2025年8月開始予定 GMOが次世代NVIDIA B300搭載GPUクラウド発表
ベストカレンダー編集部
2025年8月4日 18:45
GMO GPUクラウド新サービス開始
開催日:8月4日

GMOインターネットが「NVIDIA Blackwell Ultra GPU」を採用したGPUクラウドサービスを発表
2025年8月4日、GMOインターネットグループは、NVIDIAテクノロジを基盤とした高性能GPUクラウドサービス「GMO GPUクラウド」において、次世代の「NVIDIA Blackwell Ultra GPU」を搭載した「NVIDIA HGX B300」(以下、NVIDIA B300)のクラウドサービスを提供することを発表しました。このサービスは、国内初の商用サービスの一つとして、NVIDIA B300を搭載したサーバー25台(計200基)を調達し、2025年度内より順次提供を開始する予定です。
「GMO GPUクラウド」は、2024年11月のサービス開始以来、ロボット開発や自動運転AIなど、多くのAI開発基盤として既に多くの企業に採用されています。今回のNVIDIA B300インスタンス導入は、GPUクラウドサービスの最先端技術への取り組みの一環として、ベアメタルでの提供を新たにラインアップに追加することを意味します。GMOインターネットは、生成AIや大規模言語モデル(LLM)、画像生成、ロボティクスといった先端AIワークロードに対応可能なインフラを日本国内から安定的に提供することを目指しています。

サービス提供の背景と市場ニーズ
近年、企業による独自のLLMの開発や、産業分野におけるAIおよびロボティクスの急速な進化に伴い、高度な演算処理を可能にする大規模な計算資源の需要が高まっています。AIモデルの巨大化やリアルタイム推論、多様な生成形式への対応といった要求に応えるため、クラウドインフラも日々進化し続ける必要があります。このような背景から、GMOインターネットは、2024年4月15日に経済安全保障推進法に基づく特定重要物資「クラウドプログラム」の供給確保計画に関する経済産業省の認定を受け、2024年11月22日から国内最速クラスでNVIDIA H200 GPUを採用したサービスを提供しています。
これらの市場環境や技術的要請を踏まえ、GMOインターネットは2025年5月14日に公表したNVIDIA H200 GPUの追加投資案を見直し、より高性能な次世代GPUである「NVIDIA B300」への切り替えを決定しました。この決定により、「GMO GPUクラウド」は、今後のAI開発・運用に求められる計算性能や拡張性、低レイテンシ通信への対応を強化し、さらに進化したインフラ基盤として展開されることになります。
「GMO GPUクラウド(NVIDIA B300)」の主な特長
「GMO GPUクラウド」は、NVIDIA推奨構成であるNVIDIA Spectrum-Xイーサネットネットワークやストレージに加え、NVIDIA AI Enterpriseソフトウェアプラットフォームを含めて提供することで、次世代の生成AIの学習やAI推論処理に最適化された高性能計算基盤を実現します。
NVIDIA B300を搭載したGMO GPUクラウドインスタンスは、大規模言語モデルの推論処理を大幅に高速化し、AI開発の効率を飛躍的に向上させることが期待されています。具体的な利用シナリオとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 大規模言語モデルの高速学習とファインチューニング
- AIのリーズニングと推論処理の高速化
- コンピュータビジョンモデルの大規模データセットを用いた学習
「GMO GPUクラウド」の技術的側面
GMOインターネットが提供する「GMO GPUクラウド」は、NVIDIAの最新アーキテクチャ「Blackwell Ultra」を導入したNVIDIA B300インスタンスを搭載しており、以下のような技術的な特長があります。
- FP4
- AIに特化した新しい計算のしくみで、従来よりも少ない情報で素早く処理ができるため、AIの動作をより速く・省エネにします。
- HBM3e
- 非常に速い動きができる最新のメモリで、大きなAIモデルでも処理時間を短縮します。
- NVLink
- 高速なマルチGPUコミュニケーションの構成要素であり、大規模なデータセットを短時間で処理し、GPU間でデータを高速に交換します。
これらの技術は、GMO GPUクラウドの性能を大幅に向上させ、AI開発における効率を促進します。
今後の展開とGMOインターネットのビジョン
GMOインターネットは、「GMO GPUクラウド」を中核としたAIインフラ戦略により、急速に進化するAI・ロボティクス分野の技術革新に貢献していく方針です。今後も最新のAI計算基盤の提供と、お客様のニーズに応じた柔軟なクラウド環境の構築を通じて、日本のAI産業に欠かせないクラウドサービスとして、日本発のAIイノベーション創出に寄与することを目指しています。
これまでのプレスリリースにおいても、GMOインターネットは様々な技術革新を発表しており、特に以下のリリースは注目に値します。
- 2024年4月19日:NVIDIA H200 Tensor コア GPU を採用した生成AI向けのGPUクラウドサービスを国内最速提供へ
- 2024年6月11日:生成AI向けGPUクラウドサービスにNVIDIA Spectrum-Xを国内クラウド事業者として初採用
- 2024年8月29日:「GPUクラウド利用実態調査」~国内利用率わずか5.4%、約9割が海外サービスを利用~
- 2024年9月26日:「NVIDIA H200 GPU」搭載環境の性能を実証
- 2024年11月13日:「NVIDIA AI Summit」でAI・ロボティクス時代のインフラ基盤とセキュリティを解説
まとめ
GMOインターネットが発表した「NVIDIA Blackwell Ultra GPU」を採用した「GMO GPUクラウド」は、次世代のAI開発に向けた重要な一歩となるでしょう。以下に、本サービスの主な特長をまとめます。
項目 | 内容 |
---|---|
サービス名 | GMO GPUクラウド(NVIDIA B300) |
主な特長 | 超大容量メモリ、次世代アーキテクチャ、ベアメタル提供 |
提供開始予定 | 2025年度内 |
利用シナリオ | 大規模言語モデルの高速学習、AI推論処理、コンピュータビジョンモデルの学習 |
技術的特長 | FP4、HBM3e、NVLink |
このように、GMOインターネットは、最先端のAI技術を駆使し、国内のAI産業の発展に寄与し続けることが期待されます。
参考リンク: