小児がんリハビリを変えるVR、9月TGSで初公開

小児がんVRリハビリ公開

開催日:9月1日

小児がんVRリハビリ公開
これっていつどこで見られるの?
2025年9月開催の東京ゲームショウ2025の「オールアクセシビリティーコーナー」で初公開。来場者向けに魔法使いと自転車の2種類を実機体験できるデモが予定されています。
どんな機能でリハビリを助けるの?
腕の動きをモーションセンサーで正確に検出する魔法使いコンテンツや、エルゴメーター連動のサイクリングで持久力を鍛える下肢訓練を実装。負荷調整とデータ可視化で安全に継続できる設計です。

長期入院を抱える小児がん患者の課題に向き合う取り組み

学校法人電子学園 日本電子専門学校(所在地:東京都新宿区百人町1-25-4、校長:杉浦 敦司、創立:1951年)は、国立大学法人 岡山大学(所在地:岡山県岡山市北区津島中1丁目1番1号、学長:那須 保友、創立:1870年)と共同で、小児がん患者を対象としたVRリハビリテーションプログラムを開発しました。プレスリリースは2025年8月19日 15時00分に発信されています。

開発の背景には、小児がん治療に伴う長期入院がもたらす身体的な筋力低下と、精神的ストレスの問題があります。これらはリハビリ継続の妨げとなり得るため、患者の負担を軽減しモチベーションを高める取り組みとして、エンターテインメント性を取り入れたVRコンテンツの活用が検討されました。

「つらい」を「楽しい」へ。小児がんリハビリを変えるVRコンテンツを岡山大学と共同開発~東京ゲームショウ2025 「オールアクセシビリティーコーナー」で公開~ 画像 2

対象と目的の明確化

対象は小児がん患者であり、目的は①筋力や持久力の回復支援、②精神的ストレスの軽減、③リハビリ継続のためのモチベーション向上です。研究では臨床ニーズを起点に、医療側の要求をゲーム開発の専門技術で解決することを目指しています。

本プロジェクトでは「ゲームの力で社会課題を解決する」というテーマを掲げ、単なる娯楽に留まらない“役立つゲーム”の実装を目標としています。学生と教員が協働し、社会実装に向けたプロトタイプの具現化を行いました。

「つらい」を「楽しい」へ。小児がんリハビリを変えるVRコンテンツを岡山大学と共同開発~東京ゲームショウ2025 「オールアクセシビリティーコーナー」で公開~ 画像 3

学科横断チームと臨床現場の協働体制

開発には日本電子専門学校の複数学科から学生が参加しました。参加学科はゲーム制作科、アニメーション科、アニメーション研究科、コンピュータグラフィックス科、電子応用工学科です。これにより、ゲームデザイン、映像表現、モデリング、電子機器連携といった多面的な技術が統合されました。

共同研究の臨床側には岡山大学 学術研究院 医歯薬学域(医)長谷井 嬢 教授(整形外科)が関与し、実際の治療・リハビリ現場のニーズを提示しました。これに応じて開発チームが機能要件を整理し、臨床で使えるプロトタイプの開発に結び付けています。

学生の役割と教育的意義

  • ゲーム制作科:ゲーム設計、スコアリングやユーザーインターフェース設計。
  • アニメーション科/アニメーション研究科:キャラクター表現、演出、映像表現。
  • コンピュータグラフィックス科:3Dモデリング、環境デザイン。
  • 電子応用工学科:モーションセンサー・エルゴメーターとのハード連携、データ計測。

このプロジェクトは教育現場における実践的な学習機会としての側面も持ち、学生は医療ニーズとの対話を通じて社会実装を意識した開発経験を積んでいます。

具体的なVRリハビリコンテンツの内容

開発されたVRコンテンツは2種類です。いずれも患者の状態に合わせて運動負荷や感度を調整する機能、トレーニングデータの可視化機能を備え、安全性と効果の両立を意図しています。

以下に各コンテンツの詳細を示します。両者ともゲーム的要素を取り入れ、反復動作や持久動作を楽しく継続できる設計となっています。

① 魔法使いコンテンツ(上肢訓練)

腕を上げる動作に連動してVR空間内で魔法を発動できる仕様です。プレーヤーの腕の動きをモーションセンサーが正確に認識し、演出やスコア表示、フィードバックによって反復動作を誘導します。

主な機能は次の通りです。

  • モーションセンサーによる動作認識(腕の角度・速度を計測)。
  • ゲーム的演出(魔法発動、エフェクト、スコア付与)。
  • 運動負荷や感度の個別調整機能。
  • トレーニングデータの記録と可視化。

② 自転車コンテンツ(下肢・持久力訓練)

自転車エルゴメーターと連携し、仮想空間でサイクリングを行う設計です。速度表示や風景の変化などで没入感を高め、一定の目標を設定することで持久力トレーニングに取り組みやすくしています。

主な機能は次の通りです。

  • エルゴメーター連携によるペダル負荷・速度の計測。
  • 仮想環境の変化(風景・時間帯・エフェクト)で没入感を提供。
  • 目標設定と進捗表示、トレーニングデータの可視化。
  • 患者ごとの運動負荷調整による安全性確保。

共通の設計方針とデータ利活用

両コンテンツは、患者の年齢や体力レベル、治療状況に応じた細やかなチューニングが可能です。運動負荷や感度、センサ閾値などを調整することで無理のないリハビリを支援します。

また、トレーニングデータは可視化機能により記録・分析され、リハビリの進捗評価や臨床判断に役立てられる想定です。これによりリハビリ計画の個別最適化が図れます。

公開予定と関係機関の情報

本コンテンツは、2025年9月開催予定の「東京ゲームショウ2025」にて初公開されます。出展場所は新設の「オールアクセシビリティーコーナー」で、障がいの有無を問わず誰もが楽しめるゲームを紹介するエリアに展示されます。

公開に際しては、来場者が実際に体験できる形でのデモ展示を予定しており、臨床や教育現場、福祉・介護分野などさまざまな関係者がプロトタイプを確認できる機会となります。

関係機関の概要

学校法人電子学園 / 日本電子専門学校
所在地:東京都新宿区百人町1-25-4
校長:杉浦 敦司
創立:1951年
教育分野:ゲーム、CG・映像、アニメ、デザイン、情報処理、AI、Web・モバイル、ネットワーク・セキュリティ、電気・電子 計9分野 昼21学科・夜4学科
URL:https://www.jec.ac.jp/
国立大学法人 岡山大学
所在地:岡山県岡山市北区津島中1丁目1番1号
学長:那須 保友
創立:1870年
教育分野:文学部、教育学部、法学部、経済学部、理学部、医学部、歯学部、薬学部、工学部、環境理工学部、農学部、グローバル・ディスカバリー・プログラム
URL:https://www.okayama-u.ac.jp/

その他のプレスリリース付随情報

プレスリリース内で使用されている画像ファイルはダウンロード可能となっており、イベントや報道に利用できる素材が提供されている旨が明記されています。

本プロジェクトはビジネスカテゴリとして「学校・大学」「福祉・介護・リハビリ」に分類され、キーワードとしては「岡山大学」「日本電子専門学校」「リハビリ」「VR」「ゲーム」「東京ゲームショウ」「小児がん治療」「作品出展」などが列挙されています。また、カテゴリとしてのイベント出展情報(type:イベント)も示されています。

要点整理(表形式)

以下に、本記事で扱った主な情報を表にまとめます。プロジェクトの目的、開発体制、コンテンツの特徴、公開予定などを整理しました。

項目 内容
プレスリリース発信者 学校法人電子学園 日本電子専門学校(校長:杉浦 敦司)
共同研究機関 国立大学法人 岡山大学(学長:那須 保友、関与者:学術研究院 医歯薬学域(医)長谷井 嬢 教授(整形外科))
発表日時 2025年8月19日 15時00分
プロジェクト目的 小児がん患者の長期入院に伴う筋力低下・精神的ストレスの軽減、リハビリ継続のモチベーション向上
開発体制 日本電子専門学校の学科横断チーム(ゲーム制作科、アニメーション科、アニメ研究科、CG科、電子応用工学科)と岡山大学の臨床側
開発コンテンツ ① 魔法使いコンテンツ(上肢訓練:モーションセンサーで腕の動作を検出しゲーム的演出で誘導)
② 自転車コンテンツ(下肢・持久力訓練:エルゴメーター連携で仮想サイクリング)
主な機能 運動負荷の細かな調整、センサー連携、トレーニングデータの可視化、ゲーム的フィードバック
公開予定 東京ゲームショウ2025(2025年9月開催予定)「オールアクセシビリティーコーナー」にて初公開
関連情報 画像素材のダウンロード提供あり。ビジネスカテゴリ:学校・大学、福祉・介護・リハビリ。キーワード群がプレスに付随。

以上の表は、本プロジェクトの主要な要素を整理したものです。開発の目的、参加組織、コンテンツの機能や公開予定などを一目で確認できるようにまとめています。