2025年8月4日、兼松とA2Zが自動運転技術で覚書締結し次世代交通を推進
ベストカレンダー編集部
2025年8月5日 12:26
兼松とA2Z覚書締結
開催日:8月4日

兼松と韓国のAutonomous A2Z社が自動運転技術に関する覚書を締結
2025年8月4日、兼松株式会社(以下「兼松」)と韓国の自動運転技術企業であるAutonomous A2Z(以下「A2Z」)は、自動運転技術の日本およびグローバル市場への展開を共同で推進することを目的とした覚書を締結しました。これにより、両社は持続可能な次世代交通の実現に向けて協力していくこととなります。
自動運転技術への関心の高まりと社会的ニーズ
近年、日本においては交通分野、特に地方における人手不足が深刻化しており、これに対応するための自動運転技術への関心が高まっています。スマートシティ構想やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進も背景にあり、社会的ニーズは年々増加しています。
さらに、2023年4月には道路交通法が改正され、特定条件下における完全自動運転が可能な「レベル4」が解禁されました。これにより、自動運転技術の導入が一層進むことが期待されています。今後も、社会課題の解決と新たな価値創出に向けて、安全性・効率性・環境適合性を備えた次世代モビリティの社会実装が重要なテーマとなるでしょう。
A2Zの企業概要と技術力
A2Zは、韓国の大手自動車メーカーである現代自動車の研究所出身のエンジニアたちによって設立されたスタートアップ企業です。主にインフラと連携した自動運転技術の研究・開発を行っており、将来的には自動運転専用プラットフォームの構築を目指しています。
A2Zが持つコア技術の特徴は以下の3点です:
- 一貫した開発体制:ハードウェア、ソフトウェア、インフラを自社開発しており、技術開発から実装までを一貫して行う体制を構築しています。
- 高性能かつコンパクトなプラットフォーム:幅広い車種・車格に自動運転機能を搭載可能なシステム構成を実現しています。
- 国際基準への準拠:選定部品からシステム開発プロセスまで、各国の車両・車載システムの規格に準拠しているため、グローバル展開が可能です。
これらの強みを活かし、A2Zは韓国内の13地域で累計約68万キロメートルに及ぶ実証走行を達成しています。また、シンガポールやアラブ首長国連邦でも実証・認証実績を持ち、事業を拡大しています。さらに、米国コンサルティンググループのガイドハウス社が発表した2024年のグローバル自動運転技術ランキングで11位にランクインしており、国際的にも高い評価を受けています。
覚書の内容と今後の展望
今回の覚書締結により、兼松のグローバルネットワークや国内外のモビリティ事業に関する知見と、A2Zの高性能な自動運転技術を結集し、地方を含む様々な交通現場での運行自動化や人手不足の解消、安全性の強化に向けて取り組むことが期待されています。
両社はそれぞれの強みを活かし、地域や用途に応じた実証実験や社会実装モデルの開発を進め、新たなモビリティサービスの提供を目指します。兼松グループは中期経営計画「integration 1.0」の主要施策の一つとして「イノベーションの探索と実装による提供価値の拡充」を掲げており、今後も自動運転技術をはじめとする革新的な技術を用いて社会課題の解決や持続可能な社会の構築に貢献することを目指しています。
A2Zの会社概要
商号 | Autonomous A2Z Co., Ltd. |
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設立 | 2018年7月18日 |
代表 | Ji-Hyeong Han |
所在地 | Silseup-dong, 50, Gamasil-gil, Hayang-eup, Gyeongsan-si, Gyeongsangbuk-do, Republic of Korea |
事業内容 | 自動運転技術・車両の研究開発および販売 |
ウェブサイト | https://autoa2z.ai/ |
今回の覚書締結は、兼松とA2Zの協力によって、自動運転技術の発展と社会実装が進むことを示しています。両社の取り組みが今後の交通社会にどのような影響を与えるのか、注目されるところです。