2025年8月1日 英国最高裁がオートローン返金命令を下す判決の意義

英国最高裁オートローン判決

開催日:8月1日

英国最高裁オートローン判決
今回の英国最高裁の判決って何が問題だったの?
銀行が自動車販売店に支払う手数料を消費者に隠してローン契約を結んでいたことが不公正と認定され、返金命令が出された判決です。
この判決が今後の消費者にどう影響するの?
返金対象となる不公正なローン契約の基準が明確になり、消費者保護が強化されるとともに補償スキームの整備が進む見込みです。

英国最高裁がオートローン訴訟で返金命令を下す

2025年8月1日、シンガポールに本社を置く資産運用会社Monterey Capital Management Pte. Ltd.(以下「モントレー」)は、英国最高裁が下した返金命令に関する情報を発表しました。この判決は、消費者信用法(Consumer Credit Act 1974)に基づき、不公正なローン契約が認定されたことによるものです。

本件は、銀行が自動車販売店に支払うコミッション手数料を契約時に消費者に明示せずにローンを提供していた慣行が問題視されました。最高裁は、販売店が消費者に対して忠実義務を負わないとしつつも、契約構造が不公正と評価される場合には、返金が認められると判断しました。

判決の背景と影響

原告の一人であるジョンソン氏のケースでは、高額な手数料が非開示であったことや、販売店と金融機関の関係性を誤認させる契約構造が問題視されました。最高裁は、これらの要因により「不公正な関係」を認定し、1,650.95ポンドの手数料と利息の返金を命じました。

この判決は、構造的に悪質と評価されうるローンに対して、消費者信用法に基づく具体的な返金ルートが確立された初の最高裁判断となります。この判決により、今後の補償対象については、どのような構成要素が揃えば「返金対象」となるのかがより明確にされる見通しです。

モントレーの見解

モントレーの代表である村田啓氏は、「今回の最高裁判決は、構造そのものを違法と断じたものではありませんが、消費者保護の観点から“勝てる構成”を明示した重要な判断です。制度と現場のギャップに対し、司法が的確な線引きを与えた意義は大きく、今後の補償スキームや回収戦略にとっても前向きな道筋がつきました。」と述べています。

また、村田氏は、投資と法が交差するこの領域で、社会的インパクトと持続可能なリターンの両立を追求していく意向を示しました。

今後の展望と補償スキームの方針

英国金融行為規制機構(FCA)は、今回の判決を受けて、2025年8月4日(月)の金融市場オープン前までに補償スキームに関する方針を発表する予定です。この方針により、消費者に対する補償の明確化が期待されています。

モントレーは、今後も訴訟ファイナンス分野において制度的意義のある案件を選定し、社会課題解決に資する投資機会を追求していく方針です。

モントレーの会社概要

モントレーは、シンガポール金融管理局(MAS)より資本市場サービスライセンスを取得し、訴訟ファイナンス、リノベローン、日本株、世界のプライベートバンクと連携した資産運用サービス(EAM)などを提供しています。社会課題解決と収益性を両立するオルタナティブ運用を展開し、シンガポール法人設立以前は2006年より日本で事業を展開していました。

項目 詳細
会社名 Monterey Capital Management Pte. Ltd.
所在地 1 Coleman Street, #09-09B The Adelphi, Singapore (179803)
設立年月日 2008年3月6日
会社URL https://moncapi.com/
グループ会社 Monterey Capital Management Japan 株式会社

モントレーは、今後も社会課題解決に向けた活動を続けていくとともに、投資家に対して透明性のある情報提供を行っていくことが求められます。今回の判決を受けた補償スキームの方針発表を含め、今後の動向に注目が集まります。