2025年8月5日開始|大阪万博で再利用可能な誘導マットがバリアフリーを支援
ベストカレンダー編集部
2025年8月5日 11:07
大阪万博バリアフリー設置
開催日:8月5日

再利用できる誘導マットが大阪・関西万博のバリアフリーを支える
2025年8月5日、大阪の老舗ゴムメーカーである錦城護謨株式会社が、視覚障害者の歩行をサポートするためのゴム製誘導マット『歩導くん ガイドウェイ』およびトイレ誘導ライン『ガイドレット』を、大阪・関西万博会場に納入したことが発表されました。この取り組みは、視覚障害者支援と持続可能な社会の実現を目指すもので、特にバリアフリーの観点から注目されています。

錦城護謨の取り組みと製品の特徴
錦城護謨は、家電製品のゴム部品製造において高い国内シェアを誇り、2025年の大阪・関西万博の夢洲地盤改良にも携わった企業です。同社が実装する『歩導くん ガイドウェイ』と『ガイドレット』は、視覚障害者が安全に移動できる環境を提供するために設計されています。
これらの製品は、以下のような特長を持っています:
- 凹凸の少ないゴム製の床材:視覚障害者だけでなく、車椅子やベビーカーを利用する方にとっても移動の負担を軽減する設計です。
- 簡単な設置:両面テープを使用して既存の床面に上から敷設することができ、施設解体時に取り外して保管・再活用が可能です。
- ユニバーサルデザイン:視覚障害者だけでなく、高齢者やベビーカー利用者もスムーズに移動できるように考慮されています。
これらの製品は、2025年7月時点で、東ゲート・西ゲート周辺のアクセシビリティセンターやトイレ施設など、計25箇所に設置されています。これにより、多様な来場者が安心して移動できる環境が整えられています。

バリアフリーの重要性と社会的意義
錦城護謨は2007年にバリアフリー推進課を設立し、視覚障害者の移動支援に取り組んできました。特に、2024年4月に改正される「障害者差別解消法」により、民間事業者にも合理的配慮の提供が義務化されることから、バリアフリーの重要性はますます高まっています。
このような背景の中、錦城護謨の製品は、単なる資源循環にとどまらず、誰もが暮らしやすい社会づくりへの意識醸成の“きっかけ”として活用されることが期待されています。万博会場での使用実績を踏まえ、イベント終了後も別の場所で再利用されることで、バリアフリーの考え方を広める役割を果たします。

設置場所と具体的な利用シーン
『歩導くん ガイドウェイ』と『ガイドレット』は、以下のような主な設置箇所に導入されています:
- アクセシビリティセンター内
- チケット引換所(入場ゲート前)
- EXPOアリーナ「Matsuri」周辺のトイレ施設
- バリアフリートイレ(個室内部)
これらの設置により、視覚障害者やその他の利用者が安心して移動できる環境が提供されています。特に、トイレ内での視覚障害者の移動に関する問題を解決するために開発された『ガイドレット』は、88%の視覚障害者がトイレ内のレイアウトに困っている現状に対応しています。

『歩導くん ガイドウェイ』と『ガイドレット』の詳細
『歩導くん ガイドウェイ』は、視覚障害者の歩行を安全に誘導するためのゴム製誘導マットです。白杖で叩いたときの音や足裏の感触で目的地まで導くことができ、表面は凹凸がなく、なだらかな傾斜により、移動のスムーズさを実現しています。
一方、『ガイドレット』は、長さ250mm、幅50mmのスティック型マットを誘導線に沿って設置することで、視覚障害者の安全かつスムーズな移動を支援します。これらの製品は、両面テープを使用して簡単に設置でき、床を傷つけることなく既存の施設にも導入可能です。

会社概要と今後の展望
錦城護謨株式会社は、創業89年を迎え、家電製品のゴム部品製造で国内で高いシェアを誇ります。土木事業では、2025年の大阪・関西万博の会場用地である夢洲の地盤改良工事にも携わっています。また、近年では福祉関連事業や自社ブランド「KINJO JAPAN」での新製品開発を通じて、世界展開にも挑戦しています。
今後も、錦城護謨は視覚障害者の移動支援を中心に、バリアフリーの実現に向けた取り組みを続けていくことが期待されます。

まとめ
錦城護謨が提供する『歩導くん ガイドウェイ』と『ガイドレット』は、視覚障害者やその他の利用者にとって、安心して移動できる環境を提供する重要な製品です。これらの製品は、万博という大規模なイベントでの使用を通じて、バリアフリーの考え方を広め、地域に根付いていくことが期待されています。
製品名 | 特徴 | 設置場所 |
---|---|---|
歩導くん ガイドウェイ | 視覚障害者の歩行を安全に誘導するゴム製誘導マット | アクセシビリティセンター、チケット引換所、トイレ施設など |
ガイドレット | 視覚障害者のトイレ内移動を支援する誘導ライン | バリアフリートイレ(個室内部) |
これらの取り組みを通じて、錦城護謨は持続可能な社会の実現に向けた一翼を担っています。
参考リンク: