2025年7月25日開催 医療AIの可能性と教育を探る国際セミナー

医療AI国際セミナー

開催日:7月25日

医療AI国際セミナー
医療でAIってどんなことに使われてるの?
医療分野では、放射線診療の効率化や医療記録の構造化、臨床課題の解決、患者の重症度予測などにAIが活用されており、診断精度や医療の質向上に役立っています。
AIの教育って具体的に何をするの?
放射線科医など医療従事者の教育においては、AI技術の倫理・ガバナンス、多職種連携の視点を取り入れ、生成AIなどを活用して教育支援やカリキュラムの充実を図ることが議論されています。

医療におけるAIの可能性と教育に関する国際セミナー

2025年7月25日、大阪・関西万博のイタリア館内オーディトリアムにて、「医療におけるAIの可能性と教育」に関する国際セミナーが開催されました。このセミナーは、イタリア館と大阪大学の共催により実現し、放射線医学とAIの融合、教育現場での活用、日欧協力の展望などを多角的に探る場となりました。

本セミナーの目的は、医療分野におけるAI技術の進展を理解し、その教育的側面を議論することです。参加者には、医療関係者や研究者、学生など多様な背景を持つ人々が集まり、活発な意見交換が行われました。

医療におけるAIの可能性と教育:欧州と日本の専門家が万博で議論 画像 2

セミナーの詳細

本セミナーは、以下のような内容で進行されました。

  • 日時:2025年7月25日(金)
  • 場所:大阪・関西万博イタリア館 オーディトリアム
  • 主催:イタリア館、および大阪大学

セミナーでは、各講演者がそれぞれの専門分野におけるAIの可能性について発表しました。以下に、主要な講演者とその内容をまとめます。

医療におけるAIの可能性と教育:欧州と日本の専門家が万博で議論 画像 3

講演者と内容の要約

  1. アンバサダー マリオ・アンドレア・ヴァッターニ氏(イタリア館総代表)
    歓迎の挨拶を行い、セミナーの意義を紹介しました。
  2. 富山憲幸 教授(大阪大学)
    イベントの目的の紹介、登壇者の紹介、進行の趣旨説明を行いました。
  3. 堀 昌俊 教授(大阪大学医学研究科 放射線科)
    演題:AI in Radiology Practice: Unlocking New Possibilities in Care and Research
    日本の大学病院での先進事例をもとに、AIが放射線診療にもたらす新たな可能性を紹介しました。
  4. 武田 俊浩 教授(大阪大学医学研究科 放射線科)
    演題:Empowering Healthcare through AI: Structuring Medical Records and Solving Clinical Challenges
    医療記録の構造化による臨床課題の解決事例を提示し、医療・放射線領域がAI統合に最適である理由を解説しました。
  5. ダニエル・ピント・ドス・サントス 教授(ヨーロッパ 放射線科医)
    演題:AI in the Radiologist’s Curriculum: Educating the Future
    放射線科医教育に必要な倫理・ガバナンスや多職種連携の視点を提示し、現行教育のギャップや生成AIが教育支援に果たす可能性を議論しました。
  6. ファビオ・テッドーリ氏(Bracco R&D)
    演題:Leading through Innovation – An Industry Partner Perspective
    Bracco社のAI戦略とイノベーションの方向性を紹介し、パートナーシップを通じた技術開発の推進とその意義について説明しました。
医療におけるAIの可能性と教育:欧州と日本の専門家が万博で議論 画像 4

Bracco社の最新取り組み

本セミナーでは、イタリアに本社を置くグローバル医療企業であるBracco社の最新の取り組みも紹介されました。Bracco社は1927年の創業以来、常にイノベーションを企業の中心に据え、2024年には収益の約8%に相当する1億5,300万ユーロを研究開発に投資する予定です。

Bracco社は、世界中に11のイノベーションセンターと3つの研究所を有し、放射線医学・核医学・診療介入などの分野で幅広い技術開発に取り組んでいます。特に、COVID-19患者を対象としたAI予測モデルの研究では、820名のデータをもとに約75%の精度で重症度を予測する成果を上げており、AI研究の実績が高く評価されています。

医療におけるAIの可能性と教育:欧州と日本の専門家が万博で議論 画像 5

今後の展望と国際協力の重要性

本セミナーを通じて、AI技術が医療現場にもたらす可能性と、教育や国際協力の重要性が改めて共有されました。AIの進展は、医療の質を向上させるだけでなく、医療従事者の負担軽減や患者の安全性向上にも寄与することが期待されています。

今後も大学・研究機関・産業界が連携し、グローバルな課題に取り組むことが期待されます。AI技術の導入は、医療の未来を切り開く鍵となるでしょう。

医療におけるAIの可能性と教育:欧州と日本の専門家が万博で議論 画像 6

まとめ

項目 詳細
イベント名 医療におけるAIの可能性と教育に関する国際セミナー
日時 2025年7月25日(金)
場所 大阪・関西万博イタリア館 オーディトリアム
主催 イタリア館、および大阪大学
参加講演者 マリオ・アンドレア・ヴァッターニ氏、富山憲幸教授、堀昌俊教授、武田俊浩教授、ダニエル・ピント・ドス・サントス教授、ファビオ・テッドーリ氏
Bracco社の取り組み 研究開発への投資、AI予測モデルの研究成果

医療分野におけるAIの進展とその教育への影響について、参加者が深く理解し、今後の展望について意見を交わした本セミナーは、医療業界におけるAIの重要性を再確認する機会となりました。

参考リンク: