JCBとトレンドマイクロ、MyJCBで生成AI詐欺判定を実証
ベストカレンダー編集部
2025年8月20日 14:52
JCB×トレンド詐欺判定実験
開催期間:8月20日〜11月19日

協業の背景:増え続けるフィッシング被害と対応の必要性
2025年8月20日、株式会社ジェーシービー(以下、JCB)とトレンドマイクロ株式会社(以下、トレンドマイクロ)は、クレジットカード利用者の安全性向上を目的とした協業を発表しました。両社は、オンライン上で横行するフィッシング詐欺やなりすましによる個人情報窃取の脅威に対して、より実効性のある対策を講じる必要があると判断しています。
発表文にはフィッシング対策協議会の「フィッシングレポート2025」を出典とした国内の届出件数に関する言及があり、JCBはこれまでも会員向けの注意喚起を行ってきた一方で、増加する被害に対して一層積極的な施策が必要とされる状況であることが示されています。トレンドマイクロは35年以上の脅威リサーチ実績とグローバルなスレットインテリジェンスを有し、日本市場に特化した分析も行っている点が協業の基盤となりました。

第一弾:MyJCBアプリで提供される生成AIによる詐欺チェック実証実験
協業の第一段階として、JCBカード会員専用WEBサービス「MyJCB」のスマートフォンアプリ利用者の一部を対象に、トレンドマイクロが持つ詐欺チェック機能(生成AIによる詐欺判定)を実証実験として提供します。実証実験は2025年8月20日から11月19日まで実施予定であり、利用状況によっては早期終了の可能性があります。
本機能は、メール、SMS、SNSのメッセージ、Webサイト、オンライン広告などのスクリーンショットを送信すると、生成AIがそれらのコンテンツに詐欺の兆候が含まれていないかを分析し判定する仕組みです。さらに疑わしいリンク、メールアドレス、電話番号などの情報を入力することで、その情報自体に詐欺の可能性がないかをチェックできます。万が一詐欺の懸念がある場合には、推奨される対策を提示します。

利用の具体的な流れ
実証実験での操作はシンプルに設計されています。MyJCBアプリを介して直感的に操作できる点が特徴です。
- MyJCBアプリ内の通知画面をタップする。
- 疑わしいコンテンツ(スクリーンショットやリンク等)を送信して確認する。
- 診断結果と、診断結果に関する詳細な解説を受け取る。
この一連の流れにより、受信したメッセージの詐欺の可能性を事前に確認し、被害リスクの低減を図ることが想定されています。ただし、プレスリリースでも明記されている通り、すべての詐欺から保護できるわけではありません(※5)。

機能の技術的基盤と提供条件
詐欺判定にはトレンドマイクロの脅威データベースと詐欺コンテンツの特徴を活用し、生成AIが判定と対応方法を出力します(※2)。この機能はトレンドマイクロが提供するスマートフォン向け詐欺対策専用アプリ「トレンドマイクロ 詐欺バスター」と同等の機能であるとされています(※3)。詐欺バスターのURLは次の通りです: https://www.trendmicro.com/ja_jp/forHome/products/sb.html
対象はまずJCBが発行するクレジットカードの一部会員様に限定して提供されます(※1)。JCBグループが発行するカード会員様については、実証実験の結果を踏まえて順次展開される予定です。また、本機能はMyJCBアプリのスマートフォン利用者の一部を対象とした限定提供であり、実証実験の期間は2025年8月20日から11月19日までの予定である点が明記されています(※4)。

注記と利用上の注意
プレスリリースには複数の注釈が設けられています。代表的な注記は以下の通りです。
- ※1
- JCBが発行するクレジットカードの一部の会員様のみが対象。JCBグループ発行のカード会員様は後日展開予定。
- ※2
- トレンドマイクロの脅威データベースと詐欺コンテンツの特徴を活用し、生成AIが詐欺判定と対応方法を出力。
- ※3
- 「トレンドマイクロ 詐欺バスター」で提供される詐欺チェック機能と同等。
- ※4
- 実証実験期間は2025年8月20日〜11月19日。利用状況により早期終了の可能性あり。
- ※5
- すべての詐欺から保護できるわけではない。
両社の役割とサービスの位置づけ、関連情報
今回の協業では、JCBが会員向けの提供プラットフォーム(MyJCBアプリ)を担い、トレンドマイクロが技術的な詐欺判定エンジンとスレットインテリジェンスを提供します。JCBの代表取締役会長兼執行役員社長は二重 孝好氏、トレンドマイクロの代表取締役社長兼CEOはエバ・チェン氏とプレスリリースに記載されています。
MyJCBについては、利用金額の確認、ポイント残高の確認、メール配信による安全・安心サポート、グラフ表示や明細の検索・集計、PUSH通知による不正使用検知など、スマートフォンアプリならではの機能があることが紹介されています。トレンドマイクロは35年以上の実績を有し、クラウドやネットワーク、エンドポイントにおけるAI搭載サイバーセキュリティプラットフォームで多くの法人・個人を保護していると説明されています。
協業の経緯と期待される効果
プレスリリースは、国内のフィッシング被害の届出件数増加を踏まえ、両社が持つ強みを組み合わせることで会員の安全性向上を目指す流れを説明しています。トレンドマイクロの国際的な脅威リサーチと日本市場に合わせた分析能力、JCBの会員ネットワークとサービス提供基盤が組み合わさる点が協業の要です。
実証実験の結果により、本機能の提供範囲、機能改善、さらに別のセキュリティ施策の展開が検討されます。なお、プレスリリースでは2025年8月20日時点の情報であり、内容は全部または一部が変更される可能性があることが明記されています。
まとめ:今回の協業で提供される主要ポイントの整理
以下の表は、本プレスリリースで示された主要な情報を整理したものです。項目ごとに日付や対象、提供内容、注意点などを簡潔にまとめています。表の後に短く総括します。
項目 | 内容 |
---|---|
発表日 | 2025年8月20日 13時00分 |
協業企業 | 株式会社ジェーシービー(JCB)/トレンドマイクロ株式会社 |
代表者 | JCB:二重 孝好(代表取締役会長兼執行役員社長)/トレンドマイクロ:エバ・チェン(代表取締役社長兼CEO) |
第一弾の施策 | MyJCBアプリ利用者の一部を対象に、生成AIによる詐欺判定チェック機能を実証実験として提供 |
実証実験期間 | 2025年8月20日〜2025年11月19日(利用状況により早期終了の可能性あり) |
対象 | JCBが発行するクレジットカードの一部会員のスマートフォン版MyJCBアプリ利用者(JCBグループ発行のカードは後日展開予定) |
機能の内容 | メール/SMS/SNS/Webサイト/広告等のスクリーンショットやURL、電話番号等を生成AIが分析して詐欺の兆候を判定、疑いがある場合は対策を提示 |
技術的基盤 | トレンドマイクロの脅威データベースと詐欺コンテンツ特徴を活用した生成AI(「トレンドマイクロ 詐欺バスター」と同等の機能) |
注意事項 | すべての詐欺を防げるわけではない。情報は2025年8月20日時点で変更の可能性あり |
関連URL | https://www.trendmicro.com/ja_jp/forHome/products/sb.html |
備考 | プレスリリース原文にPDF版の案内あり。Copyright (c) 2025 Trend Micro Incorporated. All Rights Reserved. |
本稿では、発表された協業の背景、提供される詐欺チェック機能の具体的な利用フロー、技術的基盤や対象範囲、注記や注意点までを整理しました。実証実験の結果によっては、JCBグループ全体への展開やさらに広範なセキュリティ施策の導入が検討される見通しが示されていますが、現時点では期間や対象、保護の限界について明確に留意する必要があります。
以上がプレスリリースに基づく報告内容の整理です。