2025年8月2日発表:Final Aimの生成AI知財管理特許出願と技術概要
ベストカレンダー編集部
2025年8月2日 18:49
生成AI知財管理特許出願
開催日:8月2日

生成AIを活用した新たな知財管理技術の特許出願
株式会社Final Aim(本社:米国デラウェア州、代表取締役社長:朝倉雅文、取締役:横井康秀)は、生成AIを活用したデザイン制作や製品開発における新たな特許を出願したことを発表しました。この特許は、生成履歴を一元管理し、企業のクリエイティブと情報・知財ガバナンスを支援することを目的としています。
特に、入力プロンプトや画像、AIのモデル、追加学習(ファインチューニング)などの条件を含む生成履歴を構造的に記録・可視化する情報処理技術が焦点となっています。この技術は、これまでに出願・取得した知財管理技術の特許に続くものであり、デザイン分野における生成AI活用の実態に即した知財管理基盤の強化を図るものです。

Final Aimの概要と実績
株式会社Final Aimは、2019年12月に創業し、2022年には米国本社を設立しました。生成AIによる新たなデザイン開発や知的財産権の管理に対応したデザイン・知財管理プラットフォーム「Final Design」を展開しています。このプラットフォームは、ヤマハ発動機株式会社や本田技研工業株式会社などの多岐にわたる業界のトップグローバル企業から導入され、安心・安全な生成AIの利活用を支援しています。
また、Final Aimは、NVIDIA社が米国カリフォルニア州サンノゼで主催する世界的なAIカンファレンス「NVIDIA GTC 2025」にも招待され、先進的な取り組みが紹介される予定です。

生成AIとデザインの拡大
生成AIによる画像生成は、デザイン・製造業をはじめとした多様な業種で急速に普及しています。しかし、その一方で「誰が」「いつ」「どのように」生成したのかが曖昧になりやすく、著作権や意匠、発明などの知的財産の帰属についての問題が浮上しています。このような状況において、ユーザーの創作的寄与を客観的に示す手段が求められています。
Final Aimは、この課題に対して生成物の生成過程そのものを履歴として取得・記録・表示する情報処理技術を開発しています。これにより、企業のガバナンス要件を満たしつつ、クリエイティブな制作を促進する仕組みの構築に取り組んでいます。
出願技術の概要とポイント
今回出願した特許は、以下の情報を構造的かつ一元的に管理できる情報処理装置・プログラム・方法に関するものです。
- 入力情報:手書きイラストやプロンプト、3Dデータなど
- 条件情報:使用AIモデル(例:Stable Diffusionなど)、バージョン、ライセンスや契約に関する情報、ファインチューニングに使用した学習データとその知財情報
- 生成物情報:生成された画像や3Dデータ、タイムスタンプ、特徴箇所など
- 履歴情報:上記のデータをひもづけ、生成時系列を可視化
これらの情報は構造化データとして記録・管理され、必要に応じて一部をブロックチェーンと連携することで改ざん耐性の高い履歴管理も実現可能です。また、GUI画面上で各生成物と関連付けられたプロンプト・特徴箇所・条件などを可視化できるインターフェースも含まれています。
想定される活用シーン
この技術は、以下のようなシーンでの活用が期待されています。
- 企業内での生成AIで生成したデザイン画像や製品ビジュアルの創作性・真正性の証明
- 外注・共同開発・社内制作における生成履歴の記録とガバナンス確保
- 追加学習(ファインチューニング)モデルの学習データ起源の管理
- 知財リスクと機密情報リスクを抑えた企業での安全な生成AI導入環境の構築
Final Aimは、デザインや製造業をはじめとするクリエイティブ産業において、生成AIの活用と知財保護を両立できる信頼性の高い基盤を構築していく方針です。
Final Aimの今後の展望
Final Aimは、日米を中心としたグローバルな現場と連携しながら、デザイン・知財管理プラットフォーム「Final Design」を通じて、創造性とテクノロジーが安心して共存できる次世代のクリエイティブの現場を実現していきます。また、同社は以下のような実績を持っています。
実績 | 詳細 |
---|---|
創業 | 2019年12月 |
米国本社設立 | 2022年4月 |
スタートアップアクセラレーター採択 | Berkeley SkyDeck(2022年9月) |
受賞歴 | Japan – US Innovation Awards「Innovation Showcase」(2023年6月) |
世界的カンファレンスでの紹介 | Autodesk University(2024年10月) |
このように、Final Aimは生成AIを活用したデザイン制作や製品開発において、知財管理の新たな基盤を築くことを目指しています。企業のクリエイティブな活動を支援するための取り組みが今後も期待されます。
参考リンク: