秋田で進む油谷コレクション整理、民具ラボが大詰め

民具整理作業大詰め

開催期間:8月3日〜8月25日

民具整理作業大詰め
作業はいつどこでやってるの?
秋田市文化創造館のスタジオで、2025年8月3日〜8月25日に実施中。公開は火曜を除く毎日10:00〜18:00で、当日飛び入りのボランティア参加も可能です。
どれくらい整理できてるの?収集品はどのくらいあるの?
報告時点で21名のボランティアが参加し611点を整理済み。収集家・油谷満夫さんのコレクションは約50万点とされ、うち約20万点は秋田市に寄贈されています。

秋田市文化創造館で進む分類整理作業が最終局面に入る

NPO法人アーツセンターあきた(秋田市、理事長:藤浩志)が展開するプロジェクト「民具とアートとアーカイブの研究会(通称:民具ラボ)」は、秋田市在住の収集家・油谷満夫さんが70年以上にわたり収集した民具類のうち、未分類・未整理の品群を借用して、秋田市文化創造館を拠点に分類整理を行う活動を2025年8月3日(日)から開始しています。

当初の予定では分類整理作業は8月25日(月)まで行う計画で、報道発表時点の2025年8月17日(日)には作業が大詰めを迎えていました。これまでに21名のボランティアが参加し、合計611点の資料の整理を完了しています。作業は毎日18時に終了し、油谷さんやボランティア、スタッフ、来場者とともに記念撮影が行われてきました。

秋田市文化創造館で開催中の民具の分類整理活動が大詰め-民具とアートとアーカイブの研究所(民具ラボ) 画像 2

作業開始からの記録と進捗

分類整理作業は0日目(8月3日)に始まり、以降連日行われています。プレスリリースに記載された記録写真撮影の日程には、以下の日付が含まれます。

  • 0日目(8月3日)
  • 1日目(8月4日)
  • 2日目(8月5日)
  • 3日目(8月6日)
  • 4日目(8月7日)※集合写真の撮影なし
  • 5日目(8月8日)
  • 6日目(8月9日)
  • 8日目(8月12日)
  • 9日目(8月13日)
  • 10日目(8月14日)
  • 11日目(8月15日)
  • 12日目(8月16日)

これらの撮影日を含め、整理作業は記録と可視化を重視して進められており、残り1週間の期間で記録撮影を完了させ、梱包・倉庫への収納までを終える見込みです。

秋田市文化創造館で開催中の民具の分類整理活動が大詰め-民具とアートとアーカイブの研究所(民具ラボ) 画像 3

収集家・油谷満夫さんのコレクションと背景

油谷満夫さん(あぶらや みちお、91歳)は、20代の頃から民具や農具、生活用具などを幅広く収集してきました。その収集点数は現在50万点を優に超えるとされており、うち20万点は秋田市に寄贈され「秋田市油谷これくしょん」として展示・公開されています。

民具ラボでは市に寄贈された20万点以外の、油谷さん個人所有の未整理の民具群をお借りして分類整理を行っており、これらの多くは県内各地の倉庫に保管されていたものです。油谷さんのこれまでの歩みは、県立大曲農学校卒業後、昭和25年から収集を開始し、昭和54年から13年間角館町「青柳家」に「民具の館」を開館、その後「平鹿町農村文化伝承館」の主任、平成4年には秋乃宮博物館を開館するなど、長年にわたり地域の民具文化の保存・発信に関わってきました。

秋田市文化創造館で開催中の民具の分類整理活動が大詰め-民具とアートとアーカイブの研究所(民具ラボ) 画像 4

コレクションの規模と寄贈の内訳

油谷さんのコレクションは数と多様性の両面で注目されます。以下に収集と寄贈に関する要点を整理します。

総収集点数
50万点を超えるとされる(報告値)
秋田市へ寄贈された点数
約20万点(「秋田市油谷これくしょん」として展示・公開)
今回の民具ラボで扱う対象
寄贈対象以外の個人所有分の未分類・未整理品

収集品には年代や用途、素材が多岐にわたり、農具・生活用具・手工業に関する道具類など様々なカテゴリが含まれます。

秋田市文化創造館で開催中の民具の分類整理活動が大詰め-民具とアートとアーカイブの研究所(民具ラボ) 画像 5

分類整理の手順と公開方法

今回の分類整理は第3回目にあたる取り組みで、秋田市内にある倉庫から2トントラックに積めるだけの資料を搬出し、秋田市文化創造館のスタジオ(約400㎡)に広げて行われています。スタジオは作業場として使われるだけでなく、作業の様子を公開する場としても機能しています。

作業の手順はシンプルかつ徹底的です。類似品をまとめ、名称と用途を確認し、聞き取りや調査結果をカードに記入して1点ずつ撮影・記録した上で梱包し、倉庫へ収納します。調査や聞き取りには収集者である油谷さんの経験知が活用され、ボランティアや研究者、表現者が参加することで知見が蓄積されています。

秋田市文化創造館で開催中の民具の分類整理活動が大詰め-民具とアートとアーカイブの研究所(民具ラボ) 画像 6

分類整理の具体的な流れ

  1. 類似する分野のものを集める
  2. 名称や用途を調べる、または油谷さんから聞き取りを行いカードに記入する
  3. 1点ずつ記録撮影する
  4. 箱に梱包する
  5. 倉庫に収納する

作業は火曜を除く毎日10:00~18:00に一般公開されており、当日飛び入りでのボランティア参加も可能とされています。プレスリリース時点では残り1週間の期間で記録撮影と梱包作業を進める段階にありました。

秋田市文化創造館で開催中の民具の分類整理活動が大詰め-民具とアートとアーカイブの研究所(民具ラボ) 画像 7

市内の関連展示と民具ラボの組織体制

秋田市文化創造館での分類整理活動に並行して、秋田駅ビル アルス地下1階の「あきた まちのえき 夏」では「民具ラボ出張所」が、明徳館ビル1階の旧福祉相談センター等では「民具ラボ展」が開催されています。これらの会場はいずれも8月24日(日)まで公開される予定で、活動の紹介と展示を通じて市民に取り組みの全体像を伝えています。

民具ラボは研究者や表現者、ボランティアがネットワークを組んで取り組むプロジェクトで、NPO法人アーツセンターあきたが主催しています。立ち上げメンバーには服部浩之(キュレーター、東京藝術大学 准教授)、藤浩志(美術家、秋田公立美術大学 教授)、國政サトシ(現代美術家、名古屋芸術大学 講師)、高橋卓久真(アーティスト・研究者、秋田公立美術大学 助教)らが名を連ね、助成は公益財団法人 野村財団から受けています。

秋田市文化創造館で開催中の民具の分類整理活動が大詰め-民具とアートとアーカイブの研究所(民具ラボ) 画像 8

関連展示と公開スケジュールの詳細

展示名 会期 会場 備考
民具ラボ出張所 2025年7月19日(土)〜8月24日(日)10:00〜18:00 秋田駅ビル アルス地下1階(秋田市中通7-2-1) 火曜定休/8月5日は開場。前半:7/19〜8/6、後半:8/9〜8/24。8/7、8/8は一部展示設営を公開
民具ラボ展 2025年8月7日(木)~8月24日(日)11:00~17:00 旧福祉相談センター等(秋田市中通2丁目1-51 明徳館ビル1階) 8/10〜8/17は休館。最終日8/24は15:00まで

また、分類整理作業自体は秋田市文化創造館のスタジオで行われ、一般公開時間は火曜を除く10:00〜18:00で、参加型の活動として来訪者やボランティアがその場で作業に加わることが想定されています。

秋田市文化創造館で開催中の民具の分類整理活動が大詰め-民具とアートとアーカイブの研究所(民具ラボ) 画像 9

整理した情報の要点まとめ

以下の表は、本記事で取り上げた主要な事実を整理したものです。プロジェクトの期間、会場、協力者、作業の進捗などを一目で確認できます。

項目 内容
主催 NPO法人アーツセンターあきた
プロジェクト名 民具とアートとアーカイブの研究会(通称:民具ラボ)
発表日時 2025年8月17日 14時30分(プレスリリース日時)
分類整理作業期間 2025年8月3日(日)〜8月25日(月)まで実施(プレス時点で残り1週間)
公開時間(文化創造館) 火曜を除く10:00〜18:00(当日飛び入りでのボランティア参加可能)
既整理点数 611点(21名のボランティアによる作業)
油谷満夫さんの総収集点数 50万点を超える(うち20万点を秋田市へ寄贈)
関連展示 「民具ラボ出張所」(秋田駅ビル アルス地下1階、7/19〜8/24)、「民具ラボ展」(明徳館ビル1階、8/7〜8/24)
立上げメンバー 服部浩之、藤浩志、國政サトシ、高橋卓久真、NPO法人アーツセンターあきた(他)
助成 公益財団法人 野村財団
関連リンク https://www.artscenter-akita.jp/archives/56495

上の表は今回の活動の要点を整理したもので、分類整理の進行状況、公開スケジュール、収集家のコレクション規模、プロジェクトの主要メンバーと助成情報を含んでいます。記事本文では、作業手順や展示会の期間・会場情報、ボランティア参加の呼びかけなど、プレスリリースに記載されたすべての情報を反映しました。

参考リンク: