外国人材のキャリア意識とリスキリング動向2025年調査結果
ベストカレンダー編集部
2025年8月8日 11:17
外国人材のキャリア調査
開催期間:7月7日〜7月16日

外国人材のキャリア観に関する実態調査
ヒューマンホールディングス株式会社は、2025年8月8日に発表した「外国人材の日本での仕事観とキャリアに関する実態調査2025 vol.2」において、日本で働く外国人材のキャリア観に関する重要なデータを公開しました。この調査は、外国籍登録者を対象にしたもので、日本で働いている、または過去に働いた経験を持つ人々の意識を把握することを目的としています。
調査の結果、外国人材の約9割が“なりたい自分”を思い描いており、将来に対して明確なビジョンを持っていることが明らかになりました。また、7割近くがリスキリングに取り組んでいることも示され、彼らのキャリア自律への意識が高いことがうかがえます。

調査の概要と実施内容
今回の調査は、2025年7月7日から7月16日の間に実施され、280名の外国籍登録者が回答しました。調査方法はインターネットを利用し、回答者のキャリア観やリスキリングに関する意識を探るものでした。調査結果は以下のようにまとめられています。
- 調査期間: 2025年7月7日~7月16日
- 対象: 日本で働いている、または過去に日本で働いた経験がある外国籍登録者
- 回答数: 280名
- 方法: インターネット調査

調査結果の詳細
調査結果は、外国人材のキャリア観やリスキリングの取り組み状況に関する重要な示唆を提供しています。

1. “なりたい自分”を思い描けている外国人材の割合
調査によると、外国人材の87.2%が“なりたい自分”の姿を持っていると回答しました。「しっかりと思い描けている」とする回答が49.3%、「ぼんやりとだが思い描けている」が37.9%という結果でした。これに対し、40歳の日本人を対象にした調査では、しっかりと思い描けていると答えた人がわずか8.9%に留まっており、外国人材の方が将来に対するビジョンを強く持っていることがわかります。

2. リスキリングへの取り組み状況
リスキリングに関する質問では、66.8%が「取り組んでいる」と回答しました。これは、外国人材が将来を見据えてスキルを磨こうとする姿勢を示しています。明確なキャリアビジョンを持つ彼らは、自律的に学び続ける傾向にあることが伺えます。

3. 習得したいスキルの傾向
リスキリングに取り組んでいる187人に対して、習得したいスキルを尋ねたところ、最も多かったのは「デジタル・IT」(23.0%)で、次いで「AI・IoT」(21.9%)が続きました。急速なデジタル化や技術革新に適応するためのスキル習得に対する強い関心が見受けられます。また、「語学(日本語以外)」を挙げた人も11.2%に達し、グローバルなコミュニケーション能力の向上を意識していることがわかります。

4. リスキリングの目的
リスキリングの主な目的として最も多く挙げられたのは「業務スキル・知識のアップデート」(32.1%)でした。これは、外国人材が現職での専門性や能力の維持・向上を重視していることを示しています。次いで「転職」(15.0%)や「環境・時代の変化への対応」(13.9%)といった目的もあり、キャリアの方向転換や変化に柔軟に対応するための意識も高いことがわかります。

5. リスキリング支援の現状
勤務先におけるリスキリング支援については、33.6%が「わからない/記憶にない」と回答し、27.5%が「支援はなかった」と答えました。これにより、6割以上がリスキリング支援を受けていないか、支援の実態を把握していないことが明らかになりました。この結果は、日本企業でも他国企業でも、リスキリング支援が十分に普及していないことを示唆しています。

ヒューマングループの取り組み
ヒューマングループは、1985年の創業以来、教育事業を中心に人材、介護、保育、IT、美容、スポーツと多岐にわたる事業を展開しています。2025年には創業40周年を迎え、労働力不足や高齢化社会、待機児童問題など、社会課題の解決に取り組んでいます。
また、ヒューマングループはSDGs(持続可能な開発目標)にも積極的に取り組んでおり、より良い社会づくりに貢献することを目指しています。

まとめ
本調査を通じて、外国人材が日本でのキャリア形成に対して強い意欲を持っていることが明らかになりました。彼らはリスキリングに取り組むことで、将来のキャリアを見据えたスキルアップを図っています。しかし、リスキリング支援が十分に行われていない現状も浮き彫りになりました。今後、日本企業が外国人材の受け入れや定着を促進するためには、リスキリング支援の充実が重要な課題となるでしょう。
調査項目 | 結果 |
---|---|
“なりたい自分”を思い描けている割合 | 87.2% |
リスキリングに取り組んでいる割合 | 66.8% |
習得したいスキル(デジタル・IT) | 23.0% |
リスキリングの目的(業務スキルのアップデート) | 32.1% |
リスキリング支援を受けていない割合 | 60%以上 |
このような結果から、外国人材のキャリア観やリスキリングの重要性が再確認され、今後の日本における外国人材の活躍に向けた取り組みが求められています。