フジテック、4月発売エレ・グランス設計を自動化し迅速対応へ

エレベータ設計自動化開始

開催日:4月1日

エレベータ設計自動化開始
エレベータの設計ってどうやって自動化できるの?
フジテックは約1900件の設計ノウハウをシステムに組み込み、販売担当者が入力した情報から設計者を介さずに図面を自動作成できる仕組みを導入しました。
自動化で設計品質は落ちないの?
設計ノウハウを基準化しシステムに反映したため、ヒューマンエラーや経験差がなくなり、均一で高品質な設計を持続的に提供できるようになっています。

フジテック株式会社が標準型エレベータ「エレ・グランス」の設計を自動化

フジテック株式会社(本社:滋賀県彦根市、社長:原田政佳)は、2025年4月に発売した国内向け標準型エレベータ「エレ・グランス」の設計業務において「作図オートメーションシステム」を導入したことを発表しました。このシステムの導入により、従来人手で行っていた図面作成を自動化し、作業待ちを解消することでお客様への対応スピードを向上させることが期待されています。

「作図オートメーションシステム」の導入背景と目的

フジテックは、2028年3月期を最終年度とする中期経営計画「Move On 5」に基づき、全社横断の生産性向上に取り組んでいます。この計画の一環として、エレベータの設計業務のリードタイム短縮を目指し、「作図オートメーションシステム」を導入しました。

このシステムでは、設計者が行っていた「かご(エレベータ内)」と「乗場(エレベータホール)」の図面作成を、自社開発の専用システムに置き換えます。販売担当者が本システムに必要項目を入力すると、設計者を介さずに自動的に図面が作成され、即時出力できる仕組みが整っています。このプロセスにより、作業待ちがなくなり、迅速な意思決定が可能となります。

自動化による設計品質の向上

フジテックでは、これまでも設計サポートツールを活用した作図効率化に取り組んできましたが、エレベータはカスタマイズ性が非常に高い機械であるため、専門の設計者による対応が不可欠でした。そのため、過去5年間にわたり、設計者が顧客の多種多様な要望に応じてきた複雑な設計事例を分析・蓄積し、約1900件の基準に集約しました。

この暗黙知となっていた設計ノウハウを本システムに落とし込むことで、設計者を介さずに図面作成を完結できる完全自動化に成功しました。これにより、ヒューマンエラーや経験差によるばらつきをなくし、均一かつ高い設計品質をサステナブルに提供できる体制を構築しました。

今後の展望と適用範囲の拡大

フジテックは、今後、より複雑で業務ボリュームの大きい昇降路の図面などへの適用範囲の拡大を目指しています。この取り組みによって、さらなる生産性向上と顧客満足度の向上が期待されます。

自動化された設計プロセスは、フジテックのエレベータ事業における競争力を高めるだけでなく、業界全体の設計プロセスに新たな基準をもたらす可能性があります。これにより、顧客に対する迅速かつ高品質なサービスの提供が実現されるでしょう。

フジテックについて

フジテックは、エレベータ・エスカレータ・動く歩道の専業メーカーとして、研究開発から製造、販売、据付、保守、リニューアルまで一貫体制で行っています。世界24の国と地域において“安全・安心”で“快適”な移動空間を提供することを目指しています。

設立は1948年2月9日で、上場市場は東京証券取引所のプライム市場です。公式ウェブサイトには、最新の情報や製品ラインナップが掲載されています。

まとめ

フジテック株式会社が導入した「作図オートメーションシステム」は、エレベータ「エレ・グランス」の設計業務を大きく変えるものです。このシステムは、作業待ちを解消し、顧客への対応スピードを向上させるだけでなく、設計品質の均一化と向上を実現しています。今後の適用範囲の拡大により、さらなる生産性向上が期待されます。

項目 詳細
製品名 エレ・グランス
導入システム 作図オートメーションシステム
目的 設計業務のリードタイム短縮
設計ノウハウの集約件数 約1900件
設立年 1948年2月9日
上場市場 東京証券取引所 プライム市場

このように、フジテックは自動化を通じて設計業務の効率化を進め、顧客満足度の向上を図っています。

参考リンク: