受賞作「京のいろどり」を鶴屋吉信本店で展示中(〜8/31)
ベストカレンダー編集部
2025年8月16日 21:47
京のいろどり本店展示
開催期間:8月16日〜8月31日

受賞作「京のいろどり」──菓子博で農林水産大臣賞を獲得した工芸菓子が本店で公開中
菓子製造販売の株式会社鶴屋吉信(本社:京都市上京区、代表取締役社長:稲田慎一郎)が出展した工芸菓子「京のいろどり」は、2025年5月30日から6月15日に開催された「第28回全国菓子大博覧会・北海道 あさひかわ菓子博2025」にて、農林水産大臣賞を受賞しました。
現在、この受賞作は京都・西陣の鶴屋吉信 本店2階お休み処(茶寮)にて展示中で、展示期間は2025年8月31日(日)までの予定です(予定は変更される場合があります)。展示場所は本店2階茶寮内で、茶寮の営業時間に準拠して観覧が可能となっています。

受賞の背景と作品名
受賞対象となった作品は「京のいろどり」。鶴屋吉信の京菓子職人が京都の四季をテーマに制作した工芸菓子で、春・夏・秋・冬それぞれを表現する植物を和菓子の素材で再現した大型の工芸作品です。
この作品は、伝統的な和菓子の素材と技術を用いることで季節の移ろいを立体的に表現し、観覧者の眼前でその迫力を味わえる点が評価され、農林水産大臣賞受賞に至っています。

工芸菓子とは何か──素材と工程、歴史的背景
「工芸菓子」は、和菓子づくりに使う砂糖や寒梅粉(餅米の粉)などを駆使し、花鳥風月や季節の情景を美しく作り上げる伝統工芸です。作品は鑑賞用としての側面が強く、食べられる素材で精巧に造形されています。
鶴屋吉信では、この工芸菓子ができるまでの工程もあわせて展示しており、見るだけでなく制作プロセスを知ることで伝統技術の深さを理解できる展示構成になっています。

主要素材と代表的工程
工芸菓子制作に使われる主な素材としては、砂糖、寒梅粉、餅粉、着色料(食用)が挙げられます。素材選定と配合が見た目の質感や保持性に直結するため、熟練した職人の技が欠かせません。
代表的な工程は次の通りです。
- 色づけと生地の延ばし
- 色を付けた生地を薄く伸ばし、形に合わせてくり抜きます。複雑な色合いは生地作りの段階で調整されます。
- 木型や手作業での成形
- 木型を用いて形を整えたり、花びらや葉を一枚一枚作成していきます。小さなパーツの積み重ねで自然の佇まいを表現します。
- 組立てと仕上げ
- 作成したパーツを組み合わせ、全体バランスを見ながら接合・補強して作品を完成させます。色のグラデーションなどは生地の段階でぼかしを入れる手法が使われます。
工芸菓子の起源は江戸時代、御所や大奥で鑑賞された「献上菓子」に端を発するという説があり、以後、菓子技術の発展とともに様々な作品が生み出されてきました。代々受け継がれてきた技術の一端が今回の展示で紹介されています。

展示内容の詳細と来場にあたっての情報
本店での展示は、茶寮スペース内で行われています。茶寮を利用する際に鑑賞できる形式で、展示の規模を間近で確認できることが特徴です。展示中は作品の制作工程の説明パネルなども掲示されています。
展示は2025年8月31日(日)までの予定ですが、休業日や営業時間の都合で観覧できない日があります。来店前に開館状況を確認することが望まれます。

展示の具体的な見どころ
作品は季節ごとの植物表現に分かれ、それぞれ素材と技法で異なる表現が見られます。以下に各季節の表現を素材・手法の観点から説明します。
ギャラリーに展示されている各部の特徴は次の通りです。
- 春:しだれ桜をイメージした表現。やわらかに垂れた枝や小さな花びら、つぼみまでを和菓子素材で再現しています。
- 夏:紫陽花に琥珀糖を添えた表現で、寺社仏閣で見られる「花手水」を想起させる構成です。
- 秋:紅葉の色づきを表す繊細なグラデーション。色の違う生地をぼかすことで錦のような彩りを作り上げています。
- 冬:寒空に凛と咲く椿の表現。葉のハリと花びらの薄さという対照的な質感がポイントです。

展示スケジュール・アクセス等の実務情報
展示期間と観覧時間、休業日の情報は以下の通りです。来訪の際は営業時間や休業日を確認することが重要です。
展示期間 | 展示中〜2025年8月31日(日)まで(予定・変更の場合あり) |
---|---|
休業日(展示不可) | 2025年8月19日(火)、8月20日(水)、8月27日(水) |
場所 | 京菓匠 鶴屋吉信 本店 2階「お休み処(茶寮)」 |
住所 | 〒602-8434 京都府京都市上京区今出川通堀川西入る(本社所在地表記:今出川通大宮東入2丁目西船橋町340-1) |
電話 | TEL 075-441-0105 |
営業時間 | 10:00 ~ 17:30(茶寮の営業時間に準拠、ラストオーダー 17:00) |
備考 | 展示は茶寮内での展示のため、茶寮をご利用の際にご覧いただけます。GoogleMapの案内に従ってアクセスしてください。 |

鶴屋吉信の歴史と関連情報
株式会社鶴屋吉信は享和3年(1803年)に初代・鶴屋伊兵衛によって京都・西陣で創業した京菓子司で、220余年の歴史があります。家訓は「ヨキモノを創る」とされ、伝統技術を守りながら現代的な感覚を取り入れた和菓子やカフェ展開、各種コラボレーション企画にも取り組んでいます。
代表者は代表取締役社長の稲田慎一郎で、会社の所在地・連絡先は下記の通りです。広報・販売情報は公式サイトやSNSアカウントで随時案内されています。
- 社名
- 株式会社鶴屋吉信
- 代表者
- 代表取締役社長 稲田慎一郎
- 所在地
- 〒602-8434 京都府京都市上京区今出川通大宮東入2丁目西船橋町340-1
- 創業
- 享和3年(1803年)
- 公式サイト・SNS
-
- 公式サイト:https://www.tsuruyayoshinobu.jp/
- 公式X(Twitter):https://twitter.com/tsuruya1803
- 公式Instagram(全体):https://www.instagram.com/tsuruya.yoshinobu_wagashi/
- 本店Instagram:https://www.instagram.com/tsuruya.yoshinobu_honten/

展示内容の要点まとめ(表)
以下の表は、本記事で取り上げた展示の要点を整理したものです。展示期間や場所、連絡先といった来訪前に必要となる実務情報を中心にまとめています。
項目 | 内容 |
---|---|
展示作品 | 工芸菓子「京のいろどり」 |
受賞 | 第28回全国菓子大博覧会・北海道 あさひかわ菓子博2025 農林水産大臣賞 |
菓子博開催期間 | 2025年5月30日(金)~6月15日(日) |
本店展示期間 | 展示中~2025年8月31日(日)まで(予定・変更の場合あり) |
休業日(展示不可) | 2025年8月19日(火)、8月20日(水)、8月27日(水) |
展示場所 | 京菓匠 鶴屋吉信 本店 2階「お休み処(茶寮)」 |
住所・連絡先 | 〒602-8434 京都府京都市上京区今出川通堀川西入る/TEL 075-441-0105 |
営業時間 | 10:00~17:30(茶寮の営業時間に準拠、ラストオーダー 17:00) |
見どころ | 四季を表現した花や葉の精巧な造形(春:しだれ桜、夏:紫陽花+琥珀糖、秋:紅葉のグラデーション、冬:椿)および制作工程の展示 |
会社概要(要点) | 株式会社鶴屋吉信/代表 稲田慎一郎/創業:享和3年(1803年)/公式サイト:https://www.tsuruyayoshinobu.jp/ |
この記事では、受賞作「京のいろどり」の由来と制作手法、展示場所と日時、並びに鶴屋吉信の基本情報を整理して伝えた。展示は本店2階茶寮内で行われており、茶寮営業時間中に観覧できる形式であること、また展示期間中でも指定の休業日は観覧不可である点に留意が必要である。
参考リンク: