戦後80年の節目に実施 JCI広島・東京研修7日間レポ
ベストカレンダー編集部
2025年8月17日 18:51
広島・東京7日間研修
開催期間:7月25日〜7月31日

戦後80年の節目に行われた多国籍の若者研修——広島・東京を巡る7日間
公益社団法人日本青年会議所(所在地:東京都千代田区麹町2丁目12-1 VORT半蔵門7F、会頭:外口 真大)は、2025年7月25日から31日にかけて、「JCI JAPANグローバルユース国連大使2025」の一環として広島・東京研修を実施しました。プレスリリースは2025年8月17日16時32分に発表されています。
本研修は、2017年に開始された中高生対象の青少年育成プロジェクトであるJCI JAPAN グローバルユース国連大使の2025年度プログラムの重要な機会です。2025年は第二次世界大戦終結から80年を迎える年にあたり、研修では戦争の歴史を学び、恒久的世界平和の実現に向けた若者の役割を考えることに重点が置かれました。

趣旨と位置づけ
本プロジェクトは、日本と世界の将来を担う中高生に対し、国内外での研修を通して多様な文化や価値観と触れ合う機会を提供することで、国際社会で課題解決に取り組む人材を育成することを目的としています。
2025年度は特に「恒久的世界平和の実現」をテーマに掲げ、今回初めての相互海外派遣を実施。ドイツ青年会議所(JCIドイツ)の協力を得て、日本とドイツの学生がパートナーを組み、両国で研修を行うプログラム設計となりました。

7日間の行程と学びの中身
研修は7日間にわたり、広島での被爆地学習と東京での外交・異文化理解に関する学びを組み合わせて実施されました。行程は以下の通りです。
日程は2025年7月25日(金)から7月31日(木)まで。訪問先や講演、グループワークなど多様なプログラムが組み込まれています。
- Day1(7月25日):東京から広島へ移動し、参加学生によるウェルカムパーティーで交流を深めました。
- Day2(7月26日):オリエンテーションの後、グローバルピースサミットに参加し、各国の参加者とともに世界平和について議論しました。
- Day3(7月27日):原爆ドーム・広島平和記念資料館を見学、UNITAR(国連ユニタール)による講演を受講。広島原爆死没者追悼平和祈念館では被爆体験語り部の笠原貞江氏による講話が行われました。
- Day4(7月28日):厳島神社(宮島)にて平和学習を実施し、歴史と宗教・文化に根ざした平和の考え方に触れました。
- Day5(7月29日):東京に移動後、ドイツ連邦共和国大使館を訪問。大使や職員からドイツの外交政策や戦後復興、国際関係について講話を受けました。同日、東京スカベンジャーハントを実施。学生は7班に分かれて訪問先を自ら計画し、電車のルートや所要時間も自分たちで調べて行動しました。訪問先には靖国神社、明治神宮、昭和館、千鳥ヶ淵戦没者墓苑などが含まれます。
- Day6(7月30日):ピースボート共同代表・吉岡達也氏による講演を受け、広島と東京で得た学びを踏まえてグループ発表を行いました。テーマは「戦争の悲劇を二度と繰り返さないために次世代へどう伝えるか」。各グループが討議を重ね、質の高いプレゼンテーションを作成しました。
- Day7(7月31日):成田空港にてドイツからのグローバルピース国連大使(ドイツの学生)を見送り、研修は終了しました。

講演者・プログラム提供者
研修では国連ユニタール(UNITAR)によるプログラム提供に加え、被爆体験語り部の笠原貞江氏、ピースボート共同代表の吉岡達也氏が講演を行いました。ドイツ大使館職員による異文化理解・外交に関する講話もプログラムの重要な柱となりました。
また、ドイツ青年会議所(JCIドイツ)の協力により、日独双方の学生が相互理解を深める取組みが進められました。

参加者構成と現地での議論・成果
参加者は多国籍で、日本の学生20名、ドイツの学生12名に加え、諸外国の学生10名が参加しました。諸外国参加の内訳はハワイ2名、アルゼンチン2名、台湾4名、フィリピン1名、インドネシア1名です。
研修中、学生たちは国や地域ごとに異なる歴史認識や価値観の違いに直面しましたが、対話を重ねることで相互理解を深め、平和に関する共通の認識を形成していきました。特にグループワークでは「平和とは何か」を単なる『戦争の不在』ではなく、互いを思いやり尊重し合える関係性として捉え直す議論が多数示されました。
- 挙がった主な提案
- ・本事業のような国際的な若者交流プログラムを各国で実施し、国を繋ぐ取組みを拡大する。
- ・小学生にも分かりやすい絵本などの教材を通じて平和教育を促進する。
- ・平和に関する博物館等を運営し、戦争の悲劇を継続的に伝える。

参加者の声
研修参加者からは以下のような感想が寄せられました。これらは研修で得られた学びと自己の意識変容を示しています。
- 「平和とは誰かがつくるものではなく、私たち一人ひとりがつくっていくものだと実感した」
- 「平和は互いの思いやりと尊重から成るという理解に至った」
- 「文化や教育による認識の違いも対話で埋められると確信した」
- 「被爆体験者の『愛の心を持って生きてほしい』という言葉が印象に残った」
- 「被爆体験の苦悩と立ち直りを理解でき、継承の必要性を強く感じた」

今後の予定と発信窓口
本研修は広島・東京での学びを基盤に、さらにドイツ研修や国際舞台での発信へとつながります。日独の大使たちは8月にドイツでの研修を行い、2025年11月にチュニスで開催されるJCI世界会議(JCI世界会議チュニス大会)で恒久的世界平和に向けた提案を世界に発信する計画です。
下記が正式に発表された今後のスケジュールです。
- ドイツ研修:2025年8月24日(日)~8月31日(日)
- 研修後の啓発活動:2025年7月~11月
- JCI世界会議チュニス大会での報告:2025年11月(チュニジア・チュニス)
- 活動報告会および解団式:2025年11月15日(土)@JICA地球ひろば(東京)
活動や現地からの発信はInstagramで随時行われています。公式アカウントは@jcijp_gyambassadorです。また、主催団体のウェブサイト(https://www.jaycee.or.jp/)にも関連情報が掲載されています。
研修概要の整理(要点を表でまとめる)
以下の表に、本記事で取り上げた研修の主要事項を整理しました。日程、参加者構成、主催、主要プログラム、今後のスケジュールなどを一目で確認できます。
項目 | 内容 |
---|---|
研修名 | JCI JAPAN グローバルユース国連大使「広島・東京研修」 |
主催 | 公益社団法人日本青年会議所、JCIドイツ(ドイツ青年会議所) |
実施期間 | 2025年7月25日(金)~7月31日(木) |
発表日時 | 2025年8月17日 16:32 |
実施場所 | 広島(広島平和記念資料館、広島原爆死没者追悼平和祈念館、原爆ドーム、厳島神社等)、東京(ドイツ連邦共和国大使館、靖国神社、明治神宮、昭和館、千鳥ヶ淵戦没者墓苑等) |
参加者 | 日本の学生20名、ドイツの学生12名、諸外国の学生10名(ハワイ2、アルゼンチン2、台湾4、フィリピン1、インドネシア1) |
主なプログラム | ウェルカムパーティー、グローバルピースサミット、原爆ドーム・平和記念資料館見学、UNITAR講演、被爆体験語り部講話(笠原貞江氏)、厳島神社での平和学習、ドイツ大使館講話、東京スカベンジャーハント、吉岡達也氏講演、グループ発表 |
今後のスケジュール | ドイツ研修:2025年8月24日~8月31日、研修後啓発活動:2025年7月~11月、JCI世界会議チュニス大会での報告:2025年11月、活動報告会・解団式:2025年11月15日(JICA地球ひろば) |
発信窓口 | Instagram:@jcijp_gyambassador、Web:https://www.jaycee.or.jp/ |
以上が、本研修の実施内容と主要な成果の整理です。広島・東京での学びは、参加した若者たちの平和に対する認識を深化させ、今後のドイツ研修やJCI世界会議での提案へとつながる予定です。
参考リンク: