リマ美術館所蔵のナスカ文化財9点がペルー館で展示
ベストカレンダー編集部
2025年8月20日 21:44
ナスカ 砂漠の秘密展
開催期間:8月15日〜10月13日

砂漠から来た古代の声:ペルー館で「ナスカ 砂漠の秘密」展が開幕
2025年8月15日(金)から10月13日(月・祝)まで、大阪・関西万博2025のペルー館(エンパワーリングゾーン P05)にて、特別展「ナスカ 砂漠の秘密」が開催されます。本展はペルー貿易観光促進庁(PROMPERU)が主催し、リマ美術館(MALI)の協力を得て実施される企画で、同館所蔵の貴重なナスカ文化の文化財のうち9点が来日公開されます。
会場のペルーパビリオンは開館時間が午前9時から午後9時までで、展示会期は万博の最終日である2025年10月13日(月)までです。開館時間はイベント等により変更される場合があるため、現地のファサード前に掲示される電子掲示板での確認が推奨されています。プレスリリースはPROMPERÚにより2025年8月20日09時56分に発表されました。

本展で公開される文化財と展示構成 — 物質文化と儀礼空間の再現
本展では、約1500年前のナスカ文化を代表する土器や金製品など計9点の実物が展示されます。出展品はリマ美術館(MALI)所蔵の重要資料で、ナスカ文化における自然観や宗教的実践、社会的表現を理解する上で核心的な意味を持つものです。
展示は単に遺物を並べるだけでなく、映像や音響演出により儀礼空間の雰囲気を再構成します。神話的祖先を再解釈した映像作品と、砂漠の風の音、アンタラ(土器製の儀式用パンフルート)や太鼓の音色を組み合わせた音響により、来場者はナスカの宗教的体験の一端を五感で受け取ることができます。

出展作品(リマ美術館〈MALI〉所蔵)
以下は、プレスリリースに記載された9点の作品一覧と付随する情報を網羅したものです。それぞれの作品名(日本語)に続けて、オリジナルのスペイン語名と収蔵番号を記載します。
- 1. アンタラ(土器製の儀式用パンフルート) ― 戦士(槍・投石器を持つ)の文様
- Antara con diseños de guerreros sosteniendo lanzas y estólicas (2021.19.10)
- 2. 鉢(土器) ― 花と輪の文様
- Cuenco con representación de flores y anillos (IV-2.0-0259)
- 3. 壺(土器) ― 手と階段状三角形の文様
- Botella con motivos de manos y triángulos escalonados (IV-2.0-1028)
- 4. 鉢(土器) ― フラミンゴ(パリワナ)の文様
- Cuenco con motivos de parihuanas (IV-2.0-0008)
- 5. 壺(土器) ― 鳥と花(蜜を吸う鳥=ハチドリ)の文様
- Botella con motivos de aves y flores (IV-2.0-0220)
- 6. 皿(土器) ― トカゲの文様
- Plato con motivos de lagartijas (IV-2.0-0386)
- 7. 壺(土器) ― 蛇・蛇に変化したネコ科動物・蜘蛛の文様
- Botella con motivos de serpientes, felinos-serpientes y arañas (2024.7.39)
- 8. 壺(土器) ― 擬人化された神話的存在(ミト的アンソロポモルフォ)
- Botella con representación del Ser Mítico Antropomorfo (IV-2.0-1061)
- 9. 金製鼻飾り ― ネコ科の口ひげのモチーフ
- Nariguera con representación de bigotes de felino (IV-2.2-0490)
これらの作品に見られるモチーフ、たとえばハチドリ、クモ、トカゲ、花などは、ナスカの自然観や宗教的象徴性と直結します。プレスリリースは、これらが水の循環や生命の再生を象徴し、儀礼において神聖な力を呼び起こす存在であったと説明しています。
リマ美術館(MALI)プレコロンビア美術学芸員のイサベル・コヤソス氏は、「歴史的重要性を持つ貴重なナスカの文化財を、ペルー文化省の正式な許可を経て日本に届けることができました。この機会に、ペルー館で古代ナスカ文化の奥深い精神世界と芸術的表現に触れていただければ幸いです」と語っています。

鑑賞体験とガストロノミー:音と映像、食を通じて見るナスカ
展示は視覚資料だけで終わらず、音響演出や映像によってナスカ文化の儀礼空間を再現する点が特徴です。神話的祖先を再解釈した映像作品が流れるエリアでは、土器に描かれたモチーフと地上絵との関連を示す解説映像も上映され、来場者は象徴の重層性を学ぶことができます。
また、会場ではアンタラや太鼓などの古代楽器を想起させるサウンドデザインが組み合わされます。これにより、ナスカの儀礼がもつ時間的・空間的な広がりを感じ取ることができる構成です。

ガストロノミー体験の内容
ペルー館では展示と併せて食の体験プログラムも実施されます。試飲・試食は会期中月替わりで提供され、1日あたり400食を上限に、3種類ずつのペルー料理が無料で配布されます。午前にはペルー産コーヒーやチョコレートドリンク、夜間にはピスコサワーが無料提供される日もありますが、数量に限りがあり、事前予告なく変更される可能性があります。
加えて、ペルー館前にはFOOD TRUCKが常設され、営業時間は午前9時から午後9時までです。ドリンクは500円〜、メインディッシュは800円〜、デザートは800円〜の設定となっています。営業時間や営業日の変更、価格・メニューの変更は天候、設備点検、イベント、仕入れ状況等の理由により予告なく行われる場合があります。

重要な実施情報と注意事項
本展の開催情報と注意事項を整理します。会場は大阪・関西万博のペルー館(エンパワーリングゾーン P05)で、展覧会の会期は2025年8月15日〜10月13日です。開館時間は原則9時〜21時ですが、イベントによっては変更がありますので、現地の電子掲示板の確認が必要です。
また、展示作品はリマ美術館(MALI)からの貸与品であり、ペルー文化省の正式な許可を経て来日しているものです。出展品の保全上、撮影や接触に制限が設けられる可能性があるほか、ガストロノミーの無料提供やFOOD TRUCKの営業内容も予告なく変更されることが明記されています。
展覧会情報の要点まとめ
以下の表は、本記事で取り上げた「ナスカ 砂漠の秘密」展の主要な情報を整理したものです。会期、会場、出展点数、主催・協力、開館時間、ガストロノミー情報など、来場前に確認しておきたい事項をまとめています。
項目 | 内容 |
---|---|
展覧会名 | 「ナスカ 砂漠の秘密」展 |
会期 | 2025年8月15日(金)〜2025年10月13日(月・祝) |
会場 | 大阪・関西万博2025 ペルー館(エンパワーリングゾーン P05) |
開館時間 | 原則 午前9時〜午後9時(イベント等で変更の可能性あり。現地電子掲示板で確認) |
主催・協力 | 主催:ペルー貿易観光促進庁(PROMPERU) / 協力:リマ美術館(MALI) |
出展点数 | 9点(リマ美術館所蔵の土器・金製鼻飾り等、収蔵番号を付記) |
展示の特徴 | 実物文化財の展示、神話的祖先を再解釈した映像、音響演出による儀礼空間の再現 |
ガストロノミー | 試飲・試食:月替わり、1日400食・3種類を無料提供(数量限定・予告なく変更) / FOOD TRUCK:9:00〜21:00、ドリンク500円〜、メイン800円〜、デザート800円〜 |
備考 | 展示物はペルー文化省の許可に基づく貸与品。撮影や公開の条件、供給・営業の変更については予告なく行われる場合がある。 |
以上が、ペルー館で開催される「ナスカ 砂漠の秘密」展の概要と展示内容の整理です。リマ美術館所蔵の9点という具体的な出展構成、映像と音響を用いた体験型の展示手法、会期中のガストロノミー提供やFOOD TRUCKの運営など、来場時に確認しておきたい要点をまとめました。