbon® 16心タイプはこうしたニーズに応えるために設計されています。

背景にある市場動向とニーズ

生成AIがもたらすデータ量の増大は、データセンター内の物理層インフラの再設計を促しています。高速演算を行う機器群を効率よく接続するためには、従来の配線手法やケーブル設計では対応が難しくなってきました。

その結果、より細径で高密度な光ケーブル、容易に接続・保守ができる構造、そして現場での作業効率を高める製品が求められています。SWCCはこれまでに4心・8心・12心タイプのe-Ribbon®と、それを活用した超多心細径高密度光ケーブルを製造販売してきましたが、今回の16心タイプは特にハイパースケールデータセンターや欧米のテレコム市場に向けた戦略製品です。

16心e-Ribbon®の技術的特長と現場での効果

SWCCが開発した16心e-Ribbon®は「間欠接着リボン」としての基本構造を維持しつつ、16本の光ファイバを一体的に扱えるように最適化されています。間欠接着リボンとは、一定間隔で接着された柔軟なリボン状の光ファイバ心線を指し、柔軟性と配線効率を両立させる構成です。

本製品の主な技術的な特長は次の通りです。以下では各特長ごとに具体的な説明を行います。

  • 高い柔軟性:光学設計技術を活用し、単心光ファイバのような柔軟性を維持。光テープ心線に見られる横方向の曲げに弱い欠点を改善しており、狭い配線経路や盤内の取り回しに適している。
  • 接続の効率化:16心化により、一括融着接続で処理できる光ファイバ数が従来品(4心/8心/12心)に比べて増加。これにより現場での工数が大幅に削減され、作業時間の短縮が見込まれる。データセンターで使用される多心一括接続コネクタへ適用可能である点も重要である。
  • 高密度化・細径化:ケーブルのさらなる細径化、軽量化を実現し、ラック内や配線ダクト内での占有スペースを低減する。

技術特長ごとの現場メリット

高い柔軟性は、配線作業時の取り回し性を向上させるだけでなく、ケーブルの引き回しによるストレスに伴う光損失や断線リスクを低減させます。狭小スペースでの施工性が高く、設計段階での配線ルート自由度向上につながります。

接続効率の改善は、現場での作業時間短縮、労務コストの低減、保守時のダウンタイム短縮に直結します。多心一括接続コネクタへの適合性により、機器側の接続性を保ちながら工数を削減できます。

製品ラインナップ、販売時期と市場戦略

SWCCは従来より、4心タイプ、8心タイプ、12心タイプの間欠接着リボン「e-Ribbon®」を製造販売してきました。今回、16心タイプを戦略製品としてラインナップに追加し、生成AIデータセンター市場および欧米テレコム市場に向けて展開します。

販売開始時期は今期第3四半期よりとなっており、需要の高まりに応じた増産に向けた投資も予定しています。SWCCは長年培ってきたコア技術と量産技術を活かし、データセンター市場や欧米を中心とした海外テレコム市場での需要に対応するとしています。

対象市場と期待される用途

主な対象市場は以下の通りです。

  1. 生成AIを中心としたハイパースケールデータセンター内のラック間・機器間配線
  2. 欧米を中心とする通信事業者(テレコム)向けの高密度配線ソリューション

用途としては、GPUクラスタや高速スイッチ間の短距離/中距離接続、データセンター内での多心一括接続が求められる箇所全般が考えられます。既存の4心/8心/12心製品との併用によって、設計段階での柔軟な配線選択が可能です。

製品情報、企業情報、関連情報の整理

以下の表は、本リリースで提示された重要項目を整理したものです。技術的な特長、販売開始時期、対象市場、過去の製品ラインナップ、企業情報などを漏れなくまとめています。

記事本文で取り上げた内容は、プレスリリース全文に基づき、製品の特長と市場背景、販売計画について具体的に伝えています。プレスリリース内で提供されている画像(素材)についてもダウンロード可能である旨が記載されています。

項目 内容
発表日 2025年8月20日 13時00分
発表企業 SWCC株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役 CEO 社長執行役員 小又哲夫)
製品名 間欠接着リボン「e-Ribbon®」 16心タイプ
製品の定義 一定間隔で接着された柔軟なリボン状光ファイバ心線(間欠接着リボン)
従来ラインナップ 4心タイプ、8心タイプ、12心タイプのe-Ribbon®
主な特長 高い柔軟性、一括融着接続による接続効率の向上、光ケーブルの細径化・軽量化・超高密度化
販売開始 今期第3四半期より販売開始(予定)
主なターゲット市場 生成AIデータセンター市場、欧米テレコム市場(通信事業者)
今後の計画 需要拡大に対応するための増産投資を予定
カテゴリ・キーワード
  • 商品サービス
  • 鉄鋼・金属・ガラス・土石・ゴム
  • 電子部品・半導体・電気機器
  • キーワード:SWCC、データーセンター、光ファイバ、e-Ribbon、間欠接着リボン、生成AI、テレコム、ハイパースケールデータセンター
付帯情報 プレスリリース内で使用されている画像ファイルのダウンロードが可能(プレスリリース素材)

以上が今回の発表内容の要点整理です。16心e-Ribbon®は既存の4心・8心・12心製品と同様に、配線効率と細径化を両立する間欠接着リボンとしてデータセンターやテレコムの高密度配線ニーズに応える製品となります。販売は今期第3四半期より開始され、需要に合わせた増産投資が予定されています。

本記事は、SWCCのプレスリリースに基づいて、製品の技術的特長、市場背景、販売計画および企業情報を網羅的に整理してお伝えしました。