西陣織×MCPの次世代宇宙服VESTRAが万博で展示
ベストカレンダー編集部
2025年8月14日 11:37
VESTRA展示@万博
開催期間:8月10日〜8月17日

大阪・関西万博で日本発の次世代宇宙服「VESTRA」を展示 — 開催概要と出展スケジュール
株式会社ツクリエが運営するインキュベーション施設「StartupSide Tokyo(SST)」の会員であるAmateras Space株式会社は、次世代宇宙服「VESTRA(ヴェストラ)」のプロトタイプを、2025年8月10日(日)から8月17日(日)までの期間、大阪・関西万博において展示しています。出展場所は大阪ヘルスケアパビリオン内の「ミライの食と文化ゾーン」デモキッチンエリア、および関西パビリオン京都ゾーンにおける京都大学主催イベントです。
本件は株式会社ツクリエによるプレスリリース(発表日時:2025年8月14日 10時45分)として発表されており、展示は8月17日(日)まで継続されます。来場者は会場でVESTRAのデザインと技術を直接確認することが可能です。
- 出展期間:2025年8月10日(日)~2025年8月17日(日)
- 展示場所:大阪ヘルスケアパビリオン「ミライの食と文化ゾーン」デモキッチンエリア、関西パビリオン 京都ゾーン(京都大学主催イベント)
- 発表企業:Amateras Space株式会社(StartupSide Tokyo会員)
- 発表元:株式会社ツクリエ(発表日:2025年8月14日 10:45)

西陣織とMCPがもたらす設計思想 — VESTRAの機能とデザイン
VESTRAは従来の宇宙服が抱えていた可動域の制限や着脱の複雑さといった課題に対し、先端技術であるMCP(メカニカル・カウンター・プレッシャー)を採用することで解決を図った次世代の宇宙服です。MCPの採用により、活動性・即応性・安全性を高次元で両立させる構造となっており、与圧服(IVAスーツ)から将来的な船外活動用スーツまでの応用を視野に入れた設計思想が示されています。
さらにVESTRAは単なる生命維持装置に留まらず、人間の美意識や文化的アイデンティティを身体に刻むことを目的とした“身体拡張”として再構築されています。防護層に日本の伝統工芸である西陣織を採用し、機能性と審美性が共存するテックファッションとしての側面を持ちます。
- 主な機能的特徴
- ・MCP採用による高い可動性と着脱の簡便化
- ・与圧維持と緊急時の安全確保機構
- ・文化的表現としての西陣織素材の実装
- ・船内活動(IVA)を想定した初期プロトタイプからのスケールアップ計画

素材としての西陣織の役割と構造的ポテンシャル
西陣織は千年にわたって培われた織技術と高度な先染め技法、複層的な紋様表現を特徴とする伝統工芸です。芸術性だけでなく耐久性や耐摩耗性などの実用的性能も備えており、本プロジェクトではその構造的ポテンシャルに注目して宇宙服素材へ応用しています。
西陣織は単なる装飾素材としてではなく、織りの構造を通じて防護性や伸縮性、耐摩耗性といった機能を担わせることが可能であり、その応用により極限環境下でも使用可能な新たな防護繊維としての価値を提供します。
西陣織の特性 | VESTRAでの役割 |
---|---|
多層的紋様・先染め技法 | 視覚的・文化的表現を維持しつつ強度設計に寄与 |
高い耐久性と耐摩耗性 | 防護層としての信頼性向上 |
織り構造の可変性 | MCP構造との融合による活動性最適化 |

共同研究・製作協力、関係者のコメント
VESTRAの開発と展示には複数の研究機関・企業・個人が関与しています。共同研究・製作協力として、京都大学SIC有人宇宙学研究センター、岐阜医療科学大学、レインボー造型企画株式会社、タイヨウネクタイ株式会社(西陣織工業組合 no.485)、ディレクション・デザイン担当の佐藤あずさ氏、写真撮影のYusei Fukuyamaが名前を連ねています。
スポンサーには公式ゴールドスポンサーとしてラーニングエッジ株式会社、株式会社うちゅう、DMG森精機株式会社、公式シルバースポンサーとして株式会社カーブスジャパン、株式会社桂川精螺製作所が協力しています。
- 共同研究機関・製作協力一覧:京都大学 SIC有人宇宙学研究センター、岐阜医療科学大学、レインボー造型企画株式会社、タイヨウネクタイ株式会社(西陣織工業組合 no.485)、佐藤あずさ氏(ディレクション/デザイン)、Yusei Fukuyama(写真撮影)
- スポンサー:公式ゴールドスポンサー(ラーニングエッジ株式会社、株式会社うちゅう、DMG森精機株式会社)、公式シルバースポンサー(株式会社カーブスジャパン、株式会社桂川精螺製作所)

当事者のコメント(要旨)
Amateras Space 代表取締役 蓮見大聖氏は、宇宙産業が閉鎖的である現状を踏まえ「宇宙の民主化」を掲げ、VESTRAを通じて多くの人々が宇宙に関心を持つきっかけを作ること、また西陣織を採用することで文化と産業、宇宙が交差する新たな価値を生み出すことを目指すと述べています。
ディレクション・デザイン 佐藤あずさ氏は、宇宙で着る服が命を守るだけでなく「人間らしさ」や「文化」も背負える存在であるべきだとし、布にこめられた温もりや記憶、祈りが無重力の世界でも大切な鎧になると語っています。
京都大学 SIC有人宇宙学研究センター 山敷庸亮教授は、大阪ヘルスケアパビリオンのデモキッチンエリア「宇宙未来生活ラボ – 宙(そら)に生きる未来へ」でVESTRAを最重要展示の一つと位置づけ、8月17日には関西パビリオン・京都ブースでの「宇宙移住」特別展示にもVESTRAが展示されること、ならびにVESTRAを基盤とした本格開発計画が京都大学から正式にリリースされる予定であることを明言しています。
岐阜医療科学大学 田中邦彦教授は、人体と医療科学の観点から西陣織が生体防護素材として応用可能である点に高い期待を示し、宇宙服試作モデルの研究成果が今回の展示で確認できることを紹介しています。

開発のロードマップと企業・支援組織の役割、問い合わせ先
Amateras Spaceは、今回の展示を起点として実際に宇宙空間で着用可能な次世代宇宙服の研究開発を本格化させます。まずは船内活動時に着用する与圧服(IVAスーツ)の開発を進め、安全性と信頼性を担保する技術基盤を確立することを第一段階の目標としています。その後、船外活動用の宇宙服(EVAスーツ)へと応用を拡張する計画です。
Amateras Spaceはミッションとして「人類の活動領域の拡大」を掲げ、次世代宇宙服やECLSS(環境制御・生命維持システム)の研究開発を行うディープテックスタートアップです。企業は「精神」と「身体」の最適化を通じて地球と宇宙双方に新たな体験価値を提供することを目指しています。
- 会社情報(Amateras Space)
- 社名:Amateras Space株式会社
- 所在地:東京都千代田区神田猿楽町2-8-11 VORT水道橋Ⅲ
- URL:https://amateras-space.co.jp/
- 事業内容:宇宙服の研究開発と社会実装
- 問い合わせ:office@amateras-space.co.jp
StartupSide Tokyo(SST)は起業家支援のインキュベーション施設で、コミュニティマネージャーやインキュベーションマネージャーが伴走支援を行っています。ホームページは https://startupside.jp/tokyo/ です。
株式会社ツクリエは本リリースの発表元であり、起業支援やクリエイティブ創造事業を展開しています。詳細は https://tsucrea.com/ を参照ください。本件に関する問い合わせはStartupSide Tokyo運営事務局(所在地:東京都千代田区神田猿楽町2-8-11 VORT水道橋Ⅲ 9F、E-mail:tokyo-info@startupside.jp)まで。
項目 | 内容 |
---|---|
展示製品 | 次世代宇宙服「VESTRA(ヴェストラ)」プロトタイプ |
展示期間 | 2025年8月10日~2025年8月17日 |
展示会場 | 大阪ヘルスケアパビリオン(ミライの食と文化ゾーン デモキッチンエリア)、関西パビリオン 京都ゾーン(京都大学主催イベント) |
主催・発表 | Amateras Space(StartupSide Tokyo会員)、発表:株式会社ツクリエ(2025年8月14日) |
技術キーワード | MCP(メカニカル・カウンター・プレッシャー)、西陣織、ECLSS、IVAスーツ |
共同研究・協力 | 京都大学 SIC有人宇宙学研究センター、岐阜医療科学大学、レインボー造型企画、タイヨウネクタイ(西陣織工業組合 no.485)、佐藤あずさ、Yusei Fukuyama |
スポンサー | ゴールド:ラーニングエッジ、株式会社うちゅう、DMG森精機/シルバー:カーブスジャパン、桂川精螺製作所 |
企業情報・問い合わせ | Amateras Space(所在地:東京都千代田区神田猿楽町2-8-11 VORT水道橋Ⅲ) URL:https://amateras-space.co.jp/ 問合せ:office@amateras-space.co.jp/StartupSide Tokyo 問合せ:tokyo-info@startupside.jp |
関連リンク | https://amateras-space.co.jp/(ダウンロード:プレスリリース素材の画像ファイルあり) |
本稿では、VESTRAの展示内容、技術的背景、共同研究機関および協力企業、スポンサー情報、展示会場と期間、連絡先、関連リンクなど、プレスリリースに記載された情報を漏れなく整理して伝えました。展示は2025年8月17日まで行われ、VESTRAを基盤とする本格的な研究開発計画が進行中である点や、伝統工芸と先端技術を融合する取り組みの意義についても併せて紹介しています。
参考リンク: