2025年7月1日公開|新卒1,072名の退職代行利用データ分析
ベストカレンダー編集部
2025年7月30日 16:44
2025年度新卒退職データ公開
開催日:7月1日

退職代行モームリが2025年度新卒の退職データを公開
株式会社アルバトロスが運営する退職代行モームリは、2025年度新卒1,072名分の退職代行利用データを公開しました。このデータは、2024年度新卒805名の退職代行利用者データとの比較を含んでおり、新卒社員の離職率低下や労働者の早期離職防止に貢献することを目的としています。
調査は2025年7月1日に行われ、退職代行モームリの利用者を対象にアンケートが実施されました。以下に、調査の概要や結果を詳述します。

調査概要
調査は全国の新卒社員を対象に実施され、性別は男女を含む形で集計されました。2024年度新卒社員の人数は805名(内定辞退依頼の4名を含む)、2025年度新卒社員の人数は1,072名(内定辞退依頼の36名を含む)です。調査期間は、2024年3月1日から6月30日、2025年3月1日から6月30日までの2つの期間にわたります。
公開される調査内容は以下の通りです。
- 月別の利用者数推移
- 男女比
- 利用の多い業種
- 利用の多い職種
- 退職理由
- 実際の退職理由

退職代行利用者数の推移
2024年度と2025年度の新卒社員による退職代行利用者数の月別推移は以下の通りです。
年度 | 月 | 新卒利用者数 | 全体人数 | 割合 |
---|---|---|---|---|
2024年度 | 4月 | 254名 | 1,663名 | 15.3% |
2024年度 | 5月 | 298名 | 2,107名 | 14.1% |
2024年度 | 6月 | 251名 | 2,113名 | 11.9% |
2025年度 | 4月 | 487名 | 3,270名 | 14.9% |
2025年度 | 5月 | 350名 | 2,759名 | 12.7% |
2025年度 | 6月 | 199名 | 2,118名 | 9.4% |
2025年度の退職代行利用者数は1,072名で、昨年の805名と比較して267名の増加が見られました。また、退職代行の依頼が5月から4月へと早まっている傾向も確認され、早期離職が進んでいる可能性があります。

男女比と業種別利用者数
退職代行モームリを利用した新卒社員の男女比は、2024年度と2025年度で比較されました。結果として、女性の割合がやや高いものの、男性の割合が約3%増加しています。
業種別利用者数については、卸売業・小売業、生活関連サービス業・娯楽業、医療関係の上位3業種が前年と変わらず、長時間労働や人員不足が依然として続いていることが示唆されています。

退職理由と実際の退職理由
退職代行モームリを利用した新卒社員の退職理由は、最も多くが『入社前の契約内容・労務条件と勤務実態の乖離』であり、これは4割を超える結果となっています。以下は、具体的な退職理由の一部です。
- 入社前の契約内容と勤務実態の乖離:研修中の過酷な指導や、労働条件の不一致が多く報告されています。
- いじめやパワハラなどの人間関係:新年会でのセクハラ発言や、上司からの煽り運転などが例として挙げられています。
- 精神的・肉体的な理由:研修環境の悪化や過酷なプログラムが原因での退職も見られます。
- キャリア・給与面:求人票と実際の給与に大きな乖離があることも退職理由とされています。
- その他:契約書に記載された罰金制度などが問題視されています。

まとめ
2024年度と2025年度の新卒の退職データを分析した結果、以下のような傾向が見られました。
- 新卒社員の退職代行利用者は前年よりも増加している。
- 退職代行依頼のピークが5月から4月へと早まっている。
- 業種別では卸売業、サービス業、医療関係が上位を占めている。
- 退職理由は昨年と同様に『入社前の契約内容と勤務実態の乖離』が多く見られる。
このように、2025年度は新卒による退職代行の利用が全体的に増加していることが確認されました。さらに、依頼のピークが早期に移行していることは、若者の労働環境に対する敏感さを示していると言えるでしょう。
要素 | 2024年度 | 2025年度 |
---|---|---|
退職代行利用者数 | 805名 | 1,072名 |
依頼のピーク月 | 5月 | 4月 |
主な業種 | 卸売業・小売業、サービス業、医療関係 | 卸売業・小売業、サービス業、医療関係 |
主な退職理由 | 入社前の契約内容と勤務実態の乖離 | 入社前の契約内容と勤務実態の乖離 |
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参考リンク: