2025年8月3日開催「僕らは戦争を知らない」特別授業で平和を考える

僕らは戦争を知らない授業

開催日:8月3日

僕らは戦争を知らない授業
なんで戦争って起こるの?
戦争は国同士の複雑な対立や譲れない価値観が原因で起こります。話し合いだけで解決できず、武力行使が選ばれることも多いからです。
この特別授業で何を学べるの?
戦争の背景や悲惨さを理解し、なぜ戦争が続くのか、話し合いが難しい理由、戦争の記憶を風化させない方法について高校生と専門家が議論します。

特別授業「僕らは戦争を知らない」が大府市で開催

2025年8月3日、愛知県大府市にて「おおぶ文化交流の杜こもれびホール」で、特別授業「僕らは戦争を知らない」が開催されました。このイベントは、戦後80年を迎える中で、戦争について考える機会を提供することを目的としています。主催は大府市で、株式会社学研ホールディングスのグループ会社である株式会社Gakkenが協力しています。

この特別授業では、東京大学先端科学技術研究センターの准教授である小泉悠氏が講師を務め、「なぜロシアはウクライナに攻め込んだのか」といったテーマを通じて、戦争の背景とその悲惨さについて解説しました。参加者は中学生以下を含む200人以上で、特に高校生に向けて、戦争を防ぐために「なぜ戦争が起こったのか」という点を考えることが重要であると呼びかけました。

【戦後80年】「なぜ戦争は起こるの?」小泉悠氏が書籍『僕らは戦争を知らない』特別授業を愛知県大府市にて開催 画像 2

書籍『僕らは戦争を知らない』の概要

特別授業の題材となった書籍『僕らは戦争を知らない 世界中の不条理をなくすためにキミができること ハンディ版』は、2025年7月10日に発売される予定です。この書籍は、軍事評論家である小泉悠氏が監修しており、太平洋戦争からウクライナ侵攻、ガザでの戦闘まで、幅広い戦争の事例を豊富なイラストと共に解説しています。特に、国内外の戦争体験者へのインタビューやマンガ形式の解説が含まれており、子供から大人までが読みやすい内容となっています。

書籍の詳細は以下の通りです:

タイトル 僕らは戦争を知らない 世界中の不条理をなくすためにキミができること ハンディ版
定価 1,760円(税込)
発売日 2025年7月10日
判型 A5変(210×183mm)/152ページ
ISBN 978-4-05-206140-0
【戦後80年】「なぜ戦争は起こるの?」小泉悠氏が書籍『僕らは戦争を知らない』特別授業を愛知県大府市にて開催 画像 3

高校生平和大使とのディスカッション

特別授業の後半では、小泉氏と大府市の高校生平和大使によるパネルディスカッションが行われました。高校生平和大使5名は、今年7月に鹿児島県に派遣され、知覧特攻平和会館で日本の戦争体験を学んできた経験を基に、以下の3つのテーマについて議論しました。

  • 人はなぜ戦争をやめられないのか?
  • なぜ話し合いで解決できないのか?
  • 日本の戦争の記憶を風化させないために何ができるのか?

1つ目のテーマ「人はなぜ戦争をやめられないのか?」では、高校生から以下のような意見が出されました。

  1. 「個人どうしのけんかでも解決が難しい場合もあるのだから、たくさんの人が集まってつくられた『国』どうしの争いはますます解決が難しいだろう。」(服部春香さん・高校2年生)
  2. 「対立の解決方法として『武力行使』という考え方が根づいてしまっているからだと考える。」(井上侑香さん・高校2年生)

小泉氏は「戦争は今も続いているが、人類の長い歴史の中でその数は減っている。戦争を起こすか、やめるかの選択肢にはさまざまな方法がある」と述べました。

【戦後80年】「なぜ戦争は起こるの?」小泉悠氏が書籍『僕らは戦争を知らない』特別授業を愛知県大府市にて開催 画像 4

戦争の解決に向けた考察

次に、「なぜ話し合いで解決できないのか?」というテーマでは、高校生からの意見として、以下のような意見が挙げられました。

  1. 「話し合いで解決するということは、どちらか、もしくはお互いが譲歩する必要があるが、戦争をしている国は簡単には譲れない価値観を持っている。」(鈴木香澄さん・高校2年生)

小泉氏は「話し合いだけで解決するのは難しいが、暴力を選択するまでの間には細かな段階がある。人類は暴力に頼らない方法を模索してきた」と指摘しました。

最後のテーマ「日本の戦争の記憶を風化させないために何ができるのか?」では、高校生たちが自分の学びを後世に伝える方法について考えました。特に、知覧での特攻隊の遺書を見て、文章の力を感じたという意見が多く寄せられました。

【戦後80年】「なぜ戦争は起こるの?」小泉悠氏が書籍『僕らは戦争を知らない』特別授業を愛知県大府市にて開催 画像 5

参加者の感想と今後の展望

プログラム終了後、参加した高校生平和大使はそれぞれ感想を述べました。彼らは小泉氏の話を通じて、戦争についての理解を深め、今後の活動に生かしていくことを決意しました。

また、小泉氏は大府市市長・岡村秀人氏と面会し、プログラムへの協力に感謝の意を表されました。岡村市長は「若い世代に貴重な機会を設けてもらい、ありがたい」と述べました。

この特別授業を通じて、参加者は戦争の現実とその背後にある問題を深く考える機会を得たことがわかります。戦争を防ぐためには、歴史を学び、理解を深めることが不可欠であると言えるでしょう。

イベント名 おおぶ平和のつどい
開催日 2025年8月3日
開催場所 おおぶ文化交流の杜こもれびホール
講師 小泉悠(東京大学先端科学技術研究センター准教授)
書籍名 僕らは戦争を知らない 世界中の不条理をなくすためにキミができること ハンディ版

このように、特別授業「僕らは戦争を知らない」は、参加者に深い学びを提供し、戦争に対する理解を促進する重要な機会となりました。今後もこのような取り組みが続けられることが期待されます。

参考リンク: