8/14開幕|理研発想のBlack Hole Recorderが関西万博で体験展示
ベストカレンダー編集部
2025年8月12日 14:16
ブラックホール・レコーダー
開催期間:8月14日〜8月20日

未来を録る蓄音機 ― Black Hole Recorder の概念と展示目的
株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ(以下 ADK MS)は、理化学研究所 数理創造研究センター(理研iTHEMS)の依頼により制作したサイエンスアート作品Black Hole Recorder(ブラックホール・レコーダー)を、2025年8月14日(木)から8月20日(水)まで、大阪・関西万博の企画展「エンタングル・モーメント ―[量子・海・宇宙]× 芸術」に出展します。プレスリリースは2025年8月12日 14時00分発表です。
Black Hole Recorder は、量子ブラックホール理論に着想を得た蓄音機型の人工ブラックホール搭載デバイスを模型化した作品です。作品は、月の質量に相当する物体を約0.1mmまで圧縮した人工ブラックホールに、理論上約10の52乗ギガバイト(10那由他バイト)という途方もない量のデータを録音し蓄積・取り出しすることが可能という設定に基づいて設計されています。展示を通じて、量子力学や情報理論といった科学的概念を、芸術表現として体感できる構成になっています。
![ADKマーケティング・ソリューションズ、大阪・関西万博の企画展「エンタングル・モーメント ―[量子・海・宇宙]× 芸術」に理研iTHEMSと制作した「Black Hole Recorder」を出展 画像 2](https://cdn.bestcalendar.jp/press-release-images/70628/2.webp?width=384)
展示の基本的な狙い
この作品は、ブラックホールを用いた「未来の情報ストレージ」という想像力を媒介に、科学的仮説の持つポテンシャルを可視化することを目的としています。理研iTHEMS が掲げる「未知への好奇心」に立ち返り、研究とデザインの協働によって作られたプロトタイプです。
展示は単なる模型鑑賞に留まらず、会場全体を実験空間として機能させ、来場者の声や会場の音が常時録音される仕組みを採用しています。将来的には、会場で記録された音を約1,500光年先の実在するブラックホールへ電波で送信することを視野に入れた取り組みとして紹介されます。
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展示内容の詳細と来場者体験
展示は薄暗い空間に設置され、来場者はBlack Hole Recorder を鑑賞し、体験する形式で構成されています。会場の音が常に装置に記録される設定により、現在の人類の音を未来へ残すという時間性の体験が意図されています。
また、量子力学における「ブラックホール情報パラドックス」に関連する問いを来場者が思索できるよう、解説映像やXR(拡張現実)展示を含む複合的な展示群と併設して展示されます。展示は体験型であり、科学的説明と芸術的演出を組み合わせて、量子・海・宇宙という3つのテーマを統合的に提示します。
![ADKマーケティング・ソリューションズ、大阪・関西万博の企画展「エンタングル・モーメント ―[量子・海・宇宙]× 芸術」に理研iTHEMSと制作した「Black Hole Recorder」を出展 画像 4](https://cdn.bestcalendar.jp/press-release-images/70628/4.webp?width=384)
会場と日時の詳細
本展示は大阪・関西万博会場内の EXPOメッセ「WASSE」会場にて行われます。開催期間と開場時間は以下の通りです。
- 2025年08月14日(木) 13:00 ~ 20:00(開場 13:00)
- 2025年08月15日(金) ~ 2025年08月19日(火) 10:00 ~ 20:00(開場 10:00)
- 2025年08月20日(水) 10:00 ~ 18:00(開場 10:00)
公式案内や展覧会の全体プログラムでは、大学・研究機関・企業が持ち寄る最先端の研究成果(量子コンピュータ、量子センサー、量子通信技術、深海研究、宇宙観測に関わる実験など)とアート表現が共存する空間をうたっています。解説映像、XR 展示、コンピュータゲーム、トークイベントなど多様なプログラムが用意されており、来場者は学びと体験を同時に得られます。
![ADKマーケティング・ソリューションズ、大阪・関西万博の企画展「エンタングル・モーメント ―[量子・海・宇宙]× 芸術」に理研iTHEMSと制作した「Black Hole Recorder」を出展 画像 5](https://cdn.bestcalendar.jp/press-release-images/70628/5.webp?width=384)
制作経緯と関係者 — Useless Prototyping Studio の役割
Black Hole Recorder の制作は、理研iTHEMS が立ち上げたデザインスタジオ「Useless Prototyping Studio」が主導しました。スタジオは「一見役に立たないが心を刺激するプロトタイプ」を制作することにより、科学の持つ未来性を視覚化することを目的とした活動を行っています。
本プロジェクトには ADK MS、ADKクリエイティブ・ワン、クリエイティブ・ブティック SCHEMA、addict などのクリエイターが参画しました。制作に際しては、理研iTHEMS の理論に基づく科学的根拠と、クリエイティブな空想・設計が融合してプロトタイプとして具現化されています。
インスピレーションと独自のプロトタイピング手法
作品制作の直接的な理論的インスピレーションは、理研 数理創造研究センター 上級研究員 横倉祐貴氏が2020年7月8日に発表した研究「蒸発するブラックホールの内部を理論的に記述-ブラックホールは未来の大容量情報ストレージ?-」にあります。発表内容を起点に、クリエイターはブラックホールを情報ストレージとして活用する未来像を空想し、その仕様をデザインしました。該当研究の情報は理化学研究所のプレスリリースにて公開されています。
制作で用いられた独自メソッドは「Useless Prototyping Method」と名付けられ、以下の3ステップで構成されます。これにより科学的仮説の「可能性」をプロトタイプとして可視化するプロセスが明確化されました。
- <Step 01> 仮説 / Theory
- 未知への好奇心から科学者が導き出した理論・仮説を選定する。
- <Step 02> 空想 / Imagination
- 基礎科学の仮説が未来を変える可能性を空想し、イメージを膨らませる。
- <Step 03> 具現 / Prototyping
- 空想した未来の一つの可能性を具現化してプロトタイプを制作する。
展示で示される科学的・芸術的メッセージと関連情報
展示は、量子のミクロの世界、海洋や生命、そして宇宙というスケールの異なる3領域を、科学技術と芸術表現で横断的に表現することを目指しています。来場者は、目には見えない現象への想像力と、それを支える技術の組み合わせを体験できます。
Black Hole Recorder はあくまで「プロトタイプ(模型)」としての提示であり、蓄積容量や取り出し方法は作品設定に基づく想像上の仕様として示されています。作品は科学理論に敬意を払いつつ、技術とデザインが交差する場での対話を生み出すことを意図しています。
関連サイトと問い合わせ先
関連情報は以下の公式ウェブサイトで参照できます。詳細ドキュメントや画像などの素材は各サイトの該当ページで公開されています。
- 理研iTHEMS ウェブサイト: https://ithems.riken.jp/ja
- Useless Prototyping Studio: https://uselessprototyping.jp/
- Black Hole Recorder(作品ページ): http://uselessprototyping.jp/blackholerecorder/
- エンタングル・モーメント(展覧会情報): https://www.qst.go.jp/site/entangle-moment/
- ADK MS ニュース: https://www.adkms.jp/news/0812-2/
- ADK MS 企業サイト: https://www.adkms.jp/
プレスリリース元の連絡先は以下のとおりです。メールでの問い合わせが案内されています。
- 株式会社ADKホールディングス 経営企画本部 PR・マーケティンググループ
- e-mail: adkpr@adk.jp
要点の整理
以下の表は、本記事で取り上げた Black Hole Recorder の展示内容、制作背景、開催情報を分かりやすく整理したものです。情報はプレスリリースに基づいており、展示の構成や関係者、関連リンクを一括で参照できます。
項目 | 内容 |
---|---|
作品名 | Black Hole Recorder(ブラックホール・レコーダー) |
展示期間 | 2025年08月14日(木)~2025年08月20日(水) |
開場時間 | 08/14 13:00–20:00、08/15–08/19 10:00–20:00、08/20 10:00–18:00 |
開催場所 | 大阪・関西万博 EXPOメッセ「WASSE」 |
制作依頼・主導 | 理化学研究所 数理創造研究センター(理研iTHEMS)による依頼、Useless Prototyping Studioが制作 |
参加クリエイター | ADKマーケティング・ソリューションズ、ADKクリエイティブ・ワン、SCHEMA、addict など |
作品の概念 | 月の質量に相当する物体を約0.1mmに圧縮した人工ブラックホールを用いた蓄音機型プロトタイプ。理論上約10の52乗ギガバイトのデータを記録できるという設定 |
制作の理論的出典 | 横倉祐貴氏(理研)による2020年7月8日の研究「蒸発するブラックホールの内部を理論的に記述-ブラックホールは未来の大容量情報ストレージ?-」 |
関連リンク | https://ithems.riken.jp/ja , https://uselessprototyping.jp/ , http://uselessprototyping.jp/blackholerecorder/ , https://www.qst.go.jp/site/entangle-moment/ , https://www.adkms.jp/news/0812-2/ |
問い合わせ | 株式会社ADKホールディングス 経営企画本部 PR・マーケティンググループ / e-mail: adkpr@adk.jp |
以上が本展示に関する要点の整理です。プレスリリースに記載された日時、場所、制作体制、作品の設定や制作背景、関連ウェブサイトおよび問い合わせ先を含めてまとめました。
参考リンク: