2025年7月調査で判明!外国人留学生の就職に必要な日本語能力とは
ベストカレンダー編集部
2025年7月31日 12:30
外国人留学生日本語調査
開催期間:7月11日〜7月15日

外国人留学生の就職に必要な日本語能力についての調査結果
行知学園株式会社は、2025年7月11日から7月15日までの期間に、大学教授・准教授、大学職員、専門学校の教員・職員を対象に「外国人留学生の日本語能力と就職」に関する調査を実施しました。この調査の目的は、外国人留学生が日本企業で活躍するために必要とされる日本語能力について、教育現場がどのように認識しているかを明らかにすることです。
近年、日本の大学には多くの外国人留学生が在籍し、キャンパスの国際化が進んでいます。日本で学んだ知識やスキルを活かし、日本企業での就職を目指す留学生も増加していますが、実際の就職の現場において、彼らが求められる日本語能力や職業スキルを備えているかは依然として課題です。

調査の概要と方法
本調査は、行知学園株式会社が実施し、865人の教職員から回答を得ました。調査方法はPRIZMAによるインターネット調査で、調査対象は大学教授・准教授、大学職員、専門学校の教員・職員です。
調査の主な内容は、外国人留学生が大学・専門学校入学時と就職活動時に求められる日本語能力についての認識を探るものでした。

調査結果の概要
調査の結果、大学・専門学校入学時に必要な日本語能力と就職活動時に必要な日本語能力が異なると考える教職員は多く、以下のような結果が得られました。
- 明確に異なる:44.1%
- ある程度異なる:51.9%
- 変わらない:4.0%
教育現場では、授業の理解やレポート作成が重視される一方、就職活動では面接での受け答えやビジネスマナーを伴った会話力が求められることから、必要な日本語能力が異なると認識されています。

入学時と就職活動時で異なる日本語能力の理由
調査では、大学入学時と就職活動時で必要な日本語能力が異なる理由についても多くの意見が寄せられました。以下にその主な理由を示します。
- 授業についていくための語学力と自己表現のための語学力は異なる。
- 実用的なものと形式的なものに差がある。
- より高度なレベルでの聞き取りや会話が必要。
- 日常会話とビジネス会話は異なり、単語も異なる。
- 就職時には企業に自分の貢献を示す必要がある。
これらの意見から、大学・専門学校入学時に求められる日本語能力は主に文法的・読解的能力である一方、就職活動では社会常識に基づいた表現力や職場内での対話力が求められることが明らかになりました。
外国人留学生に対する支援の必要性
調査では、外国人留学生が日本企業で活躍するために在学中に強化すべき日本語能力についても尋ねました。その結果、以下のような支援が必要であるとの意見が多く寄せられました。
- グループワークやディスカッションの経験(54.7%)
- インターンシップ等の実践機会(48.1%)
- プレゼンテーションや説明力の強化(44.7%)
これらの結果から、外国人留学生が語学力だけでなく、実際の職場で求められる発信力や対応力を高める必要性が強く意識されていることがわかります。
将来を見据えた支援の重要性
また、語学的なサポートに加えて「業界研究」や「キャリア設計」などの将来を見据えた支援も求められています。これにより、外国人留学生の職業的自立に向けた包括的な支援体制の構築が重要であることが示されました。
外部の日本語教育機関への期待
調査では、日本での就職に特化した外部の日本語教育機関を外国人留学生に勧めたいと考える教職員が約9割に達しました。その理由として、専門性や実践性の高い教育内容に対する期待が挙げられます。
特に、外部の日本語教育機関で支援してほしい点としては、以下が挙げられました。
- ビジネス場面での日本語表現(56.2%)
- 就職活動に必要な日本語の指導(45.0%)
- 会話力の強化(38.6%)
これに対し、日本語能力試験(JLPTなど)の対策支援は22.3%と低い優先度にとどまっています。これは、実務的なスキルを重視する傾向を反映しています。
まとめ:外国人留学生の日本語能力と就職支援の重要性
今回の調査を通じて、外国人留学生が日本企業で就職するために必要な日本語能力の認識が明らかになりました。多くの教育関係者が、大学・専門学校入学時と就職活動時で求められる日本語能力が異なると認識しており、実践的な日本語能力の支援が重要であることが示されました。
特に、自己表現や敬語表現、業界ごとの専門用語は学内での学習だけでは補いにくい領域です。今後、外国人留学生の就職支援には、入学時の日本語教育に加え、在学中の実践的な経験と就職に特化した外部の日本語教育機関の支援が必要になるでしょう。
調査項目 | 結果 |
---|---|
入学時と就職活動時の日本語能力の違い | 明確に異なる:44.1%、ある程度異なる:51.9% |
必要な支援内容 | グループワークやディスカッション:54.7%、インターンシップ:48.1% |
外部機関への期待 | ビジネス場面での表現:56.2%、就職活動の指導:45.0% |
このように、外国人留学生の就職支援には多面的なアプローチが求められています。教育機関と外部機関が連携し、留学生の日本語能力を向上させるための取り組みが今後ますます重要になるでしょう。