SkyDrive、万博で海上デモ飛行 機体搭載映像を初公開

SKYDRIVE海上デモフライト

開催日:8月18日

SKYDRIVE海上デモフライト
どこでいつ見られるの?
8/21〜24は万博のEXPO Vertiport付近で各日9:30頃(場合により11:30に2便)。9/15〜23は大阪港バーティポートでの見学会(事前予約制)。最新は公式アプリやSNSで確認して。
商用化っていつごろ始まるの?
SkyDriveは型式証明を早ければ2026年に目指しており、サービス開始はOsaka Metroと2028年目途、JR九州連携の別府周辺も2028年度頃を想定しています。

大阪・関西万博での海上デモフライト──主要関係者が見守る中で実施

2025年8月18日、株式会社SkyDriveは大阪・関西万博会場において、同社が開発する空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」の海上デモフライトを行いました。デモフライトは大阪府知事や行政・産業界・研究機関など関係者が視察する中で実施され、機体搭載カメラによる映像も公開されています。

今回のデモは、SkyDriveの技術を一般に示すための公開フライトとして位置づけられており、視察には大阪府知事の吉村洋文氏、ドローン議連会長の田中和徳氏、国土交通省 航空局の田口芳郎部長、経済産業省 次世代空モビリティ政策室長の古市茂氏、宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事補佐の伊藤健氏、そして充電設備を提供する関西電力株式会社 副社長の藤野研一氏が出席しました。

吉村府知事、JAXA、関西電力などが見守る中、海上デモフライトを実施 画像 2

公開された機体搭載カメラ映像の詳細

SkyDriveは8月16日午前9時30分頃に撮影した、機体搭載カメラの映像を公開しました。映像は「空飛ぶクルマ」の目線で海上および万博会場周辺の景観をとらえたもので、現地の空間把握や飛行時の視界を示す資料として活用されます。

映像は以下のURLで視聴できます。撮影日時と飛行実績の数値も併せて公表されています。

吉村府知事、JAXA、関西電力などが見守る中、海上デモフライトを実施 画像 3

視察者のコメントと技術的連携の位置づけ

デモフライトの視察に際して、出席した各氏からは空飛ぶクルマの可能性や日本発の技術としての期待を示すコメントが発表されました。以下に発言の要旨を整理します。

コメントは、実際に機体に触れて操縦システムを確認した上での評価や、産業化に向けた期待を含む内容となっています。

吉村府知事、JAXA、関西電力などが見守る中、海上デモフライトを実施 画像 4

吉村洋文(大阪府知事)

吉村知事は実際の機体を視察した感想として、「空飛ぶクルマは空の移動革命になると確信しました」と述べ、観光遊覧に加え災害対策や低高度での自由な移動といった用途を挙げました。

また、身近なエリア(新大阪駅、ベイエリア、大阪城公園、関空など)を自由に飛び回る世界が到来する可能性を指摘し、国産機体であるSkyDriveを応援したいとの意向を示しています。万博の場での飛行は空の移動革命への一歩であると評価しました。

田中和徳(無人航空機普及・利用促進議員連盟会長)

田中氏はSkyDriveによる海上デモフライトを「日本のスタートアップ企業が持つ高い技術力と挑戦の意義を示す機会」と位置づけました。空飛ぶクルマは観光やイベントの新しい体験にとどまらず、日常の移動手段、物流、防災・災害対応など幅広い分野での実用化が期待されると述べています。

また、地方創生や地域間交流の促進に寄与する産業としての育成支援を継続する意向を示しました。

古市茂(経済産業省 次世代空モビリティ政策室長)

古市氏は空飛ぶクルマを新しい交通サービスと位置づけ、産業として発展させるためには機体や運航管理システムの技術開発、産業基盤の整備に加え、国内市場の将来像の描出が重要だと述べました。

経済産業省としては環境整備、需要創出、そして市場開拓の支援を行う方針であり、SkyDriveに対しては国産機体メーカーとして市場開拓や関連産業育成を牽引することを期待するとしています。

伊藤健(JAXA 理事補佐)

伊藤氏は日本発の技術が実機として飛行する姿を高く評価し、航空技術・航空産業の発展や都市間・都市内輸送の革新に向けた意義を強調しました。JAXAは騒音予測・低減技術や風洞試験評価に関する共同研究などで協力しており、今後も技術課題の解決に向けた連携を続ける姿勢を示しています。

以上のコメントは、官民連携による制度設計や技術支援を踏まえたうえでの評価と位置づけられます。

デモフライトの運航予定、観覧方法、今後の見学会および商用化に向けた動き

SkyDriveは大阪・関西万博会場におけるデモフライトの具体的なスケジュールや観覧に関する注意事項を公表しています。併せて、2025年9月以降に予定する見学会の詳細、そして型式証明や商用化に向けた取り組みも発表されました。

以下に、公開されたスケジュールや注意点、9月以降の見学会、商用化に関する計画を整理します。

大阪・関西万博(8月)のデモフライト予定と観覧方法

8月のデモフライトは下記のように予定されています。なお、天候や機体メンテナンス等の状況によりスケジュール変更や中止、運休があり得る旨が明記されています。

  • 8月21日(木) 9時30分頃
  • 8月22日(金) 9時30分頃
  • 8月23日(土) 9時30分頃
  • 8月24日(日) 9時30分頃

注意事項として、天候や機体整備次第で11時30分頃に2便目を行う場合があること、情報は万博公式アプリ「EXPO 2025 Visitors」およびSkyDriveのSNSで案内されることが明示されています。

観覧方法は事前予約不要で、当該時間にEXPO Vertiport周辺に来場すればよい一方、デモ中はBluetoothやWi‑Fi等発信する電子機器を機内モードにするか電源を切るよう案内されています。EXPO Vertiportは屋内観覧スペースがなく、隣接する団体休憩所などを活用するよう呼びかけています。混雑が予想されるため係員の指示に従うことや熱中症対策を個々に行う旨の注意も記載されています。

2025年9月15日以降の見学会(大阪港バーティポート)

9月には大阪港バーティポートでのデモフライト見学会が開催されます。期間・入場方法・定員等について詳細が公表されています。

期間
2025年9月15日(月・祝)〜9月23日(火・祝)※9月17日(水)・9月18日(木)は休業
時間
9:30開始(9:15以降は入場不可)、11:30開始(11:15以降は入場不可)。各回ともデモフライト開始1時間前から受付。
定員
各回先着100人、事前予約制(運営状況により増員の可能性あり)
料金
無料
場所
大阪港バーティポート(大阪市港区海岸通1丁目105番5地内及び地先)。最寄り駅:Osaka Metro中央線 大阪港駅 徒歩約10分

商用化に向けた取り組みと国内連携

SkyDriveは型式証明の取得に向けた活動を進める一方、国内外のパートナーと連携して商用化の事業検討を加速しているとしています。具体的な協業先や目標時期も公表されています。

同社はOsaka Metroと協業し、2028年を目途に森之宮エリアでサービス開始を目指す計画を示しています。さらにJR九州との協業により、2028年度頃を目標に別府湾での遊覧サービスや別府—湯布院を結ぶエアタクシーの運航開始を目指す方針です。

また、開発・製造面ではスズキ株式会社を製造パートナーとして、2024年3月からスズキグループの工場で製造を開始していること、型式証明取得の目標時期を早ければ2026年としている点も公表されています。

SkyDriveの会社情報と参考リンク、今回のポイント整理

ここではSkyDriveの基本データ、関連公開資料、そして本記事で取り上げた主要事項を分かりやすく整理します。公表された資料やリリースの出典も明記します。

会社概要や関連リンクは、技術や取り組みを理解するうえで重要な補助情報です。

SkyDriveの概要(公表情報)

社名
株式会社SkyDrive
設立
2018年7月
代表者
代表取締役CEO 福澤知浩
本社所在地
豊田本社:愛知県豊田市挙母町2-1-1(ほか複数拠点)
事業内容
「空飛ぶクルマ」の開発、ドローンサービスの提供。3人乗り機体を開発中、スズキと連携して工場での製造を開始。
URL
https://skydrive2020.com/
子会社
株式会社Sky Works(静岡)、SkyDrive America, Inc.(米国)

参考資料・出典

重要ポイントの表形式まとめ

項目 内容
デモフライト実施日(視察) 2025年8月18日(視察実施)
公開映像 機体搭載カメラ映像(撮影:2025年8月16日 9:30頃)URL: https://www.youtube.com/watch?v=e9aD9Gmiiwg
映像内の飛行実績 飛行時間 5分14秒、飛行距離 720m、最高高度 27m
主な視察出席者 吉村洋文(大阪府知事)、田中和徳(ドローン議連会長)、田口芳郎(国交省 航空局)、古市茂(経産省 次世代空モビリティ政策室長)、伊藤健(JAXA 理事補佐)、藤野研一(関西電力 副社長)ほか
8月 デモフライト予定 8/21〜8/24 各9:30頃(天候・整備等により2便目11:30頃の場合あり)観覧は事前予約不要、EXPO Vertiport周辺にて観覧
9月 見学会 2025/9/15〜9/23(9/17,9/18休業)各回9:30、11:30。各回先着100名・事前予約制、無料。大阪港バーティポート
商用化目標 型式証明取得に向け活動中(目標:早ければ2026年)。Osaka Metroと協業し2028年目標で森之宮エリアでのサービス開始、JR九州と協業し2028年度頃に別府湾遊覧や別府—湯布院のエアタクシー開始を目指す
製造 製造パートナー:スズキ(2024年3月からスズキグループ工場で製造開始)
会社情報 株式会社SkyDrive(設立2018年7月、代表:福澤知浩、本社:愛知県豊田市)URL: https://skydrive2020.com/

本稿では、SkyDriveが大阪・関西万博で実施した海上デモフライトの経緯、公開映像の内容、視察者のコメント、今後の公開スケジュールおよび商用化に向けた主要な取り組みを網羅的に整理しました。公表された情報は今後の運航スケジュール変更や天候等の要因により更新される可能性がありますので、最新情報は万博公式アプリやSkyDriveの公式発表をご確認ください。

参考リンク: